ここ最近のラクジョブでのイラストレーター登録が急上昇
弊社で運営しているアニメ・ゲーム・漫画業界専門求人サイト『ラクジョブ』で、ここ最近顕著な変化が出てきています。それは、20代のデザイナー志望者の登録者が新規で格段に増えているということです。7月に入ってからの新規登録者の95%が20代!(残り15%は30代でした)さらに、その中の6割がソーシャルゲームなどで実務経験のある経験者も含むイラストレーター志望でした。(その他は、プログラマーや遊技機オーサリングデザイナーなど職種はバラバラでした)若い人達ばかりなので専門学校生かと思いきや、そういうわけでもなく、傾向としては一般職やフリーとしての就業経験を積んだ社会人で、平均年齢は23歳。イラストレーターとしてどこかに就業していた社員ではなく、独学で絵を学び、趣味で描いているイラストをPixivにアップしていたり、またそこから実際にオファーを受けてソーシャルカードゲームイラストを制作した経験を持っているような方達です。ラクジョブの登録画面には「作品を確認出来るURL」の登録フォームがあるのですが、それを見る限りPixivアカウントやご自身のポートフォリオサイトをお持ちの方もおり、きちんと背景も書き込まれた全身絵などもアップされていてなかなかに期待度は高そうです。
ソーシャルバブルのおかげで実務経験済みの若年層イラストレーターが増えた
この状況は、数年前から起きていたソーシャルバブルの、カードゲーム量産型アプリの流行が関係しています。いわゆる「ガチャ」を回してレアリティの高いカードを引き当て、デッキに組み込んで戦うソーシャルカードゲームアプリの売上で、一気にアプリ事業者は高収益な自社IPを持つ優良企業になっていきました。アプリ業界では「500億の壁」と言われ、複数のアプリ会社が年間売上500億の大台に乗るか乗らないかのところで競り合い、毎月のイベントで大量にレアリティの高い新キャラのカードを新規投入し、ガチャへの誘導を行っていました。その関係で、常にアプリ制作のためには大量のイラストと、そのイラストを描くイラストレーターが必要となり、2012〜2014年あたりは特に各社でイラストレーター争奪戦が勃発。名の知れた有名イラストレーターに通常の10倍以上の値段でイラスト制作を依頼したり、安く大量にイラストを用意できるイラスト制作事業を行っている会社に常に仕事があふれ、猫の手でも借りたいと新人イラストレーターをPixivやTINAMIなどのイラスト投稿サイトから直接一本釣りしたりと、アプリ会社は様々な方法でイラストレーターを見つけ出し、毎月の新規イベントに合わせて大量発注を繰り返していました。
今回、ラクジョブで新規登録をしているのはこの、PixivやTINAMIなどで一本釣りされ、個人としてアプリイラストを請けていたイラストレーターたちがほとんどです。こうして若い内から一本釣りされてプロの世界に飛び込み、ソーシャルアプリの隆盛を支えたカードゲームイラストレーターたちが、いま自らイラストの職を探し始めたというのが、今回のラクジョブへの大量の新規登録ラッシュにつながっているようなのです。
500億の壁を超えたのは・・・
言わずもがな、前述のソーシャルゲーム「500億の壁」を超えたのは、コロプラでした。コロプラは、イラスト大量投入で戦国時代化している市場を一瞥し、3Dを導入するという一歩抜きんでた戦法で勝負して頭打ちになって居た500億円の壁を突破していきました。いまは、そのコロプラの成功を追って各企業もイラスト戦法から3D戦法へと移行し始めているような状況です。そのため、今まで毎月大量発注を請けていたイラストレーターは一気に仕事の量が減りました。いままでは黙っていても仕事の方が舞い込んできていた状況だったのが、180度変わってしまい、イラストレーターたちはイラスト専業を諦め、一般職に就きながら単発の依頼をこなして、時に趣味でイラストを描くという状況に置かれています。
こちらの記事でも紹介していますが、いくら絵のクオリティが高くても、それだけではひっきりなしに依頼を受けていくことは難しく、イラストレーターとしての名前を前面に出し、ゲーム1本まるごとデザインワークをこなしているような有名イラストレーターでさえも、イラストだけでギリギリ食っていけるかいけないかという厳しい世界なのです。今回のように、スマホアプリ市場が一気に3Dに傾くなど時流にもかなり左右されてしまいます。彼らがイラストを仕事にしていくために、彼ら自身が仕事を探さなければ成らない局面に来ているのは間違いないでしょう。
ということは、イラストレーターを探している会社さんはチャンスです
いくら市場が3Dメインになったとはいえ、3Dを起こす前段階には必ず2Dの作業が必要になります。また、完全3D化というより、2Dでキービジュアルを描き、バトル画面だけ3Dといったようなハイブリッド型アプリも多く存在している中で、2Dイラストの需要が完全に立ち消えになったわけではありません。アプリ会社にもイラスト需要は存在し続けているので、ある意味いまは、大手にクオリティの高いイラストレーターを独占されることなく「イラストレーターほしい!」と宣言すればクオリティの高いイラストを描けるイラストレーターの方から集まってくれる状況になってきているということなのです。
もう少しして夏休み明けぐらいになると専門学校生など、新卒者の登録も増えて、選考も大変になってくるので、経験者イラストレーターを一本釣りしたいと言う場合は夏休み前までの今の時期に採用にブーストをかけるのがオススメです。身も蓋もないですが、いま質の良いイラストレーターを採用するには、市場がイラストの方向を見ていないときに、一気に「イラストレーター募集します!!」と宣言し、経験のあるイラストレーターの応募を一身に集めること以外にありません。イラストレーターが実力を発揮し、いいアプリを出していけるようになるためにもぜひご一考ください!
他の職種の傾向なども知りたい場合は無料相談までぜひお気軽にお問合せください。