VR市場に乗り込む大手企業
記事を読んでいただきありがとうございます。今回取り上げるのはVR市場に関する続報です。最近毎週何かしらのVR関連記事が出ていると思いますが、今回日経新聞の朝刊にも載ったようにその動きが大手企業にまで広がってきています。これまで多くのベンチャー企業や中小の開発会社がVR開発を行ったり、VRに関連する動きを見せてきました。その後バンダイナムコエンターテインメント社がVRを体感できる場を設けて一般開放したりとその動きは加速する一方です。そしてフジテレビもVR市場に参入してきました。
しかも今回は単体ではなく、グリー社と提携しての参入です。相互に持つ映像制作の技術や撮影の技術を持ち合い、いろいろな事業に対してVRコンテンツの制作から配信までを行うとあります。それだけ大手企業もVRが今後成長していくであろう分野の一つと認識が広がってきているのではないでしょうか。国内で大規模なVRコンテンツを展開しているのはまだ少ないですが、美少女ゲームにVRを取り入れる動きや、スマートフォンを使ったVRコンテンツの展開など、その動きは次第に加速しています。ほかにもコロプラ社が株式会社エイティングを買収することでゲーム開発力の強化とともにVRについても積極的に取り組んでいくと発表しました。またカヤック社もVR関連の開発にも取り組んでいる株式会社ガルチを買収することで、その強化を図っています。
海外の状況
それでも国内ではまだ動きが鈍いですが、海外ではそもそもFacebookがOculusを買収したのが、2014年7月です。その後いくつかVR関連で買収の動きがあり、最近では2016年3月にインテル社がイスラエルのVRベンチャーであるReplay
Technorogy社を買収していますし、2016年4月にはAOL社がVRスタートアップのRYOT社を買収しました。海外ではVR関連のベンチャーの立ち上げも多いですし、また買収も活発に行われています。海外で活発に投資を行っている会社に関してまとめた記事がありましたので、そちらから一部引用したいと思います。
引用開始
世界で最も活発に投資を行っているVCはRothenberg Ventures。AR・VR分野をリードしていますが、ドローンやAI、ロボット工学や宇宙といった分野にも投資を行っています。最近の投資先は、Reload Studiosと Psious。同社の行っているアクセラレーションプログラム「River」は、シードステージのVR・ARスタートアップを専門としています。
2位は、スタートアップアクセラレーターboostVC。仮想通貨の運用に不可欠なブロックチェーン技術やVRに焦点を当てた投資を行っています。2015年秋、個人の表情をトラッキングし、VR空間内でレンダリングを可能にできる技術を開発しているBinaryVR。そして、ウェブブラウザを利用したVRソフト開発を行うVizorに投資を行いました。
3位は、GV(以前のGoogle Ventures)と、Intel Captalの同点となりました。GVは最近、Emergent VRやゲームスタジオのResolution Gamesに資金投入。Intel Capitalは、空間センサーの開発を行っているOccipalに投資を行っています。
引用終了
VR・ARに投資しているベンチャー・キャピタルと投資先がひと目で分かるインフォグラフィック より抜粋
国内ではコロプラネクスト社が最大60億円のVRファンドを立ち上げているのと、gumi社の代表である國光さんが代表を兼任するTokyo VR
Startups社を立ち上げています。これから国内でもVR関連の投資やファンドが増えていくのではないかと思います。
VR市場のこれから
現在はまだ上記の記事にも書かれているように多くの企業がプロダクトリリース段階のアーリーステージです。日本でもいくつかソフトが出ているものの、爆発的なヒットになったものはなく、とりあえずVRコンテンツを開発できますよという営業ツールとしてリリースしている程度です。そもそもまだVRが日本で一般的に認知されていないのが大きいでしょう。海外での動きも一般消費者からすると面白そうだねというぐらいで、しばらくは静観を続けるでしょう。
とはいえ、日本よりも先に海外でVR市場は活発化していくと思います。投資のタイミングが先だったというのもありますし、VR自体実際に開発している人の話を聞くと、アジア圏の男性の大人ほど酔いやすく、白人の男性は酔いにくいそうです。そのため海外での開発や投資が積極的に行われていることもかんがみると、先に動きがあるのは北米とヨーロッパあたりではないでしょうか。その後アジア圏でも徐々に動きが出てくると思います。新しいハードとセットになるヒットコンテンツが生まれれば、それこそあっという間に広がっていくかもしれません。これからも随時VR関連の情報は追い続けていきますが、まずは海外の動きに注目しておいてほしいと思います。