バルスの秒間ツイート、ラーメン屋の行列と求人応募促進の共通点とその弊害

みなさん「バルス」と聞いて何を思い浮かべますか?多くの人が「天空の城ラピュタ」のセリフと考えるのではないでしょうか。ちょうど先日、金曜ロードショーで「天空の城ラピュタ」が放送されましたが、twitter上では「バルス祭り」なるものが毎回繰り広げられているのです。Twitterを使っている人であれば聞いたことがあるかもしれませんが、ラピュタ終盤のシータとパズーが飛行石を掲げて「バルス」と叫ぶ瞬間に合わせて、twitter上に「バルス」と流すものです。

“バルス祭り”1分間に34・5万回ツイート 秒間最大記録は更新ならず
2016-01-16 19.38.26

配信元 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160115-00000155-spnannex-ent
引用始め
宮崎駿監督のスタジオジブリの長編アニメーション映画「天空の城ラピュタ」が15日、日本テレビ系「金曜ロードSHOW!」(午後9時~同11時34分)で放映され、終盤の山場に登場するパズーとシータが滅びの呪文「バルス」を唱えるシーンで、午後11時23分14秒に秒間最大で約5万5000回、23分の1分間に34万5397回、「バルス」とツイートされたことが分かった。NTTデータが発表したもの。

中略

テレビオンエア時には、終盤の山場に登場するパズーとシータが唱える滅びの呪文「バルス」を視聴者がツイッターをはじめとするSNSや、2ちゃんねるの掲示板などに一斉に書き込み、サーバーがダウンするなどの問題が発生する、いわゆる“バルス祭り”でも話題を呼ぶ同作。前回の2013年8月2日にはも2人がバルスを唱えるシーンとほぼ同じ午後11時21分50秒に、毎秒14万3199ツイートという世界記録を樹立した。

引用終わり

今回は、5万5000回に止まってしまいましたが、1分間では34万5397回、同じ人が何回も同じようにツイートしたということがなければ、日本の総人口の0.27%に相当する人数です。

ラーメン屋でも・・・

また、行列になっているとついつい並んでしまうのがラーメン屋です。そんなに有名じゃなくても、まだまだたくさんありますよと言われても、やっぱり並んでしまうのです。

ここから伺えるのが社会心理学の同調現象であったり群衆心理です。人間は、大きな集団の一つに属することで安心を得ようとします。バルスはある意味楽しんでやっている人もいるかもしれませんが、みんながtwitterやっているのに自分だけ参加しないと話題に乗り遅れそう・・・と思ってしまいます。ラーメン屋も同じです。ラーメンの味の評価を知らなかったり、特別美味しいと思っていないが、いっぱい並んでいるから売り切れてしまいそう、並んだほうがいいんじゃないかなど強迫観念と並ぶことで他人と合わせる安心感を得るためについつい同じ行動を取ってしまうのです。

shutterstock_324680807では就職ではどうでしょう

年があけて、2017年の新卒の方はそろそろ情報収集のために会社情報を調べたり、求人サイトにエントリーしたりします。また、プロジェクトの区切りがついたので別の会社に移って違う仕事をしたいなと転職を考える時期でもあります。そんなときにきになるのが、他の人はどのように動いているのか、何社応募すると採用されるのかです。例年、記事として流れるのが今月の平均エントリー数であったり、通算エントリー数であったりがあります。さらに徹底している会社では、求人のサイト内に、他の人の平均エントリー数と自分がエントリーした数を比較することができるところもあります。

背景として、求職者の方々が他の方の状況を知りたいということがもちろんあります。しかし、企業側の事情も見え隠れします。企業によっては、応募者数重視で、とにかくたくさん集めていい人を採用したいという考えです。そのため、大量の応募があると採用担当者は、これだけたくさんあれば上司からは何も言われないし、いい人はいるだろうという一時の安心感を得ることができます。そんな、ニーズを汲み取って、求人サイトの運営社は、平均エントリー数の平均値の記事を書いたり、フォームを作ったりしていました。

その結果がどうでしょう。とにかくエントリーしなければと煽られて応募した求職者は、企業研究もろくにせず、エントリーしたり、履歴書を送ったりしてしまっています。弊社でも以前、他社の求人媒体で自社の求人を行ってきたことがありましたが、アニメゲーム漫画という尖ったジャンルを扱っていることと、クリエイターのような秀でたスキルが必要としませんでした。その結果、毎年1万人の就職希望者のための説明会を開催していたのです。そして現在残っているのはといえば・・・4名、99.99%がミスマッチだったのです。

2016-01-16 19.45.33毎年1万人以上応募があったビ・ハイアが会社説明会を辞めた理由

そんなビ・ハイアでは現在会社説明会をすることをやめて、別のアプローチで、採用活動をしています。そこで採用した人たちは、現在3人、希望者の母数の詳細は把握していませんが、3桁はいっていないのは確かです。その話の詳しい話は左の画像のリンクよりご覧ください。

応募数重視の採用活動は、最終的に、採用担当者と就転職者に負担が行きます。採用担当者は、大量のエントリーシート、履歴書、説明会の準備、面接の段取りなどを組まなければなりません。一方、就転職者は多数のエントリーによる課題や面接のスケジュール管理でいっぱいいっぱいになってしまいます。ましてや転職者の人ともなれば仕事をしながら行わなければならない場合もあるのでさらにスケジュール管理が難しいでしょう。

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そのため、ラクジョブでは、求人広告を出す会社に関してはその会社の強みや採用したい人のスキルに関して細かく聞いています。加えて、最近では自社の採用活動の成功事例もあり、求人掲載させていただいている会社に関してホームページの更新をお願いしたりしています。スマフォが普及し、通信回線が発達した現代では、気になったことがあればまずインターネットを使って調べるということをしています。それは求人広告を出している会社のホームページも例外ではありません。そのときに求人広告と自社の採用ページに違いがあった場合、それだけで不信感を持って嫌煙してしまう方もいるくらいです。求職者が就職転職する時に信用しているサイトはという質問に答えたのが以下になります。

大企業には大企業、中小企業には中小企業の採用の悩みがあると思います。しかし、群衆心理を使っての応募促進や条件を偽ったり、よく見せようと背伸びをしすぎた採用は、内定を出した後にミスマッチが発生し、結局長続きしません。そんな採用にならないように、どんな人を採用したいのか、自社内のホームページはきっちりとしているかの確認が必要です。

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