米調査会社SurveyMonkeyがコンテンツの成功を指摘
任天堂3月25日から「Miitomo」が配信され、そのヒットぶりが話題になっています。海外でも16日から配信が開始されています。日本でも女子高生同士がMiitomoをプレイしていたら、片方の女の子が「人知れずプロレスをやっていた」というユニークなCMが注目されましたが、海外のMiitomoのCMはそれ以上にぶっ飛んだ内容になっています。ゲームニュースサイトのAUTOMOTIONでは、「任天堂アプリ『Miitomo』は1週間に28万ドルを稼ぐ。米調査会社SurveyMonkeyがコンテンツの成功を指摘」というタイトルで、Miitomoのヒットを報じています。
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SurveyMonkey社によると、『Miitomo』は先週だけで260万のダウンロードを記録している。平均すると、毎日約37万ものダウンロードを記録しているようだ。そしてアクティブユーザー数だけで見ても月に400万のユーザーがゲームを触っており、100万近いユーザーが“毎日”ゲームを楽しんでいる。毎日、ふたつかみっつの活動を行ない、7~8分楽しむユーザーが多いものとされている。
そして気になる収益の面は、結論から言えば1週間で28万ドルを稼いでいると報告されている。SurveyMonkey社はGoogle PlayとApp Storeでは毎日4万ドルものお金が『Miitomo』につぎこまれていると指摘。その8割はApp Storeからのもので、2割がGoogle Playからのものとなっているようだ。毎日遊んでいるアクティブユーザーひとりあたりの課金平均は3~4セントとみられている。この課金額について同社は「Supercellから配信された『Clash Royal』などと比べると少ないと言えるが、カジュアルゲームとしては健全な課金額だ」とコメントしている。
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ダウンロード母数の多さが健全運営のキモ
Miiというコンテンツは2006年から発売された「Wii」の登場以来約10年間、任天堂のアバターサービスの名称として多くのユーザーに認知されました。インターネットの連携は発売当初からスタートさせており、オンラインモードが搭載されたゲームの場合は自分のアイコンとしてMiiが登場してくるなど、プレイヤーにその存在感を常にアピールしてきました。3DSやWii Uという次世代ハードになっても継続させてきたコンテンツであり、まさにユーザーの顔としての役割を持たせることに成功したと言えるでしょう。すでにコンテンツとしてある程度認知されているということは、それだけダウンロードをしてくれる見込み客が多いということになります。今回のMiitomoが健全運営と評価されたのは、Miiというコンテンツを手放さず、しっかりと育ててきたという運営方法が大きく影響していると見て良いでしょう。
ゲームとコミュニケーションの関係性
Miitomoは従来のプラットフォームで扱ってきたMiiのどのコンテンツよりもコミュニケーションに重視しているサービスでしょう。既存のSNSと違うのは、作成したキャラクターが自分の代わりにコミュニケーションを取ってくれるという部分です。まさに「アバター」であり、あまり自分から話しかけない人たちにたいしても、一歩踏み込んで自分の新しいステータスを知らせてくれるというのは、控えめな性格の人であっても、多様なコミュニケーションをとることができます。Mii内で撮影した写真を既存のコンテンツに投稿することもできます。TwitterやFacebookへの共有だけでなく、LineやInstagramなど勢いのあるSNSやコミュニケーションツールへの共有が可能になっているというのも、口コミ効果でコンスタントにDL数を稼げている理由に挙げられるでしょう。
やはり求められている「コミュニケーション」か
ゲーミフィケーションという言葉が登場して久しいですが、SNSなどに夢中になる理由の一つとして、ゲーム的要素があるおかげで、多くのファンを獲得しているとも言われています。Miitomoの出現とヒットによって、「ゲームらしいゲーム」よりもライトな内容でなおかつ、コミュニケーションツールとして使えるものがいまだに求められていることは見捨ててはいけないことでしょう。Miitomoによってゲーミフィケーションの重要性、特にソーシャライザー(ゲーム内で生まれるコミュニケーションを楽しむタイプのプレイヤー)に分類されるユーザーをどうやって引き込むかという議論をより活性化させなければ、カジュアルゲームの分野でも任天堂が一強状態になりかねません。