記事を読んで頂きありがとうございます。今回はVRについての記事を書きたいと思います。ここ数日、オキュラスやPSVRなど主要なVRのヘッドギア、プラットフォームについての記事をたて続けに書きました。
今回の記事では、少し目先を変えて、VRの普及についての新しい可能性である「ネットカフェ」や「カプセルホテル」に焦点を充てて見たいと思います。
VRは、一定以上のクオリティの映像を楽しもうとすると、それなりの設備が必要になります。VRのハードウェア自体も、比較的安いPSVRでさえ現状では五万円弱しますし、VRを楽しめるだけのスペックの液晶も必要になります。全てを揃えてVRを楽しめるようになるには初期投資が必要で、一般の消費者は及び腰になってしまうのです。
その点、ネットカフェを中心としたVRコンテンツの展開には注目がが集まっています。ネットカフェには、それなりのスペックの液晶が高確率で備え付けられていますし、PS4が備え付けられているお店もある。なおかつ日本人の中にはVRヘッドギアを装着して個人で映像の中に没入していく姿をまだまだ「恥ずかしい」と感じる人も多いのですが、個室でじっくりとVRを楽しむというスタイルであればそうした問題も解消します。
実際、VRの視聴サービスを提供しはじめた所もあります。荻窪にある「安心お宿」というカプセルホテルは、温泉やダーツマシン、お菓子などの物販などのサービスに加えて、「VRTHAETER」という映画視聴サービスを導入しました。「VRTHAETER」は現金決済で安価に映画などのコンテンツを楽しむ事ができ、「ももいろクローバー」のライブ映像や「進撃の巨人」の新作映画などのコンテンツを楽しむことができます。
参考URLhttps://interpia.ne.jp/vr/theater/
私は、VRはヘッドマウントディスプレイを通じてではなく、「安心お宿」の例のように、個室で安価に楽しむ事のできるカプセルホテルやネットカフェを通じて普及していくのではないかと考えています。
VRのケースに似ていて参考になるのは韓国のオンラインゲームです。韓国はオンラインゲーム大国として有名な国ですが、オンラインゲームが流行した背景には、「PC房」(PCバンと読む)が生活に浸透して、どこでもオンラインゲームが遊べるようになったという事情が有ると言われています。(右の図を参考にしてください。)PC房は中高生のたまり場になり、大人息抜きの場になって韓国人の生活必需品になっていきました。そこで少額のお金を払えば、めくるめくオンラインゲームの生活に突入する事ができたのです。
カプセルホテル、ネットカフェ、カラオケボックスとVR
韓国のこんな例は、日本の良いロールモデルになるのではないでしょうか。日本人の生活にとってネットカフェやカプセルホテルが生活一つのインフラとして定着していることは確かです。調べて見たのですが、「全国複合カフェ協会」に加盟登録しているネットカフェだけでも日本には1036店舗のネットカフェが存在しています。
https://www.jcca.ne.jp/kameiten.php
また、同じ個室という意味で言うとカラオケボックスにおけるVR展開も今後は考えられます。「カラオケ白書」によれば日本には13万店舗以上のカラオケ店舗が存在しています(2013年現在)。VRをそこに導入することに成功すれば、一店舗あたりが少額であったとしても、充分に大きなビジネスにすることが出来ます。何より、いつも行くお店にVRがあれば、何気なく手に取る客も増え、VRの知名度上昇に寄与するはずです。
韓国の例から学ぶとすれば、やはり「日常生活に浸透していった」ことがオンラインゲームの普及最大の要因です。私個人の記憶を辿ってみても、ファミコン、ニンテンドー64、PlayStationなどなど、メインストリームを作ってきたゲーム機は、親しみを持って思い出されます。学校の帰りに友達の家にたむろしてエンドレスにポケモンをやったり、携帯ゲーム機を持って公園にいったり…そんな身近な存在になったとしたなら,ゲーム機として成功したといって良いはずです。
まだまだハードウェアとしてこれからであり未知数の大きなVRですが、今回取り上げたような形で、以外と早く私達の生活にとって馴染みのあるモノになって行くのかもしれません。VRの面白さがより多くの人に気づかれ、新しい企画がどんどん生まれるような未来が待ち遠しいです。