フルカラー、スクロール読み漫画ジャンル「WEBTOON」。
見開き漫画に幼い頃から親しんできた層にはちょっと距離があり、「本当にこれが流行るの…?」という声もまま聞こえます。
こういった疑問に答えるように、先日MMD研究所からあるレポートが発表されました。
それによると、個人の感覚では測りきれない結果が出ていたのです。
調査データ:5割以上がWEBTOONを週に1回以上読んでいる
このデータによると、10代〜60代(調査対象年齢全般)において3〜4割の閲覧経験があり、5割以上の人が週に1度はWEBTOONを読んでいるということでした。「ラブコメ」「異世界」「転生・回帰・憑依」といったジャンルに人気があり(現在特によく執筆されているから、という可能性もありますが)、無料で読めるということも読者層の獲得に結びついているようです。
上記リンク内には世代別の読者層グラフもありますが、「若い人しか読まない」「自分たちの年齢層だと読む人は少ない」といったイメージが覆るような結果となっています。
スクロールというスマホならではの操作性は漫画への敷居を低くしており、今後も読者層の拡大が見込めます。
その一方、仕事上WEBTOON業界から聞こえる声は「作り手不足」の声です。
どうしてもフルカラーが好まれること、量産が必要とされることから「原作」「ネーム」「作画」「着色」を分業する上、編集者も作品の数が増える分求められているためです。
また、WEBTOONは数が多いため、ヒット作を作るために1社が量産する→作品の質を上げるのが大変になり、数の中で当たるものを求める→更に量産する…といったループにも陥ってしまう会社が増えており、課題を感じます。
分業のため、1話あたりの制作コストをどこに一番割くか、という問題もあるのです。
しかし、WEBTOONのコンテンツとしての強さはやはりフットワークの軽さ。
海外では特に、実写化等を行ってWEBTOONから大きなビジネスを育てることができるようになっています。日本でもNetflixでジャンプ+発のWEBTOONがアニメ化されるなど話題になりました。
大きなビジネスを回せるスキームが完成すればするほど、WEBTOON市場やそこで働く人にとってのチャンスも大きくなることが予想されます。今のうちから業界に入っておくのは必ずしも時期尚早ではないでしょう。