オリジナルアニメを制作したい、新規タイトルのゲームを開発したいと思っている方はたくさんいます。しかし何をするにせよ、必ず必要となってくるのが資金です。製作委員会を置き、出資する企業を募ったり、銀行に融資してもらったりするなどしてアニメの制作やゲーム開発を行っています。そして最近、新たな資金調達の方法として注目されているのが、クラウドファンディングです。今回は、4月26日の日本経済新聞のクラウドファウンディングの記事の紹介と、アニメ製作、ゲーム開発における優位性に関しての記事になります。
ネット資金調達、1年で7割強増加 15年末残高523億円
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFS25H7Z_W6A420C1MM0000/
引用始め
インターネットを通じて不特定多数から小口の資金を募り、企業に貸す形式のクラウドファンディングが伸びている。2015年末時点の主要3社の残高は523億円となり、1年間で7割強増えた。年明け以降も順調に拡大しているようだ。銀行などから融資を受けられないベンチャー企業などの資金調達手段としての利用が広がってきた。
引用終わり
新規プロジェクトを進めるにあたって何かと資金が必要となります。体力がある企業であれば、持っている資金を使ってチャレンジできます。しかし、起業したてで銀行の融資が受けれなかったり、自社コンテンツを生み出すための体力がないという企業がほとんどだと思います。そのため新たな資金調達の方法として最近注目を集めているのがクラウドファンディングのようなネットを使った資金調達になります。そしてクラウドファンディングを行っている主要3社の昨年末の残高が公表され、合計523億円ということです。その数値を一昨年と比較すると7割ほど増えています。また、日本ファンド証券が15年中に組成したファンド数は220と一昨年より80%増、調査会社ジャンパンベンチャーリサーチの調査によればベンチャー企業が昨年集めた資金は1532億円とクラウドファンディングの存在感はどんどん増しています。
日本のクラウドファンディング
海外では融資型のクラウドファンディングが一般的ですが、日本では、普及の要因が東日本大震災での支援でクラウドファンディングが活用されたということがあり、見返りを求めない寄付型の形式が多くあります。そして、14日の熊本地震に関しても、クラウドファンディングでの支援活動がいくつも行われています。または、もう一つの方法が、出資者に対して出資額に応じた商品で還元するという形式もあります。日本の企業でも、この方法を活用して、新規タイトルのゲームを開発したり、オリジナルタイトルのアニメを制作したりという例はいくつもあります。そして金融庁は、昨年の5月より、未上場株への投資を促すために「株式型」のクラウドファンディングを解禁しました。
株式型の内容
株式型の調達方法としては、個人らから50万円を上限に投資を受けられ、合計が1億円未満の資本調達を可能にするというものになります。つまり、アニメやゲーム業界に当てはめれば、斬新なアイディアもしくは知名度があるのであれば、視聴者やユーザーら個人からの小口の出資を受けることができそれを使ってアニメ制作や、ゲーム開発が行えるようになるということです。
アニメ制作、ゲーム開発において
現在、アニメの制作においても、ゲーム開発においてもそれぞれ問題があります。アニメ業界であれば、製作委員会方式のため、出資企業の意向が強く反映されることがあり、それが本編の内容にまで及んだりしますし、権力の分散によりまとまりづらくなったりというケースがあったりします。ゲーム業界であれば、開発費の高騰により、新規参入ができなくなっているなどどんなにいいアイディアのゲームの企画があったとしてもなかなか踏み出せないという会社が多数あります。
ただ今回のクラウドファンディングの市場規模の拡大と金融庁の株式型の出資方法の解禁は、新規企業でもオリジナルのアニメタイトル、新規ゲーム開発を行うためことへのチャンスを大きく広げるものではないでしょうか。