軽視されているTPPについて
記事をお読みいただきありがとうございます。TPPとはTrans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement環太平洋戦略的経済連携協定交渉のことです。先日2月初頭に大臣が承認したことをテレビでも報道されていたのでご存知の方は多いと思います。ですが、中身は?内容は?となった時にあくまで関税を取っ払う、取っ払わないという話で収束してしまっていることに対して違和感があります。先日、版権モノを管理している会社さんに「TPPについてどう考えておりますか?」伺った際、返って来た答えは「特に平気です。業界内でも特に問題になっておりません。」と仰ってました。内容を話すとどこの誰かが分かってしまうのでこの程度に止めさせて下さい。
そこで今回は、実はやばい!TPPについて書いていきます。何の情報を信用するかは、その人の自己責任ですが、テレビや大手メディアでは報道されない部分にもしっかり迫っていきたいと思います。
チリ、ブルネイ、ニュージーランド、シンガポール
チリ、ブルネイ、ニュージーランド、シンガポールで2005年に調印されました。それから、ベトナム、マレーシア、ペルー、アメリカ、オーストラリア、日本という形で参加を表明し、12カ国の国が調印した形になっております。さらに、参加したいという国が増えれば拡大はしていくのかなと思います。TPPの原文というのはA4の紙にするとタウンページくらいの厚さになるのですが、実はこれを読んだ国会議員はいません、というのも原文を手に入れることは不可能となっています。
どういうことかというと、TPPは秘密条約ですので公に明かされることはありません。厳密な守秘義務契約が結ばされ4年間はこの交渉に関わった人間は中身を伝えてはいけませんし、自分が交渉人の1人であると発言することも許されません。どうやってこれで条約を結ばせようというのかは分かりませんが、2月初頭に日本はサインをしてしまいましたので中身を誰かが読みそれに対しOKということで承認をしたのでしょう。ですが、実態は中身は分からない上、誰が関わっているかも分からないモノです。一体どういう風に進んで行くのか先行きが見えないというのがTPPの正体です。
危険な部分
この秘密を共有している人間が仮に国会議員だったとしたら話はまだ分かります。国会議員は我々の信託を受けて法律を作り、国家を担う権利を得ている訳ですから問題ありません。ですが、その国会議員が知らないし、見たこともないという発言をしていることから分かるようにほとんどの国会議員は全く関知していません。もしかしたら一部の甘い汁を吸わせて貰える国会議員たちだけに公開はされているのかも知れませんが、いずれにせよ国会議員の手からTPPについては離れてしまっております。
では、それを誰が決めるのか?に関しては秘密ですのであくまで憶測になりますが、民主的に選ばれた訳でもない人たちの手によって決められ施行されていきます。しかも、日本は既に調印を終えてしまっておりますので、国会の批准を待ち承認されたらもう抜け出すことも出来ない可能性は高いです。ここも原文に書かれています。
アニメゲーム漫画業界とTPP
こちらは消去法にはなってしまいますが、民主的に選ばれていないとしたらどういう風に選ばれているかと言えば、何の制約で決められたのか分からない人たちが決めることになります。それは、民主的でも何でもなく、もしかしたら、大きい声を持った資本家かもしれません。その場合、何が危惧されるのかと言えば民主主義の実質崩壊です。
仮にそうなった場合、日本は全てに競争が持ち込まれる世界です。医療、福祉、教育、刑務所、水道、電気、日本だったら確実に公共団体、区役所や市役所、いずれにせよ国が補っていたものを民間が運営することになります。競争社会、弱肉強食です。アニメゲーム漫画業界というものは国が平和だからこそ成り立ちますが、インフラも福祉も崩壊した国で育つものではありません。その様な競争社会がスタートしたら間違いなくアニメゲーム漫画業界は亡び去るでしょう。
1人のクリエイターとして、1人の有権者としての行動
ここからは1人の日本人として、クリエイターの1人として行動していって欲しく思います。秘密条約ですので、一体何がどうなるやら分かったものではありませんが、何を信頼し、どんな行動を私たちが取るのかに掛かっています。失敗か成功かは現時点での判断は付きませんが、少なくとも行動をせずに何もしないまま終わるよりは遥かにマシです。マシですし、そちらの世界の方が良いと言える気はします。
今回は、最初から最後まで政治的な話題でしたがアニメゲーム漫画業界の生き死にを決める問題として取り上げました。最後まで読んで下さりありがとうございました。