ゲーム ニュース Androidアプリは独占禁止法違反か?EUの欧州委員会が警告

記事を読んでいただき有り難うございます。今回は、エンタメ業界に関連の深いニュースをお伝えします。昨日(4月21日木曜日)の日経新聞の国際欄をご覧になりましたか。EUの欧州委員会が、20日にアメリカのGoogleに対して、「独占禁止法の疑いがある」ということで警告をしました。

NKニュースの概要は

携帯端末向けのOS「Android」と自社のアプリを抱き合わせでメーカーに対して提供するGoogleの戦略が、結果として他社のアプリを締めだしており、EU競争法(日本で言う所の独占禁止法)に違反する疑いがあると警告しました。Googleは携帯電話メーカーに対し、OSを無償提供すると同時に、プリセットなアプリとして「Googleマップ」や「GoogleSearch」をも提供しています。Androidという優れたOSと相性の良いアプリがセットになることで他のアプリは入り込む余地が無くなり、自由な競争が阻害されてしまう、というのがEUの言い分です。

shutterstock_114318994-330x259争いは2010年より続いている

こうしたEUとGoogleとの争いは、2010年より継続しています。2010は年にGoogleのネット検索市場に対する支配的な地位の濫用について警告が委員会より発せられ,その後幾度も両者からの妥協案が提出されています。2015年には、オバマ大統領がこうした委員会の動きに対して、「欧州企業の利益を守っている」とコメントするなど、現在に至るまで大きな争点になっています。

委員会はもともと、EU間での市場の自由性を高め、貿易の公正さを保証し消費者の権利を守ることを目的としています。企業の独占寡占については、もっとも市場のバランスを崩すということで政策のとしての優先度が高くなっています。Googleは1つの私企業ではありますが、今やネット検索におけるシェア率は9割を超えており、Google抜きには物を考えられないということがEUにとっては悩みを深くしています。

NKAndroidは極めて強い

Android携帯は、日本以上に世界で大きな市場優位性があります。左の図表をご覧になってください。アメリカにおいては50.3%、中国においては78.6%、スペインでは特に」高く87.3%と、日本の30.0%を大きく上回っています。まさに「巨人」とも言うべき存在感です。

非常に高いシェア率は、もちろんグーグルのサービスの質の高さによるものではあります。しかしそれに加え、検索のシステムを軸に、OSとそれに付随するアプリなど、情報通信のインフラを提供するという所が強みです。1つの私企業でありながら、国家の国防や国民の生活を影響力をもたらす存在である以上、今回取り上げたような問題が不可避的に起こってしまいます。

日本ではガラケーという他の国には無いモデルが広く流通していたことで少し違った流れを辿るようになりました。メールも電話も一通りできるガラケーを手にしていた消費者にとってはAndroidがそこまで革新的で魅力的な物に見えなかった分、他国に比較してシェア率が低めです。そうした環境の違いは、ゲームのプラットフォームをどこにするか、という事も含めて日本の情報通信全体に影響しています。日本では今回のようなニュースは耳に馴染みが無いかもしれませんが、敢えて今回はとりあげて見ました。ご参考になれば幸いです。