2016年5月23日付のファミ通Appで公開された記事によると、面白法人カヤックが同社の運営する「Lobi」という日本最大級のスマホゲームコミュニティを通じて見えた動向から、「ゲームの売り上げを継続的に上げ続けるための事例共有会」を開催し、ゲーム運営に必要なふたつのポイントが紹介されたとのことです。
セミナーは2部構成で行われました。第1部はLobiディレクターカヤックの浜岡さんによるLobiの概要説明、ユーザーの特徴や動向分析から見る売り上げアップのための要点が説明され第2部は「コミュニティを活用した、ユーザーがユーザーを育てる仕組みづくり」と題して、「ブレイブフロンティア」プロデューサー、エイリム代表取締役社長である高橋さんが登壇されました。
カヤックが運営するLobiというコミュニティは、ゲーム攻略動画視聴・アップロード、遊んでいるゲームごとのグループチャットなどが行えるサービスであり、スマホゲーム運営会社側からすると公認コミュニティとして機能しているというものです。ユーザー側の視点に立つと、自分の好きなゲームのユーザー同士でオンライン上でのコミュニケーションが可能ですので、よりゲームに対する熱意や興味関心が強まる環境であることは間違い無いでしょう。実際、カヤック側のLobiを利用しているのは発表では1日に3時間以上ゲームをするユーザーが半数以上とのこと。
ゲームの売り上げアップに関する第1部では、以下のように要点がまとめられています。
(引用開始)
・ゲームの売り上げを継続的に上げ続けるためには以下の2点が重要
1.早期に”囲い込み”
2.離脱しても戻しやすい状況を作る
・ユーザーを”囲う”にはユーザー同士の繋がりを作ることが重要
(引用終わり)参考記事内のスライド画像より引用
https://app.famitsu.com/20160524_728856/
早期に囲い込み、離脱しても戻しやすくしておく
Lobiのユーザーのように、ゲームに対する興味関心が強いユーザーをどのように獲得し、課金率と継続率を上げていくのかということが重要です。ユーザーの獲得は早期に勝負をかけ、そのゲームを遊んでいるユーザー同士の繋がりを形成していくことに重点を置くようにすることがとても大事です。Miitomoなどのヒットの背景にもこの要因は大きく関係しているでしょう。もともとWii以降を代表する任天堂のコンテンツであったMiiを用いて、SNSへの共有機能などを用いて拡散され、繋がりが増えるわけです。また、ユーザーとの繋がりが強いものであればあるほど、一度飽きてしまったゲームであったとしてもユーザー同士がコミュニケーションをとっていれば、ゲームから離れてしまっていたとしても繋がりの中の誰かが継続してゲームを行っていると、そのゲームへ呼び戻しやすくなるということが期待できるのです。
ユーザーがユーザーを育てる仕組みを作る
早期囲い込みと熱量維持による呼び戻しがしやすい環境を作ることが大事なのは分かりますが、ではそのような環境をどのように作れば良いのかということについては難しい問題です。そこで第2部では「ブレイブフロンティア(以下ブレフロ)」の事例をあげ、運営開始から3年経過しているブレフロユーザーを継続して囲い込む方法として、ブレフロ公認コミュニティの「グループ管理人総選挙」というイベントをLobi協力の元実施しました。
(引用開始)
高橋氏によると、「ブレ生という放送でまず企画を発表しました。そしてLobiさんに協力していただき、2週間にわたって選挙活動を行い、その後投票期間を設けて特設サイトでユーザーさんに投票してもらいました」というのが、ブレ生とLobiを使った総選挙の流れ。投票結果と管理人、ミッションの発表もブレ生の放送で行われた。
当時は立候補者120名の中から実際にかなりゲームをプレイしていそうな20名に絞り、その中から投票によって管理人が選ばれたが、「結果、見た目がかなりゴツい方が管理人に選ばれました(笑) 彼はレベルが999に到達するほどのプレイヤー。ユーザーさんのあいだでもナンバーワンランカーだったので、当選に説得力もあった」と高橋氏。
(引用終わり)
参考:Lobiで実施した『ブレフロ』公認グループ管理人総選挙を事例に
https://app.famitsu.com/20160524_728440/
参考記事を読んでいただくとわかりやすいですが、このイベントは運営からのミッションが与えられ、管理人とユーザーでミッションをクリアするとゲームアイテムがプレゼントされるというもの。3年という長期運営では追加機能実施などのありふれた戦略では飽きられてしまうという危惧からこのような形態のイベントを実施して、ゲームに対する熱とユーザー同士の繋がりを強化するという一石二鳥の手段をとったのです。
コミュニケーションをつなげることが大事
スマートフォン以前のゲームにも言えることですが、ゲームの醍醐味の一つとしてはやはり話題の共有は大きな要因の一つです。インターネットによってオンライン上でゲーム情報のやり取りができるようになる前は、リアルな友人間での情報交換や攻略、競争、イベントの開催が行われていました。モンスターハンターシリーズがロングヒットを記録している理由も、ゲームの面白さはさることながら、同じゲームの世界観を共有しているユーザー同士の繋がりの強さは他のゲームの追随を許さない勢いです。モンハンに飽きたけど久々にやったら面白くなってまたはまってしまった!というパターンも考えられます。ユーザーが相互にコミュニケーションを取り合う環境を想定したゲーム制作をしていくことは、実は昔ながらのファミコン時代からユーザーの間で大切にされてきた「ゲーム話」の仕組みと根本的には同じなのです。スマホゲームになると、そうしたことがオンライン上でできる現在の仕組みと連動することでより効率的に継続率や課金率をアップさせることができるでしょう。今後のゲーム制作は、どんなにソロ寄りのゲーム作品であったとしても、SNS共有機能もしくは、Lobiなどのコミュニティサービスとの連携、あるいはそれに類似するサービスの運用が必要不可欠といっても過言ではありません。
記事を読んでいただきありがとうございました!
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