2017新卒に知っておいて欲しいあなたの値段 面接には2億2000万円〜3億3000万円の商品を売り込む覚悟が必要です。

これから就活の荒波に飲まれるであろうこれからの新卒学生に知っておいて欲しい「人の値段、あなたの値段」の話をしたいと思います。

shutterstock_189330611「社会人になったらあなたは商品です。」

新卒でこれから就活を始め、2017年の社会人となる人にまず知って欲しいことは、あなたは商品だということです。社会人になると、通常のパターンであれば、どこかしらの企業に入社して働くことになるはずです。その中で、あなたは「人件費」という名の「コスト」になります。資本主義社会においてあなたは「労働力」という名の「商品」になります。これは、マルクスの「資本論」にも書かれています。マルクスは19世紀に生きた人です。資本論は1867年に発表されました。すでに150年近く前から人間は労働力という名の商品として労働市場に流通し続けています。

では、労働力とは、具体的にはどんな商品なのか。資本主義とは、その名の通り、資本家のためのシステムです。資本家は資本を運用することで資本を増幅させます。お金も資本です。労働力も人的資本と呼ばれるように資本の一つです。つまり、資本家は労働力を行使することによって、お金という資本と増やしています。労働者が働いて得た利益は資本家が手にします。これをもって、マルクスは「資本家が労働者から搾取して利益を生み出している」と言いました。もっとも「搾取」と聞くとマイナスイメージが付いて回りますが、資本主義社会においては資本家が労働者から搾取すること自体は資本主義が全うに機能している証拠です。

19世紀、20世紀にはこれらの言葉は確かにリアリティをもって受け止められており、資本主義に対する反発のエネルギーは、共産主義となって「ソ連」という一つの国を作り上げるまでに増大しました。共産主義とは、簡単に言うと「生産資本を全体で共有するシステム」です。資本家が資本を独占して、労働者が商品となっている状態への反発として生まれました。しかし、年月を経て、共産主義は機能しなくなり、資本主義は世界中を覆い尽くしてるのが21世紀の世界です。

shutterstock_292107254あなたの値段は2億2000万円〜3億3000万円

これを聞いて「人を商品扱いするなんてひどい!」と思う人もいるかもしれませんが、これはもちろん会社に雇われ、労働者をしている人間の一側面にスポットを当てた時の見方でしかありません。例えば、サバンナの真っ只中に放り出されれば、資本主義など一切関係なく、肉体的な弱肉強食の世界で、あなたは「動物」としてゾウやライオンと同じ地平で生き残る術を考える必要があるでしょう。

そして、「ひどい」と思いつつも、「就活しないと…」と思っている人にはもう一つ知っておいて欲しいことがあります。それは、あなたの値段は、2億円、3億円するということです。ユースフル労働統計によると、2009年の平均生涯賃金は、

・中学卒:2億1980万円
・高校卒:2億4670万円
・大学・大学院卒:3億3340万円

という調査結果が出ています。終身雇用が崩壊しつつある中、新卒入社から定年まで1社だけという人は多くはないと思いますが、それでも「正社員」として雇用する以上、企業側には生涯雇い続けるだけの覚悟があります。新卒学生は、「内定を得るための面接」のつもりでも、企業側からすれば、「私という労働力を2億円、3億円で買ってください」という営業を受けているようなものです。

新卒学生でそこまで考えられている人は多くはないでしょう。そして、だからこそ、企業は簡単に内定を出すことができないのです。資本主義は数字の世界です。面接の場で、滔々と「何がやりたいか」を語る学生は多いですが、企業に対して「自分を雇ったらどれだけ得をすることができるか、どれだけ利益を得ることができるか」をプレゼンして営業できる学生はまずいません。もちろん20代から60代までの40年間を全て見透せる人はいないですし、企業もそこまでを求めているわけではありません。最低限考えていることは、「この人は労働力として損のない買い物だろうか」ということです。世間的には「黒字社員」とも呼ばれている指標です。

shutterstock_365599991アニメゲーム漫画業界で言えば「人月」

ゲーム業界、CG映像業界に即して言えば、「人月」という言葉が使われます。下請け受託会社が1人を1ヶ月稼働させる代わりに得る対価のことです。1人を例えば人月80万円のプログラマー、人月70万円の3DCGデザイナーと言った具合です。20万、30万円の給与から考えると非常に高額に思えるかもしれませんが、この人月の上には、オフィスの家賃やソフトウェアのライセンス料なども上乗せされていますので、実際の利益率は3〜5%程度です。受託下請け会社である以上、急激に利益率を上げることは難しいです。だからこそ、労働力を増やして、生産力を上げて、利益を増やしたいと考えます。

非常に生々しい話ですし、夢のない話かもしれませんが、少なくともこれが資本主義の上で展開されていることです。しかし、考え方によっては希望もあります。ディレクターとして、労働力を有効活用できる、あるいは独立して社長として資本をコントロールする立場になるなどすれば、資本主義上でできることは資本の量だけ増えていきます。その意味で現代は良くも悪くも実力主義です。これから必要となるのは資本をマネジメントする実力です。そして、その第一歩は、自分という資本をマネジメントして、企業から内定を得ることです。世間ではあまり言われないことかもしれませんが、だからこそこのことが分かってる人にはそれだけアドバンテージになります。これを読んでくれた人が少しでも社会人の第一歩を上手く踏み出ればと願っています。

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