山崎翔太郎 自己紹介
こんにちは!アルバイトで働いている東洋大学社会学部4年 山崎です!レトロゲームが大好きな23歳。見た目も趣味も老けている?それだけは言わないでください!
クリエイター=芸術的な技術が必要という誤解
私もラクジョブを運営しているビ・ハイア株式会社にアルバイトとして働く前までは、アニメ業界、アニメ制作に携わっている方々は、全員絵が描けるものだと漠然と思っていました。少し考えれば分かることですが、そんなこと無いのですよね。しかしどうでしょう。イラストレーター、作曲家、CGデザイナーなどが想起されるクリエイターという業種が携わる業界は、どうしても芸術的センス、芸術的技能が必要であるという印象が、少なくとも業界のことをあまり知らない方々は思っているのではないでしょうか。もし「アニメが好きで、将来アニメを作りたいけど、自分は絵が下手だからな…諦めよう…」と落ち込んでいる方がいらっしゃったら、ちょっと待ってください!と声をかけたいのです。
SHIROBAKOなどの影響でアニメ制作の工程は以前よりも周知されたと思いますが、それでも絵のことを理解していないとアニメに携われないのではと思う方は絶対にいると思います。絵を描く技術だけでアニメ制作は賄えません。アニメ制作の需要は年々増加しています。絵が描けるスタッフだけでアニメを作っていては、到底間に合いません。
アニメ1本のスタッフ数
そもそも、アニメ1本を作るのに関わる人数をご存知ですか。升本和也さん著『アニメを仕事に! トリガー流アニメ制作進行読本』を見てみると、次のようなことが書かれています。
(引用開始)
アニメーション作りは集団作業です。30分のTVアニメーションに関わるスタッフは200〜300人になります。そんな多くのプロ技術者が関わるからこそクオリティの高い多種多様な作品が生産できるのです。
(引用終了)
もちろん、アニメを作る上で絵心や絵を描く技術、芸術的なスキル等があるに越したことはありません。しかし200〜300人全員がそうしたセンスやスキルがある人なのでしょうか。もちろん仕事としてやるからにはある程度の技能がなければ成り立たないとは思いますが、アニメを作るのは絵を描ける人ばかりではないのです。参考図書はアニメの制作進行について書かれた本です。これによれば、絵のスキルが必要ではない役職はそれ以外のスキルが必要であると書かれています。
実際に絵を描く技術が必要な役職
アニメの制作に携わる役職で、実際に絵を描く技術が必要な役職とそうでない役職を、同書を参考に分類させて頂きました。
絵を描くスキルが必要な役職
キャラクターデザイン、総作画監督、作画監督、原画(アニメーター)、動画(アニメーター)、美術監督、美術設定、背景
必ずしも絵を描くスキルが必要ではない役職
監督、脚本、シリーズ構成、原作、絵コンテ、演出、色彩設計、色指定、仕上、セル検査、特効、3D監督、3Dアニメーター、撮影監督、撮影、編集、音響監督、役者(声優)、効果、ミキサー、音楽、音響制作、ビデオ編集、テロップ、アニメーションプロデューサー、制作デスク、設定制作、文芸制作、制作進行
必要ない役職の中には、それなりにデザインソフトの知識や使い方、技術などが必要だったり、音楽や音響制作など、特定のセンスや技術がどうしても必要だったりするものもありますが、アニメの役職をこのように分類すると、むしろ「絵を描く技術を要するもの」に分類できる役職の方が少ないということがわかります。演出についても勉強したり、色彩感覚を養わないといけないものもありますが、絵をかけるからといって色彩感覚が抜群だったり、演出が上手なスタッフばかりとは限らないわけです。壮絶なチームプレイが、現場では繰り広げられています。それらを一手に管理する制作進行も、SHIROBAKOの影響で花形ポジションとして知られていますが、この役職も絵を描くスキルは必要ないのです。
最後に(画像提供元:Amazon)
絵が描けないからアニメ業界を諦めてしまった方は、是非ご自身のやりたいことをもう一度考え直して頂きたいのです。社会人になれば人生の大半は仕事と睡眠に時間を取られてしまいます。好きでもない仕事を毎日こなすことになるよりも、是非やりたいことを職業にして頂きたいのです。そうは言っても、現実は甘くないでしょ?と言われてしまうと、「はい、その通りでございます」と言わざるを得ません。升本さんは同書で、このようなメッセージを我々に伝えてくださっています。
(引用開始)
自分の人生の中で、自分の中の「アニメが好きな心」を大切にしたいのならばしっかり考えてください。
「アニメが好き」という気持ちをずっと大切にしたいのならば、その気持ちが一生続く居場所を(就職先を)ちゃんと探してください。
じゃないと不幸になりますよ!
(引用終了)
おそらく、どの仕事でもそうですが、外側から見たイメージと内側で実際に働いてみて分かることには大きなギャップがあります。アニメ業界は精神的にも肉体的にも辛い仕事であるということも、この本の中には書いてあります。絵を描くスキルはないけれど、それでもアニメ業界を目指したいといおう方は、「絵が描けないのならば、自分には何ができるだろうか」ということを常に考えて頂きたいのです。
ビ・ハイアが運営するラクジョブは、求職者の皆様が「アニメが好きだ」という気持ちが一生続くような居場所を探すお手伝いをさせて頂いております。
応募フォーム、お電話どちらでも構いません。是非お気軽にご相談ください!