この文章はこれから新規にスマホゲームに参入しようと考えている企業のみなさんにお伝えするために書きました。
スマホゲームの勢いはとどまることを知らず拡大しています。ファミ通ゲーム白書2015によると、国内ゲーム市場規模(ハード・ソフト合計、オンライン含む)は過去最高の1兆1925億円(前年比4%増)となり、特にオンラインプラットフォーム(スマホ/タブレット向けゲームアプリ、フィーチャーフォン、PCオンラインゲーム)は13%増の7886億円に拡大しています。また、東洋経済ONLINEによると、「従業員1人当りの営業利益ランキング」の2位にはモンストのミクシィ、3位にはパズドラのガンホーがランクインし、日本経済全体から見ても高い生産性を誇っていることがわかります。PS4やX box Oneのように独自のハードを持たなくてもゲームをプレイできるスマホアプリのゲームは急速に発達しています。
また、ゲームをパブリッシュするゲーム会社側もコンシューマーゲームほどの予算もかからず、寡占もされていないスマホゲーム市場、具体的には、AppStore、GooglePlayにゲームをリリースする方が圧倒的にコストもリスクも少なくて済みます。一部のコンシューマーメーカーのみの市場にスマホゲームパブリッシャーが台頭した動きは誰の目から見ても明らかです。今、世の中には、第2のガンホー、第2のミクシィを目指す会社や念願の自社ゲーム開発に乗り出そうとする会社、これまでゲーム事業を手がけていたわけではないが、これをビジネスチャンスと考えてゲーム事業にも取り組もうとしている会社などが虎視眈々とゲーム業界の動向に目を向けています。そして中にはもちろん自社ゲームパブリッシングに挑戦する企業が数多くあります。しかし、せっかくリリースしたゲームが上手くいかずに1年経たないうちにクローズという話も少なくありません。
売上月数千円!固定費数百万!?
数百万、数千万のコストを開発し、サーバー維持や運営人員などのコストが毎月かかるにもかかわらず、毎月の売上が数千円という話すら聞きます。いくら自分たちのゲームが作れると言っても、売上が立たず運営が続けられないのでは意味がありません。ゲームを楽しんでもらうためにも、運営を続けられる環境、売上と運転資金が必要です。ところがゲームデベロッパーとして今まで仕事してきた会社の場合、ゲームを開発するのは得意だけれども、ゲームの売り方はよく知らないというケースが少なくありません。
AppBroadCastの調査によると、2015年3月には1,549本のスマホゲームがリリースされています。単純計算で1年間に18,588本、1日に約50本のゲームがリリースされていることになります。大体売上ランキングの100位以内に入れば、月間売上1億円以上になると言われていますが、1,549本のうち2週間後に売上ランキング100位内に入っていたゲームはわずか15本、さらに4ヶ月後には6本のゲームしか残っていなかったということです。月間1億円の売上があれば、年間で12億円の売上、50〜100程度の中堅規模の開発会社と同程度かそれ以上の売上を上げることができます。50名を超える規模のゲーム会社が業界全体から見れば1割程度しかいません。そこに食い込めるチャンスとなれば、各社とも上位100位以内を狙います。そして上位100以内を狙うために必要なものは従来のゲーム会社が得意としない分野、宣伝と運営です。
競争率は100倍以上?!
1,549本のうち2週間後に売上ランキング100位内に入っていたゲームはわずか15本です。初期2週間で圧倒的に面白さが話題になり全国的に知れ渡るということはまずありません。PR、話題性が全てです。最近では、TVCMでスマホゲームの宣伝がされることや駅のホームにデカデカとゲームの宣伝が貼られることも増え、PRの必要性に各社とも気づいている様子がわかります。そして、デベロッパーはどうしても自分たちの得意分野、つまりゲームとしての面白さや開発に力を入れてしまうので、PRが後回しになってしまいます。
もし本気でパブリッシャーとしてスマホゲームで売上を上げたいのであれば、最初期からいかにダウンロード数を増やすかということを考える必要があります。なぜ最初のダウンロードがそんなに重要なのかというと、今のスマホゲーム市場のシステムはランキングに載っていないゲームは極端に認知される機会を損失します。スマホゲームはコンシューマーゲームと違って小売店にパッケージが置かれることがありません。AppStoreかGoolePlayが全てです。そして一度ランキングに載ったゲームはその後もある程度認知を獲得し続けます。そしてその傾向は上位になればなるほど強くなります。その証拠にモンストやもうすぐ4周年を迎えるパズドラを超えるゲームはなかなか現れません。もちろん考えてみればわかることですが、1本のコンシューマーゲームが4年間話題になり続けることはまずありえません。良きにせよ悪きにせよランキングの固定化という現象は発生しており、ランキングは重視する必要があります。
そしてもう一つの要素が運営です。たとえ100位以内に入ることができたとしても運営がしっかりしていない2/3のゲームは、4ヶ月後には100位以内から脱落してしまします。そして、運営で順位が落ちてしまったゲームが順位を上げることは困難です。
コンシューマーゲームやスマホゲームでも初期開発しかやっていなかった会社はこの運営のノウハウが身についていない会社が多いです。イベントはどれくらいの頻度でどんな内容にすればいいのか、どうすればユーザーが課金してくれるのか、その勘どころがわからないとスマホゲームで売上は伸ばせません。
そしてスマホゲーム市場もある程度成熟してきた中で、デバロッパーが宣伝と運営を対策せずに市場に乗り込んだ所で返り討ちに会います。この二つはもはや必須要素で性急に対策すべき課題です。そして自社内だけで完結させることは非常に困難です。
広告代理店や運営経験豊富な会社との連携が不可欠です。業界4000社のコネクションを持つビ・ハイアでは、その両者の会社をご紹介できます。もし自社ゲームパブリッシングに本気で取り組みたい会社様がありましたら、一度ビ・ハイア株式会社にお問い合わせください。そして最後に、スマホゲーム市場は想像以上に成熟していると考えてください。デベロッパーとして仕事を請ける以上の利益を得るチャンスはありますが、コストを被るリスクもあります。もし自社パブリッシングを考えているのであれば早めの行動をお勧めします。
ちなみに、ビ・ハイアではこうしたビジネスマッチングは業界発展の為に無料で行っております。企画ができる受託会社を紹介したり、運営が得意な会社を紹介するだけでお金などは頂いておりません。ビ・ハイアはこうしたマッチングから業界全体が盛り上がれば、という思いでやっておりますので無料です。