『君の名は。』が公開中の新海誠さんもCM参加
最近、テレビCM業界ではアニメ調のCMが増えていることにお気づきでしょうか?マルコメ、東京ディズニーランド、Z会、大成建設、さつま白波の芋焼酎、チョコアイスBLACK、メルセデス・ベンツ、ガンホーのパズドラ、マイナビなど・・・。アイスからベンツまでかなり幅のある企業ジャンルでも活用されているようです。
特に、現在『君の名は。』が劇場公開中で公開3日間で興行収入12億円を突破した新進気鋭の監督 新海誠さん×キャラクターデザイナー 田中将賀さんが担当しているZ会のCMは必見です。
たった二分間の動画ですが、圧倒的な映像美が多くの人に強い印象を与えました。CMの舞台は田舎の漁村で家族と暮らす女学生と、東京渋谷でバイトで生計を立てながら暮らす男子学生の受験生二人がクロスオーバーする「普通の日本の風景」なのですが、もともと背景美術を得意とする新海誠さんが描くことによって、実写ロケして撮影したのでは表現できないような透明感や、「普通の風景」に満ちあふれる、「二人の主人公それぞれの視点や空気感」が表現されています。
また、同じ新海誠監督のCM作品として「大成建設」シリーズが有ります。
このCMは集合住宅やテーマパーク、ダムや交通インフラなど大きな建造物や産業インフラの工事を担当する日本の大手建設会社、大成建設の制作した作品です。
建設現場や作りかけの空港の実写を撮影したとしても、アニメで見た時の感動と同質のものが得られるか、想像してみてください。普段目にすることの出来ない巨大建造物の製造過程の映像は、確かに一瞬目を惹くかも知れませんが、おそらく日常の風景として忘れ去られ、そこまで印象に残ることはないでしょう。
上記で挙げたようなCMは、Youtubeでのコメント欄で国内外問わず絶賛のコメントを得ているほか、マルコメの味噌汁のアニメCMに関しても、海外のニュースサイトで取り上げられ絶賛を受けるなどの反響を生んでいます。
アニメだからこそ特別な映像になる
なぜ、日常の風景をアニメで描くだけでこんなにも実写CMと反応が違うのでしょうか?
理由の1つには、アニメ調のCMを流している事業者がそもそも少なかったので、目立つということもあります。長らくCM広告は実写で有名タレントを起用し、CGでの編集を行う、タレントを広告塔にする方法論が使われ続けてきました。
しかし、各企業がこぞって有名タレントを起用していたのでは次第に差別化ができなくなっていきます。CM出演本数=タレントの好感度というように、CMそのものよりもタレントの人気度を測るツールのように見られてしまい、本来の広告宣伝から目的がずれて、お金を出して制作をしている宣伝元の企業からして見たら満足いく成果とは言えない状況が続いていました。
そんなタレント優位のCM業界に一太刀入れたのが、アニメCMでした。アニメCMの登場人物たちは、有名でもなんでもない、名前もあるかどうかすらわからない普通に暮らし普通に勉強し普通に仕事しているような一般人にフォーカスが当てられています。タレント起用合戦とは真逆の戦略を、自然と採ったのがこのアニメCM戦略だったのです。マーケティングコンサルタントの新井庸志さんは「アニメCMが増加し続ける広告業界のウラ事情」という記事で「アニメCMが増え始めたのは、俳優・タレントを使わずとも注目される可能性を感じたからだ。」と語っています。
有名タレントを一切使わない。特別な風景でもないし大がかりなセットも使わない。徹底的に視聴者の日常に寄り添ったシチュエーションなのに、特別な映像になるのは、アニメには、人間の感情を投影した風景描写、表情の機微を表現できる表現手法が確立されているからです。一例としてアニメには「嘘をつく」という表現手法があります。これは、実際の建造物のあり方や実際には存在してはおかしいような構図・パースだったとしても「現実に嘘をついてわざと歪ませる」などの演出をすることで人間の無意識に違和感や特別な印象を抱かせる手法です。
先に御紹介した新海誠さんの描いた風景も、写真のように綺麗な風景ですが写真そのものではなく、アニメ独特の虹色の光彩や風景の温度感を表現する色調、人物と背景との遠近法の嘘などが見られます。こうした、埋もれて溶け込みすぎてしまい過ぎないで魅せたいものを魅せるような意図的な演出が、CMのように人間の無意識に何かひっかかりを残したいようなコンテンツとの相性が良かったのです。
いまや新海監督は長編アニメの有名監督。これからアニメCMを依頼しようと思うと大きな予算が必要になってきます。また、アニメ業界でもテレビシリーズを担当しているところは毎週の放送に間に合わせるため忙しく、テレビアニメ以外の仕事を
新たに受けるのが難しい状況だという話も聞きます。
もし、新たにアニメCMを発注したいという企業は、アニメCM専門の企業に依頼をするのが吉です。
アニメ出身の作画監督をレギュラーで12名抱え、どんなコンセプトにしたいかによってアニメの構成の提案〜パッケージでの納品まで対応してくれる、ショートアニメ専門の企業です。
◆株式会社ポイント・ピクチャーズ
・HP:https://www.point-p.jp/top.html
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