ソーシャルゲーム、スマホゲームが次々にアニメ化されています。「神撃のバハムート」がCygamesの1社提供とアニメとしてのクオリティの高さで話題になり、「モンスト」がYouTube限定の短尺アニメで話題になり、「パズドラ」がぴえろ制作でテレビアニメ化が発表され話題になっています。これらのソーシャルゲームアニメ化を理解するための一つのカギが「コンテンツマーケティング」という言葉です。
アニメは儲からないという大前提
まず大前提として、アニメは儲からないということを知っていただきたいと思います。どういうことかというと、アニメはアニメを作ってアニメをテレビで放送するだけでは全然元が取れないということです。もちろん、中には大ヒットしてアニメだけで元が取れるものもあります。しかし、大概は製作委員会を組成して、制作費を折半し、CDならCD、パッケージならパッケージ、玩具なら玩具、パチンコ・パチスロならパチンコ・パチスロと、それぞれの得意分野で儲け儲けを出すための核となるコンテンツをとしてアニメは制作されています。
だからこそ、制作されるアニメもそれぞれが利益を出しやすいような内容になりがちです。CDを売るためには人気声優を起用する必要がありますし、玩具を販売するためには、ロボットやカードが必要になりますし、パチンコ・パチスロにするなら派手な戦闘シーンは必須です。さらに原作がある場合に原作者や版権元の意向にも沿うものにする必要があります。アニメを作ると一言で言っても、現代のアニメはそれらの上にあります。
最初にも少し述べましたが、現在スマホゲーム原作のアニメが非常に増えています。この背景には何があるのでしょうか。
一つにはスマホゲームの好調があります。ガンホー、ミクシィ、サイゲームスも今非常に儲かっており、利益の最大化のための最適な選択肢を探しています。もちろんそれぞれの稼ぎ頭はパズドラ、モンスト、進撃のバハムートです。これらのゲームの勢いをさらに伸ばすことが彼らにとって最も重要なことです。つまり、新規ユーザーを獲得して、ファンがより離れないようにすることです。
そして、その観点から見てアニメ化は有効な方法です。スマホゲームの一つの弱点は、ゲーム性の高さをウリにして短時間で瞬発的にゲームの面白さを伝えることに特化している反面、長期的に深堀りされるようなストーリーを伝えにくいことです。もちろん中には「チェインクロニクル」のようなストーリー性の高さで成功したゲームもありますが、ストーリー性、キャラクター性を深掘りすることが不可欠です。近年の流行はアニメや漫画などの原作ありきの作品のスマホゲーム化ですが、これはある意味逆の発想で、アニメや漫画ですでにストーリーやキャラクターが深く知られているからこそ、その土壌の上にスマホゲームを乗せることが爆発的なヒットに繋がる例が増えています。
なので、基本的にスマホゲームのアニメ化はゲームが主軸で、ゲームのためにアニメは展開していきます。もちろん「アニメとしても面白いものになってほしい」という思いはありますが、ゲームにより親しんでもらうためのツールとしてのアニメであることが第一義です。
メディアミックスとコンテンツマーケティング
世間的には、アニメ展開ばかりが取り上げられがちですが、一方で、スマホゲームが漫画化されるケースも多々あります。パスドラもアニメ化発表と同時にコロコロでの漫画連載も発表されており、今年は本格的なメディアミックスの年になりそうです。また、目の付け所がいい会社は、スマホゲーム専門の電子コミック事業を立ち上げている会社もあります。漫画は雑誌連載などではなく、WEB上で無料で何度でも読める広告漫画形式で、新規ユーザー獲得や既存ユーザーへのファンコンテンツとしても活用されています。
アニメゲーム漫画では、一般的なjメディアミックスの手法は、今コンテンツマーケティングという言葉で様々な業界から注目されています。コンテンツマーケティングとは、その名前の通り、「価値のあるコンテンツを提供することで知名度を上げるマーケティング手法」のことです。スマホゲームとアニメ漫画の関係性でいえば、アニメ漫画はコンテンツマーケティングのためのコンテンツで、スマホゲームが収益源としてのコンテンツということになります。もちろん本格的なメディアミックスの場合、これらのコンテンツ間の垣根は薄くなり、それぞれが集客ツールとなりつつ、それぞれが収益源になります。
業界の垣根を超えたつながりはこれからの時代の武器になります
そして、これらのメディアミックスは、これからのスマホゲーム業界にはなくてはならない視点になるでしょう。ただでさえ、ヒットが難しくなりつつあるスマホゲームの新規タイトルで勝負するためには業界の垣根を超えた協力が初動から必要になります。ビ・ハイアでは10年前からアニメゲーム漫画業界のシナジーを大切にしていますが、近年特にその重要性が高まっていることを感じます。そして業界の垣根を超えたつながりを増やしていただくためにも、アニメゲーム漫画業界を一つの括りとした業界発展のための無料経営者交流会を定期的に開催しています。業界の役員(代表取締役、取締役)であれば、どなたでも参加可能です。ぜひ興味のある方が以下の記事も合わせて読んでください。それでは最後まで読んでいただきありがとうございました。