韓国ゲーム業界初 自社ゲーム専門の音楽レーベル「NECORD(ネコード)」設立へ ネクソンへのメリットとは

ネクソングループが韓国子会社に自社音楽レーベル

オンラインゲームの大手プラットフォーム株式会社ネクソンは、連結子会社であるNEXON Korea Corporationが、韓国ゲーム業界初となる自社ゲーム専門の音楽レーベル「NECORD(ネコード)」を設立したとのことです。メーカー発表文を一部引用します。

2016-04-22 9.36.10

https://www.4gamer.net/games/999/G999905/20160420101/

 

(引用開始)

オンラインゲーム配信事業を行う株式会社ネクソン(本社:東京都中央区、代表取締役社長:Owen
Mahoney/オーウェン・マホニー、東証:3659)は、連結子会社である、NEXON Korea
Corporation(所在地:韓国京畿道城南市、代表取締役社長:朴 智援/パク・ジウォン、以下
ネクソンコリア)が、韓国ゲーム業界初となる自社ゲーム専門の音楽レーベル「NECORD(ネコード)」を設立したことをお知らせ致します。
(中略)
韓国国内のみの展開となりますが、第一弾として、北米及び日本で配信している『メイプルストーリー』のオリジナルサウンドトラックに収録されている「Masteria
through Time」と「絆の紅い糸」を発売し、4月28日には韓国版『メイプルストーリー』のBGM2曲を盛り込んだアルバムをリリース予定です。

(引用終了)

GREEが韓国のソーシャルゲーム市場から撤退したニュースが1か月半ほど前にありましたが(参考:GREE撤退も韓国モバイルゲーム市場の成長続く、政府はVRゲーム育成計画発表)、依然として韓国のオンラインゲーム業界は盛り上がりを見せています。そんな韓国ゲーム業界で初というのも意外です。韓国ではそれほどゲーム音楽に対する関心は無かったのでしょうか。音楽は言語を必要としなくても成り立つコンテンツですから、ここに焦点を当てたビジネスを展開することは、ゲーム業界にとって大きなメリットになるはずです。

ゲーム音楽は長く息が続く?

『Sid Meier’s Civilization IV』のオープニング楽曲であるBabaYetu(ババ イェットゥ)は2011年にゲーム音楽として初めてグラミー賞を受賞し、大きな注目を集めました。現在でもコーラス曲として高く評価されており、スワヒリ語の歌詞でありながら、海外のYou Tubeで多くの「歌ってみた」動画がアップされています。ゲーム発売後6年後の受賞ですから、じわじわとその楽曲が注目されたということなのでしょうか。ゲーム音楽はゲーム内容よりも長くコンテンツとして評価されます。

https://www.youtube.com/watch?v=6u_EWzmvI8E

名作ゲーム音楽、例えばドラゴンクエスト、ファイナルファンタジー、クロノトリガーなどのRPGの曲はオーケストラ編成で制作されたものも多いので、日本ではアマチュア、プロ楽団問わず全国各地で今でも頻繁にゲーム音楽演奏会が開かれています。詳しくは、音楽ライブの情報だけを扱った情報サイト、2083Webをご覧ください。

https://www.2083.jp/

自社レーベルを持つ利点

一躍ビッグスターに!多くの日本の開発会社が自社音楽レーベルを持っています。スーパーファミコン時代など、ゲーム音楽がそれほど注目を浴びなかったころは少数派だった自社音楽レーベルですが、今では主流になりつつあります。セガ、コナミ、カプコン、スクウェア・エニックスなどは自社レーベルからゲーム音楽を出しています。大手ゲーム開発会社は自社レーベルを作って自社で販売したり、大手レコード会社などに委託するなど販売方法は分かれますが、コンテンツとしてしっかりと自社レーベルで管理することを重視する場合、自社レーベルを設立してそこから音楽を出す方がよいのです。というのも、大手レコード会社と密接な大手レーベルと契約すると、音楽が評価され追加でCDをプレスしたいと思ったとしても、レーベル側の意向でそれができなかったりする場合があるのです。要するにマーケティングの権利を預けてしまうことになりますから、売れなければ容易に廃盤になり、再販が非常に困難です。音楽はBabaYetuやドラクエ、FFの音楽を見れば分かる通り、時代を超えて愛される可能性があるコンテンツですから、これを自社で管理することは、ロングセラータイトルのリバイバルキャンペーンなどでサウンドトラックを収録したりするときなど、いちいちレコード会社のことを気にせずに、経費と相談しながら売り出すことが容易なのです。

31Z018FNJYL遊技機業界でも自社レーベル  (画像はAmazonより)

遊技機業界でもサウンドにこだわりを見せている企業があります。大都技研はDaito Musicという自社レーベルを持ち、サウンド制作も全て大都技研のサウンドチームが担当するというこだわりよう。開発する遊技機も版権モノではなく自社IPを使っている会社なので、独自性の高いコンテンツを生み出しやすい環境を整えています。Amazonでの評価も高く、ギャンブルや遊技機の面白さ以外での魅力を創出しているのです。自社のブランディングにもレーベルを持つということはポジティブな影響があると思いますし、ゲーム音楽に関心の高い日本においては、今後ゲーム音楽に対する認識を高めていく必要があるように思います。

記事を読んでいただきありがとうございました!

toiawase-1024x226-1