アニメ ゲーム オリジナルタイトル制作をヒットさせるまでに必要なこと。大手消臭剤メーカーの代表の記事に学ぶ、社長と経営者の違いについて

2月15日のダイアモンド社のビジネス情報サイトで、大手消臭剤メーカーのCEOのインタビュー記事「社長と経営者は違う。その差はなにか」というものを目にしました。そしてそれが、アニメやゲーム業界で、オリジナルタイトルを出し、ヒットまで繋げることができるか否かにつながるものではないかと感じましたため、記事にしました。

レビュー記事に関して

インタビューを受けた方は、エステー株式会社の取締役会議長兼代表執行役会長(CEO)の鈴木喬氏になります。エステーといえば、消臭力やムシューダなどの奇抜はネーミングでヒット作を世間に出している消臭剤、防虫剤の商品を売り出しているメーカーになります。今回はこちらの代表の方が、「社長と経営者は違う。その差はなにか」についてインタビューを受け、記事になっていたので、経営の参考になればと思います。

参考サイト 社長と経営者は違う。その差はなにか
https://diamond.jp/articles/-/86214

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「社長」と「経営者」の違い

鈴木氏は、「社長」と「経営者」の違いについて以下のように述べています。

引用始め
齢80を過ぎて「社長と経営者は違う」とつくづく思う。「社長」「経営者」と同じ存在を言っているようだが、内実はまったく別物で、社長であることをよしとする人と、経営者になろうとする人は明らかに違う。経営者とは、やはり社長のもう一つ上なのではないかと思うのだ。
だいたいが、「社長」になると舞い上がってしまい、偉くなった気分になる。でもそれは、社長に任命されれば社長で、結果が思わしくなければ取締役会や株主総会、陰の実力者などから「お前は終わり」と言われれば、それまでの存在だ。「プロ経営者」とマスコミに持て囃される人でも本質的には雇われ社長に過ぎず、経営者にはなれていない事例が多い。

引用終わり

スクリーンショット 2016-02-16 18.24.45中小企業と大企業の境目

アニメゲーム漫画業界において、まだまだ小さな業界です。そのため、紹介したエステーのような資本金70億6550万円、従業員数、連結859名という会社はそうそうありません。アニメゲームはサービス業に分類されるため(日本標準産業分類上の分類)中小企業の定義は、資本金の額または出資の総額5000万以下、従業員100人以下のどちらかを満たした場合、中小企業となります。そのため、大企業と言われるためには、資本金の額または出資の総額5000万より多く、従業員も100人より多くいなければなりません(中小企業庁)。その条件を満たした大企業は、アニメゲーム業界において、100社もいかないのではないしょうか。そのため、株主総会をやっている会社も一部ですし、取締役会などで引きずり降ろされることは稀です。しかしながら、多くのアニメ会社、ゲーム会社において影の実力者というものは存在します。

shutterstock_142204249それは、クライアントです。多くのクライアントがある会社は、リスク分散しているため、影響は少ないですが、ある程度、固定のクライアントの場合、一気に経営が傾き、鈴木氏の言っている社長としての最低条件の会社を維持するということも難しいということになります。現に一昨年の遊技機の出玉規制により大手メーカーの奥村遊戯が倒産の際、関連会社の多くが影響を受けました。

つまり、アニメやゲーム会社の中小企業の経営者とは、会社としての存続を維持しつつ、会社を成長する方向へ導く戦略を立て、その環境から自分の意思で逃れられないほどの価値を出した人が経営者になるのではないでしょうか。


shutterstock_250120600鈴木氏が大事にしている経営者の決断・・・

鈴木氏はこちらの記事で

引用始め
「働き1両、考え5両、見切り千両、無欲万両」と言うが、見切りが一番重要だ。なにしろ経営者は責任を持っているのだから。
新製品でも、「もうちょっとやればうまくいく」などと欲が出るが、「ちょっとおかしい、こいつはダメだな」と思ったら、「もう一生懸命にやるな。撤退だ」と大号令をかける。理由なんてどうでもいい。経営者ならば自分の責任と判断で決める。それができなければただの社長だ。

引用終わり

ということを言っております。一番大切なことは、見切りをつけることとなります。ゲーム業界や遊技機業界においても、ソーシャルゲーム業界で言えば、ガチャの規制問題、第2、第3のヒット作の不足、遊技機業界で言えば、釘打ち問題や出玉規制の問題と不安材料となるものがあります。当然クライアントとしては、予算を削減したり、開発タイトルを減らしたりという方法があるため、受託開発を行っている中小企業にとっては、仕事の依頼が減ってくるでしょう。そうした際に、撤退時期をいつにするのか、次の経営戦略をどうするのかについて考える必要が出てくるでしょう。

shutterstock_148417457オリジナルタイトルを作り、ヒットさせるために必要なこと

アニメ、ゲーム業界において、オリジナルタイトルを作りたい、自分の思ったものを作りたいということで、独立してできた会社が沢山あります。そのようなオリジナルタイトル制作、開発を目指すのであれば、経営者として失敗を恐れない、リスクを恐れないということです。鈴木氏の記事では、

引用始め
直感を養うには、失敗に学ぶしかない。痛い目にあって「クソッ!」と思いながら、「何だったのだろうな」と思う。社員に失敗の理由を聞いても誰も本当のことは言わない。「私が悪うございました」と好んで頭を下げる奴など一人もいない。それが世の中だ。だから自分で考えるしかない。

中略

ましてや今の時代、消費者の考え方は多様さを増し、成功確率はどんどん下がっている。日用品の世界では2割当たれば御の字で、平均打率1割を確保できていればヒットメーカーと評価されるほどだ。
引用終わり

と書かれており、失敗しなければ成功しないということです。別の企業の話になりますが、ソーシャルゲームの「スクフェス」を開発したKLabの真田代表も「スクフェス」の大ヒットまでに何度も何度も失敗したそうです。しかし、キャッシュフローをしっかりと行ってきたことにより、ヒット作まで持ちこたえることができ、今までの損失を上回るほどの収益を上げることができたのです。

shutterstock_2962190691社長から経営者になるには

今回の記事を読み、経営者となり得る人は、経営者としての自覚と覚悟を持ち、会社を成功させるための決断とリスクを恐れず挑戦し続けることではないかと思いました。

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