アニメ業界ってつらいところ・・・?
アニメ制作進行のみなさん、こんにちは。この記事では今更アニメ業界の制作進行の仕事とは何か?と説く予定はありません。制作進行経験者の方向けに、制作進行経験者で有るが故の常識を打ち破る制作進行募集に関してお知らせしたいと思います。アニメ業界で働いたことが有る人でもない人でも「アニメの現場は辛い」と言います。それはなぜでしょうか。
TVシリーズのアニメ作品だと通常300名以上の人が関わって制作を行っています。そして、1話あたりの制作費が大体1000〜1500万円ほどです。1週間に1回の放送で1ヶ月に5000万円〜7500万円のお金で300人が動いているとなると、単純に割っても1人当たり17〜25万円。実際には広告代理店への支払や貢献度やポジションによる収入の個人差もあるので、一般職で1ヶ月フルに働くよりも低賃金かつ人との連携が必要で、自分の遅れが全体に響く厳しい仕事であると言わざるを得ません。
特に300人をまとめあげる制作進行は全てをまとめあげる辛さがある
自分の仕事を遅らせずにこなすことだけでも大変なアニメ業界の中で、最も大変だと言っていいのが制作進行です。人によっては作品のエンドロールに名前がクレジットされることもあり、それなりにやりがいはありますが、アニメーターなどの制作スタッフとは違い、自分の描いた作品がオンエアされるわけではありませんし、「〇〇さんの脚本」「〇〇さんの作画」のようにファンから認知されることもありません。そんな中、基本的に考えなくてはならないのは全体の進行であり全体の進行を遅らせないための個人のケアです。徹底的に自分を殺して、全体が上手く回るように300人のうちの一人一人に気を配り調整役を行う制作進行は、前述したようなメンタル面がしっかりしていることはもちろん、フィジカル面のフットワークの軽さも大事になってくる割りに表舞台に出ないという、相手に尽くすだけであまりご褒美のない、一番辛い職業と言えなくもありません。それは、経験されてきたみなさんが一番よくわかっていることかと思います。
それでもまだ制作進行で転職を考えるあなたは神か自信なさ過ぎかラッキーか
そんな辛い職業、制作進行を経てなおまた次の転職を制作進行で考えている人はなぜ制作進行を辞めて制作進行になろうとしているのでしょうか?他の会社でもずっと制作進行として色々なスタジオを助けて回りたいんだと言う人だとしたら止めませんし、そういう自分より他人の役に立つのが心の底から幸せという神様みたいな人もたまにはいます。今の会社に居続ける自信がなくて転職を考えている人は数ヶ月から数年後、転職先の企業でも同じ事を思っているでしょうからまた制作進行になろうとするのは辞めた方が良いかもしれません。
基本的には転職をすればするほど生涯賃金は下がるという統計データが出ていますし、狭いアニメ業界では辞めたことが悪い噂になって飛び交うと言うこともあります。しかし、論理的に所属する会社を選んで制作進行から監督になった水島精二氏のようなラッキーな人もいます。これは各アニメ会社の条件面や立ち位置をしっかり把握し、今の会社に残り続けて得られるキャリアや人脈より、違う会社に移った方が良い理由を論理的に理解している人です。
ラッキーは論理が作る。制作進行でもノーリスクでステップアップ出来る会社の見つけ方
ステップアップできる会社のポイントとしては、携わっている作品やよく仕事をしている監督が自分の制作進行として、そしてその先のキャリアから見て合致しているかどうかが1つ要となります。そしてもう1つは、制作進行として管理するスタジオの多さと事業モデルです。制作進行が会社を辞めるときの3大理由は人間関係、仕事のハードさ、賃金の安さです。これに耐えられず衝動的に辞める人も多いのですが、狭いアニメ業界の中で個人の評判を落とし、再就職に不利になってしまう場合があるので耐えられなくなって爆発する前によくよく考える必要があります。将来から見て自分にプラスになる出会いはあるかどうか。そして、現在の仕事としてストレスになるような無理な仕事の仕方になっていないかを見極めてください。
前述した水島精二監督は、制作進行時代に「演出がやりたい」という夢を持っていましたが、元いた会社からは「お前はずっと助手だ」と言われます。そこで、「ここにいてもやりたい仕事が出来ない。」と、転職を決めてOVAやゲームなど、同じアニメでも違った仕事の進め方をしている会社で経験を積み、まわりの監督から信用される仕事をこなしていったからこそのちのち色々なことに誘われ色々な世界を見て、監督として大成していきます。TVシリーズのアニメを元請けしている、もしくはグロス請けしている会社の場合は、基本的に制作工程も同じですし300人単位の人数を相手にしなければいけないので、前述したようにほぼ「どこに行っても同じ」ですが、水島監督の経験したようにOVA制作など例外的な企業はあります。そして、この例外企業こそこれから制作進行として転職するのにふさわしい企業です。
TVシリーズは一切請けないアニメ会社
例外企業とはどういう会社かというと、「TVシリーズは一切請けないアニメ会社」です。TVシリーズの制作進行をしていると、毎日の締切に追われて、別の制作スタイルは目に入ってこないかも知れませんが、世の中にはアニメ会社でもTVシリーズは請けずOVAを専門に作っていたり、30秒〜3分ほどのOPやED、PV等のショートムービー専門の制作スタジオもあります。こういったところは同じアニメ会社でも関わる人数とスケジュール、予算が大幅に違います。今回オススメする株式会社ポイント・ピクチャーズはショートムービーのみ扱うアニメ会社です。基本的なクライアントはTVシリーズの元請け会社や、ゲーム会社等で、主にアニメやゲームの世界観を構築するOPやPVを作成するため、1つの案件に対して関わるのは10名未満です。
元請けアニメ会社の監督など、コンセプトを決めるキーマンと話しムービーの世界観を決めたら、あとは社内の作画監督と作画・編集スタッフとのやり取りが主になります。10名以内で2ヶ月ほどかけて30〜3分までのムービーを作る仕事なので、TVシリーズの制作会社と比べ、人的ストレスや締切のプレッシャーが少なく、心に余裕を持ってクオリティに集中することが出来ます。TVシリーズと比べて1本当たりの単価は少ないですが、その分関わる人数を減らし社内で完結できる体制を作っているからこそ、正社員採用で徹夜もなくノーリスクでのびのびと働ける環境がアニメ会社にいながらにして実現できるのです。全体を見回し舵を取る必要がある制作進行という仕事は大変なことには変わりないですが、より相手にするスタッフが少なく距離が近く、各スタッフが1案件に関わる期間が少ないところの方が必然的に職場環境は良くなりますので、制作進行としての転職を考えている場合には、こうした視点も入れて考えて見てください。
最大限のクオリティを引き出すものは努力や我慢ではない
これからのアニメ業界では、我慢して苦労して得られるものは少なくなっていきます。ソフトも環境も進化している中で、「頑張ってるからお金ください。」は通用しません。時間をかけて手描きしたものだからすごいと言われる時代は終わりを迎えます。進化したソフトと環境を使って、それに適応した最高のクオリティのものを作り出す必要があり、それを実現するためには時間の投下やがんばりではなく、自由な発想力や楽しませようとする心が一番大事です。
既存のアニメ業界でも、一生懸命苦労する人よりも発想力やアイディアを持っている人の方が年収が高く設定されています。それをみんな分かっているはずなのにわざわざ苦労しないと行けないように思わされている節があり、そのせいでいらぬ苦労をして耐えられなくなったスタッフが辞めていくことで離職率も高くなり、正規雇用にリスクが伴うために下の人間の報酬と雇用形態にしわ寄せが来ます。せっかくいま、制作進行から制作進行へ転職しようとしているあなたには、ぜひ楽に楽しく責任を持ってアイディアを活かし高収入を得られる仕事を選んで欲しいと思います。
アニメ制作進行 求人 ショートアニメーションにアニメの活路あり ショートアニメーション業界の先駆的アニメ制作会社から制作進行募集
アニメ制作進行 求人 ショートアニメーションにアニメの活路あり ショートアニメーション業界の先駆的アニメ制作会社から制作進行募集
※水島精二監督インタビュー https://www.amgakuin.co.jp/contents/?p=1267
https://www.hagaren.jp/old/hagaren-movie/