求人広告は時代遅れ?アニメゲームマンガ人材採用とGoogleの変えたルール

Internet Marketing Colorful Stripes

『Three years ago, we changed the marketing rulebook.』我々は3年前にマーケティングのルールを変えました。この言葉を知らない人はインターネットビジネスにおいてプロではありません。これは誰の言葉かというとGoogleです。

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しかも、発表されたのは2014年8月です。

ZMOT Why It Matters Now More Than Ever
https://www.thinkwithgoogle.com/articles/zmot-why-it-matters-now-more-than-ever.html

この記事を書いているのは2015年12月なので、3年前どころか4年以上前になります。もし、あなたが2016年に入ってからこの記事を見ているなら5年以上『マーケティングのルール』が変わったことを知らないまま仕事をしていることになります。私はこの文章でGoogleが変えたマーケティングのルールが採用広告にいかに影響が出ているか、について書きたいと思います。これを知らないまま採用活動を行い、求人広告を出している場合、せっかくの広告費用も意味をなさない物になります。しかも、この変化はこの数年の急速なものなので多くの人が気づいていません。

ZMOTというのはGoogleが提唱し始めた概念で、

https://ssl.gstatic.com/think/docs/2012-zmot-handbook_research-studies.pdf
https://ssl.gstatic.com/think/docs/zmot-consumer-electronics_research-studies.pdf

詳しくはこのあたりのGoogleの資料を見てください。英語ですがそれほど難しいものではありません。英語を読むのは苦手、要約してくれ!と言う人向けに言うと『昔は商品に出会って買うかどうかを決めていたが、今は商品を知ってから検索して競合他社を沢山検索して調べてから買っている』です。Googleさんから引用した図にすると

何かを購入する時昔は

The traditional 3-step mental model

FMOTと呼ばれる伝統的なモデル

こうだった。だが、今は

The new mental model

ZMOTと呼ばれるGoogleが提唱する新しいモデル

こうなってる。

何かを買う前にはまず検索!検索!!

何かを買う前にはまず検索!検索!!

紹介されてる伝統的なモデルのFMOTとは、P&Gが消費者動向調査をした時「消費者は店頭で目的の商品が並んだ陳列棚を見て、最初の3秒から7秒でどの商品を買うかを決めていることが多い」を発見しました。この調査をしたのが2000年代初頭。不況にあえぐP&Gを再建すべくやってきたラフリーCEOが『商品を買おうと決める瞬間はいつなのか?』を徹底的に調べたのです。ビジネス書を読んだ人ならその瞬間は『真実の瞬間』という表現で有名です。

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その際、ラフリーCEOは「真実の瞬間」を徹底的に研究しました。その結果、メーカーにおける「真実の瞬間」は二つ。P&Gの商品を店頭で買う「第一の瞬間」と、買った商品を持って帰って実際に使う「第二の瞬間」。ラフリーCEOは最初に買うかどうかを左右するお店での商品を見て買うかどうか決める「第一の瞬間」を重視しました。この調査によると「第一の瞬間」はわずか3~7秒程度。それで新商品が買われるか買われないかが決まってしまう。テレビCMや新聞広告、雑誌広告で見た新商品をお店で見つけて、今まで見た広告のイメージ、情報、その時の価格など含めた直感で買うか買わないが決まる。それがまさにメーカーにとっての「真実の瞬間」です。元々P&Gはマーケティングに定評のある老舗企業でしたが、更にそれがブラッシュアップされたのがこの時期でした。

言うなればGoogleはマーケティングにおいてP&Gを超えました、と言ってるようなモノです。凄い自信です。しかし、これは自分たちの実生活を考えるとよく分かることです。

昔と今は違う・・・古い知識と常識に支配されていませんか?

昔と今は違う・・・古い知識と常識に支配されていませんか?

昔は広告を見て、それからお店に行って買うかどうかを決めていました。今、そういう人がどれくらいいるでしょうか。ゲームに例えるなら昔は『ファミ通を見て、どんなゲームを買うかを考えて、ゲームショップで購入』でした。今なら『色んなゲーム広告媒体から商品を見て知り、そしてGoogleやYahoo!などの検索エンジンで口コミサイトを見て情報を仕入れたり、YouTubeでプレイ動画を見たり、前作の評判をチェックしたり・・・その結果、Amazonで買うか店頭で買うかはさておき、買うものはもう殆ど決まってる状態でオンライン店舗かリアル店舗に行く』のではありませんか。

子供も検索する時代。我々とは全く違う

子供も検索する時代。我々とは全く違う

ゲームではなく、どのレストランで食事をするか?どのホテルに泊まるか?という事もそのように変わっていると思いませんか?昔は外食をする際に見ていた広告はテレビや雑誌程度です。今では食べログがあり、ぐるなびがあり・・・無数の情報を仕入れることが出来ます。旅行も一休やじゃらん、楽天トラベル等々で徹底的に調べ、さらにはその気になればGoogleストリートビューで外食先、旅行先の風景までチェック可能です。まさに、Googleの『マーケティングのルールを変えました』の言葉通りに我々は購買活動すら変わってしまっていたのです。

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このルール変更を象徴するように、FMOTの提唱者であるラフリーCEOが今年退任しました。では、あらゆる購買活動、マーケティングのルールが変わったにもかかわらず、採用活動においては一切変更がない。Googleのルール変更は商品を購入することだけに働き、採用広告、採用活動については一切影響がない・・・?そんなわけはありません。

先ほどルール変更の象徴として一休や食べログを上げましたが、ルール変更の波に乗ってすさまじい高収益モデルです。従来の広告媒体である新聞や雑誌の落ち込みようと比較するとその差は明かです。

最近Yahoo!に1000億円で買収されました。

最近Yahoo!に1000億円で買収されました。

一休 平成27年3月期決算
営業収益(売上) 66億1900万円
営業利益 22億0200万円
経常利益 22億7000万円
純利益 14億0600万円
https://pdf.irpocket.com/C2450/Q8aV/cJXP/hypw.pdf

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食べログ 平成27年3月期決算
営業収益(売上) 357億8700万円
営業利益 168億800万円
経常利益 171億6700万円
純利益 108億9000万円
https://pdf.irpocket.com/C2371/Q8aV/Mqq9/c9XU.pdf

では、このルール変更は採用活動にどのような影響を与えるのでしょうか。その前にすこし求人広告の歴史をおさらいしたいと思います。

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求人広告の歴史をたどると

リクルートさん存在以前
リクルートさん起業後
リクルートさんネット化以後
現在

となります。リクルートさんが存在する以前、1940〜1950年の採用活動は一体どのような者だったのでしょうか。戦中戦後の時代です。残念ながら古すぎてデータが見つかりませんでした。1950年〜1960年を見てもそれほど失業率に変化はありません。むしろ低いくらいです。おそらくこの頃は『就職先があれば四の五の言わずに働いていた』という時代なのではないでしょうか。

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今の我々の感覚からすると全く分かりませんが、当時はインターネットはおろか、一人1台の電話すらない。情報を取捨選択するということ自体が出来ず、選択肢が凄く狭く『働き先を選ぶ』などという事は思いもつかなかったのだと思います。それは食事や旅行先、どんな物を買うかも含めてそれほど検討する情報自体が存在しなかった。1930年代に就職活動をしたドラッカーがそれを象徴する言葉を言っています。

「最初の仕事はくじ引きである。最初から適した仕事につく確率は高くない。しかも、得るべきところを知り、自分に向いた仕事に移れるようになるには数年を要する」P・F・ドラッカー『非営利組織の経営』

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です。社会学者であるドラッカーが『就職はくじ引き』と言ってるのです。選んでも考えても仕方ない。目の前に来た選択肢を選び、そこで一生懸命まず頑張るしかない、これがこの頃の価値観なのでしょう。この頃は自分探しもなければ、自分に向いてる職業とは・・・と考える事すらなかったのだと思います。

求人広告の歴史はここから始まった。

求人広告の歴史はここから始まった。

それがリクルートさんが産まれ、どんどん就職先、進学先とはこんなにあるよ、という情報が配信されることになります。取捨選択の幅が広がってきたのです。それが1960〜1970年代のリクルートさんの活動に当たります。そして、リクルートさんがリクナビを作り、紙で配っていたリクルートブックを捨てたのが1990年代半ば。このあたりの採用活動の雰囲気をよく知っているのが現在30代後半から50代後半の人達でしょう。私はちょうどリクナビが産まれた頃に就職活動をしていて紙媒体のリクルートブックがなくなり、パソコンのリクナビに移行し始めた頃の世代です。

リーマンショックからもなお増え続ける求人広告

リーマンショックからもなお増え続ける求人広告

1990年代半ば〜現在に至るまでがまさにネット求人広告全盛期です。リクナビ、エンジャパン、イーキャリア、ファインドジョブ、マイナビ・・・数々のネット求人広告があります。2008年のリーマンショックの時には少し打撃を受けましたが、それでも好調です。それでは・・・このままネット求人広告は売上を上げ続けるのでしょうか。Googleのルール変更はどのように影響してくるのでしょうか。求人広告の歴史をおさらいしたところでそれについて考察したいと思います。

『求人広告はビジネスモデルとしてなくなる』

求人広告会社の社長が言うのも何ですが、私はそう思います。これは別のブログにも書いたのですが、私はいつかラクジョブを無料化したいと思っています。(今は月額22万〜80万かかる)

更なる野望としては・・・いつかアニメゲームマンガ業界全体の求人広告費だけではなく、人材採用コストを0円にしたいと思っています。どういう事かというと、私自身、経営者として正直、求人広告っていつかなくならないかなって思ってます。

ラクジョブの価格について語る より引用 https://raku-job.jp/news/companyrep/397/

そもそも、昔ならいざ知らず、求職者が広告を見た、よし、応募しよう、そんな単純な行動を取ると思いますか?それは1970〜1990年代の感覚です。求人広告を見た、親とか周りに相談をする、その結果就職するかどうか決める、その感覚は既に時代遅れなのです。私が高校生や大学生でアルバイトを探していた頃、求人広告と言えば新聞の折り込みチラシでした。その折り込みチラシに載っている求人広告を見て、どこに行くか決めていました。1993〜1999年頃です。

求職者が応募して面接に来る・・・その前に色んな事が起きている

求職者が応募して面接に来る・・・その前に色んな事が起きている

今なら・・・多くの求職者は転職したいな〜就職したいな〜と思い始めたら求人広告は見るには見ますが、広告を見た消費者がレストランを決める際にまずネットで情報を調べるように、その求人広告企業の情報を徹底的に検索するのです。先ほどのGoogleのZMOTの資料によると、多くの消費者は1つの商品を買うまでに14〜15個の情報を検索しているそうです。

ゲームプログラマーが転職をしよう、と思ったらラクジョブ、リクナビネクスト、イーキャリア、ファインドジョブなどをしっかり見ます。そして、その後に、どんな会社なのか・・・をジックリ検索します。その期間は最低でも数ヶ月はあるでしょう。長ければ半年から1年悩む転職者もいます。突然クビになった!会社が潰れた!という求職者もたまーーに、相談があります。弊社のスタッフに直接電話がかかってきて『こまってる。探して欲しい』と言われるのです。しかし、そんなのは年に数件程度。ラクジョブは年間数千件以上の応募者がネット経由で行き交いしています。殆どの求職者は『いきなり転職する!直ぐ応募!』なんてことはありません。転職しようかな〜と思い始めて、情報収集をする期間が数ヶ月以上あるのが普通です。

その時、検索されるに耐えうる情報配信をしていますか?という事がこれからの採用活動の明暗を分けるでしょう。ここで検索に耐えうる情報配信がされてなかったらいくら求人広告を使っても『広告費の無駄』になります。そこを広告で何とかしてくれ、と言われてもそれは無理です。私は実験的にそれを進めようと思い、年間300万〜500万以上かけていた自社の求人広告費をゼロ円にしました。ゼロ円で採用しよう、と思い立ったのです。配信し始めたのはまず、私の読書でした。私は月1500〜3000冊以上、マンガ小説雑誌以外で書籍を読むのですが、それを大量に配信し始めたのです。

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リードマン 一月万冊 1ヶ月で1万冊読めたらいいな!
https://readman.jp/
一月万冊 YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/yukoreadman

私個人で1,700本の動画を投稿し、ビ・ハイア全体では2万本の動画、20万文字以上のテキストをアップしました。(このコラムも単体で6000文字以上あります)。その結果、動画だけで170万回再生され、Facebookも5000いいね以上、YouTubeのチャンネル登録者は5600人を超えました。結果として

でも紹介しましたが、求人広告費用はゼロで3名以上のフルタイムのスタッフを採用。7名のバイトとインターンを採用しました。私自身ビックリしました。情報配信を徹底することで、求人広告は事実上無料でOKだったのです。まさに自分が作ったサービスを自分でぶっ壊した瞬間でした。ベンチャー企業の創業社長としては正しい行動だと思いますが、正直、震えるくらい衝撃を受けました。

本当に求人広告が要らなくなる時代が来る、私はそれを予感しました。

ただ、今は過渡期です。アニメゲームマンガ専門求人サイトラクジョブの広告を見て、いきなり応募するのではなく、まずジックリとその会社を検索して調べます。似たような条件の会社がないか、広告だけではなくネットでも調べるのです。その際に検索に耐えうる情報をしっかりと配信してるかどうか、これが重要なポイントになります。その検索に耐えうる情報をしっかり配信した上で、広告費もかける。今のアニメゲームマンガ業界の人材採用戦略においてこれが最も効果の出る手法でしょう。昔は求人広告を出せばそれでOKだったのですが、今はもう違うのです。手間が増えたのは事実ですが、これに気づいてる企業は少ないので実践すると凄く効果が出ます。

Googleは人工知能にも投資しています。次、ルールが変わるのは10年後??それとも。。。

Googleは人工知能にも投資しています。次、ルールが変わるのは10年後??それとも。。。

しかし、もし、後10年、20年経って行くとどうなるでしょうか。仮に人工知能が進化して『今、就職で悩んでる。どうすればいい?』と相談したら自動でデータを検索してくれるようになったら?『今、ゲームプログラマーとして転職しようと思っているが、自分が最も合格率が高くて条件が良い会社はどこか?』なんて検索がOKになる時代が来たら?求人広告なんて何の役にも立ちません。その時は私、なんか別のビジネスしてます。

Googleが変えたルールは主に現在はBtCのビジネスに広がっています。求人広告の動きは通常のBtCと違い、BtBに近い。広告を出すださないを決めるのはBtBの部分ですし、生涯賃金という視点に立つと求職者は家よりも保険よりも自動車よりも高い物を買うので最も慎重に情報を検索するでしょう。

ルールブックの変更は着々と進んでいる

ルールブックの変更は着々と進んでいる

このことに気づいて、採用戦略自体を変えていったら・・・その時あなたの企業はアニメゲームマンガ業界の人材採用の最先端を行くことになります。凄く楽しみですね。それでは、人工知能が発達していつかガオガイガーの超竜神、ボルフォッグのような超AIが産まれることを信じて・・・今日もアニメゲームマンガ専門求人サイトラクジョブを運営したいと思います。

採用戦略について相談したい人は下記フォームにどうぞ

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