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2017.02.27 宮崎駿新作発表と2017年春アニメの監督陣から考える「アニメ監督の活躍年齢」

hayaooo「ベテランアニメ監督」は50代を超えてから?

先日、宮崎駿監督が新作長編アニメの準備に入ったというニュースが話題になりました。2013年に引退宣言をした監督ですが、企画書と絵コンテが2016年7月にはできていたという話です。これから制作して公開が2年後になったとしても宮崎監督は78歳。アニメ監督に明確な定年制度はありませんが、世の名だたるアニメ監督達は40代後半から50代も多くいます。去年話題になったゴジラの庵野秀明監督は56歳、アカデミー賞短編アニメーション部門にノミネートした作品を作った山村浩二監督も53歳、現在2作の映画アニメ新作を準備中の湯浅政明監督も51歳と、安定した評価の固まっているベテラン勢は50代超えが殆ど。細田守監督(49歳)や「君の名は。」の新海誠監督(44歳)はどちらも40代でまだ「若手」と呼ばれる世界です。たまに「アニメ監督達が引退しないことで新しいデビューの目が摘まれている」という説もありますが、果たして本当なのでしょうか?今回は2017年春アニメの監督達に関するデータも集めた上で「アニメ監督として活躍出来る期間」を調べてみようと思います。

TVアニメの監督達は平均年齢46歳

因みに「定年」という言葉はよく使われますが、従来の「60歳で定年」というのはもう古い概念だったというのはご存じでしょうか。2013年に改正高年齢者雇用安定法が施行され、「定年は60歳から」ではなく「65歳から」になったのです。この辺りの話は細かく行いませんが、基本的に「定年」とはそれぞれの会社での社内規定、就業規則で「この年が労働契約終了」と定めた規定年齢のことを言います。しかしアニメ監督の多くは社員では無くフリーとして活動しており、実質的に定年というのは存在しない方の方が多いでしょう。そういう訳なので65歳を超えてもなおアニメを作る監督は多そうな気がしますが、ちょうど現在現役としてTVアニメシリーズの監督を務めている方々の年齢はどれくらいなのでしょうか?・・・ということで、現在発表されている2017年春アニメの内監督が明らかになっている48本を全て調べ、それぞれの監督の年齢や初クレジット時期を割り出してみました。それがこちらの表です(クリックで拡大)。
※因みにこちらはほとんどのソースがアニメwikiさんなど有志のデータベースによるものなので、間違いがある可能性も多々あります。ソースとしての信頼度は完璧ではありませんので、参考程度に見て下さい。
※各年齢は「誕生日後の年齢」で計算しています

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どうしてもアニメ監督の詳細データというのは簡単に集まるものではないため約半分の監督は年齢が不明ですが、年齢が明らかな人達だけ集めても平均年齢は約46歳です。年齢不明の方々も初クレジットと思われる作品の時期が大きく違わないことから、全体の平均年齢も大きく変わることは無いでしょう。

他にもこの表からは面白いことがわかります。48人いる監督達の内、5名が今作TVアニメ監督デビュー作です(これまでのデータが殆ど見つからない和ト湊監督の「ろくでなし魔術教師と禁忌経典」も初監督として数えるのであれば6名)。残念ながらどれも年齢が不明な監督さんばかりですが、放映される新作の内1割前後は新人監督によって生み出されている可能性があります。彼らの初クレジット作品発表年と、年齢が判明している監督達の初クレジット作品発表年を見比べてみると、2017年春アニメで監督デビューとなった方々の年齢は若くても30代後半から40代半ばくらいまでの年齢なのでは無いかと思われます。

51yh6yr3bdl監督になるまで平均12年は活動する必要あり?

同時にここでは、それぞれの監督さん達がスタッフとして初クレジットされた時から初監督に至るまでの年数も割り出してみました。動画出身と思われる方もいらっしゃったため、初クレジットされたのが必ずしもアニメ業界で働き始めた年ではありません。また、中には「監督をやってよ」というオファーがありつつも断り続けた・・・という方もいらっしゃる可能性があります。とはいえ48名全員を集めてみたところ、初クレジットから初監督までに平均して12年ほどの月日がかかっていることがわかりました。初クレジットは「制作進行」や「撮影」「原画」など様々です。原画からクレジットされている方はその前に数年動画としての活動期間があったはずなので、実際はアニメ業界に入ってから監督になるまでもう少し時間がかかっているでしょう。因みに宮崎駿監督は1963年に東映動画に入社、アニメ業界入りしてから初監督作品となる「ルパン三世 カリオストロの城(1979年)」を発表するまでに16年かかっています。

アニメ監督は長い仕事

また、今回の調査で調べた監督の方々は20年以上監督業に従事している人がまだ多くありません。アニメ業界自体がまだそう歴史の長くない中で、監督として働き完璧に引退しきった人よりも現在活躍している方の方が多いのです。そもそも辞職率が高いと言われるアニメ業界の中で、それでも監督を目指すとなれば10年前後は腰を据える必要があるということは前述の通りですが、そこから倍以上の年月をアニメ監督として捧げられるかどうか、というのも個人個人の根気をかなり試す話でしょう。

ラクジョブはアニメ業界に入りたいという方からの閲覧が特に多い媒体ですが、アニメ業界で働くと言うことはあまりこうして数値化されて目にすることが多くないかも知れません。少しでも皆さんがこれからの夢を描く際にこういったデータが役立てば嬉しく思います。

この記事を書いた人

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平田 ビ・ハイア株式会社副社長 » 詳細プロフィール

アニメ・ゲーム・マンガ業界の求人ビジネスに15年以上携わってきたベテランスタッフです。最近はWEBtoon、VTuber、成人向けコンテンツまで幅広い就転職のお手伝いをしています。求人で不安なことがあればいつでもご相談下さい!

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ビ・ハイア株式会社副社長

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