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2016.02.01 中国で日本のアニメーションが求められる理由 「MADE IN JAPAN」の海外進出はアニメでも通用するのか

先日、とあるテレビ制作会社から面白い話を聞きました。その会社では、ゲームアプリの開発に新規で取り組んでいたのですが、中国のパブリッシングサイドからゲームアプリのPVを日本で制作してほしいという依頼があったそうです。なぜ中国からそのような話があったのかについてお話ししたいと思います。

shutterstock_257617129中国が日本に発注し、日本は中国に外注?

アニメ制作に関わってる会社であれば、これが少しおかしな話であることは分かるかと思います。というのは、アニメ制作において動画が中国に外注するケースが多々あります。つまり日本のアニメを中国に制作してもらっていたわけです。日本に比べ、中国の方が人件費も安いですし、凄腕のアニメーターがそろっているというわけではないですが、日本の新人アニメーターに比べれば、十分なパフォーマンスを発揮します。人件費もクオリティも申し分ないという理由から制作を中国に外注しています。

つまり、日本のアニメを中国に外注するから割がいいのであって、中国から日本に制作を外注してしまっては割に合わない。日本のアニメ制作会社からすると疑問に思う人も多いのではないでしょうか。

shutterstock_291977303「made in japan」はアニメでも通用する

その答えは端的に言ってしまえば、日本製がブランド化しているということです。中国において「made in japan」のアニメはそれだけで価値があります。さらに言ってしまえば、中国にとっては、最大手群のアニメ会社以外は区別ができません。

なので、made in japanを得ることができれば、どんな会社でも構わないということで、今色々なアニメ会社に「中国でアニメを作らないか」「中国のゲーム向けにアニメでOP、PVを制作してくれないか」という話が来ています。その意味では、今日本の会社に商圏を広げるチャンスが来ています。

51WkSX000GL日本のアニメは日本にしか作れない

また、さらにいうと、中国の会社に動画を制作することはできても、日本のアニメを制作することはできません。made in japanはブランド性でもあると同時に民族性でもあります。アニメはどう考えても日本の民俗芸術です。30分アニメ(実質21分)を制作するのに、約1500~2500万円、3か月(それより短い場合も多々あります)、100人以上が関わり、監督、脚本、演出、キャラクターデザイン、作画監督、原画、動画、美術、仕上げ、撮影、声優など様々な役割の人たちがいて初めて成り立ちます。中国に制作をハンドリングする人がいたとしても一朝一夕で1から100まで制作体制を構築できるものではありません。

手塚治虫の発明したアニメ制作という制作環境は、本来であれば乗り越えられない劣悪さ、過酷さを生みの苦しみで潜り抜け、その後数十年に渡り、やっと整理されたものです。日本以外の国で産業として成立させようとしても同じ環境は作りえません。さらに3DCGの誕生があったため、わざわざ2Dアニメーションを制作しようする人はもう現れません。海外であれば、2Dアニメーションよりも3Dアニメーションが発達している国の方が大多数でしょう。

shutterstock_215539510日本人にとっても「アニメ」はクオリティの要求が高い

また、数十年という歳月は、制作サイドだけではなく、視聴者サイドにとっても成長の時間になりました。海外であれば、「ドラゴンボールがすごい」「ワンピースがすごい」という声を非常によく聞きますが、日本であれば、制作サイドにとっても視聴者サイドにとってもアニメのドラゴンボールやワンピースがアニメの技術として高いクオリティであるという人は少ないと思います。

日本国内のアニメのクオリティラインと海外でのアニメのクオリティラインは決定的に異なります。このクオリティラインの底上げも時間がもたらしたものです。海外の人たちにとってのすごいアニメと日本人にとってのすごいアニメとの間にはまだまだ埋めがたいズレがあります。

shutterstock_240148429日本アニメーションの可能性と問題点

ただし、日本のアニメが絶頂期なのかというとそうではありません。「アニメとはこういうものだ。ここを押さえておけば大丈夫」という基準がいい意味でも悪い意味でも出来上がってしまっています。今のアニメ業界には、子供の頃からアニメに親しんだ人たちが多くいます。アニメ業界にいる人であれば誰でも「アニメ業界に入るきっかけなったアニメ」「忘れられない最高のアニメ」があると思います。しかし、その人たちの中で、そのアニメを超える最高のアニメを作ったという自負のある人は多くないのではないでしょうか。

もちろんそれはその人個人だけの問題ではありません。マーケティングや製作委員会ありきで進む以上、思い通りに作れなくなってしまったという要因もあるでしょう。しかし、手塚治虫や宮崎駿、富野由悠季が自分のアニメを作り出した頃と今アニメを作ることは何かが違ってきているのではないでしょうか。アニメ制作環境は確かに整備され、ブラックとは言われながらも産業として機能するようになりました。しかし、手塚治虫や宮崎駿、富野由悠季はアニメ産業を成立させるためにアニメを作っていたのではないでしょう。「アニメ制作は仕事だ」と言ったら手塚治虫は驚くのではないでしょうか。

だからと言って、「アニメを仕事としてやるべきではない」と主張するつもりはありません。しかし、もしアニメ制作が仕事でしかなくなってしまえば、アニメ業界はいずれなくなってしまうのではないでしょうか。今中国が日本のアニメを求めているという事態も、ビジネスチャンスとしてみるとしても「楽に儲けることができる短期的なビジネスチャンス」としてみるのではなく、「世界に日本のアニメを発信する長期的なビジネスチャンス」とみると、日本のアニメ業界を発展させるための機会になるかと思います。ぜひその視点から日本アニメーションの海外配信を検討したいという方がいればぜひビ・ハイア株式会社にお問い合わせください。アニメ業界の発展のための取り組みができることを楽しみにしています。

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