産経新聞は17日、【プロが指南 就活の極意】という連載コラムで、「親が自分の会社や業界の話をする これって結構大事なこと」という記事がアップされていました。「内定塾」という大学生などの就職活動をサポートするビジネスを展開している講師の方が書いた記事で、「親子での就職活動の取り組み方」について詳しく書かれています。
「親が自分の会社や業界の話をする」というのは結構大切なこと
「自分の会社や業界の話をする」ということは何のために行われているのか、というところに焦点を当ててみると、その重要性がわかってきます。記事にも書かれていましたが、要するに就活生に対して「働くということがどういうことか」ということを考えるための「ビジョン」の材料を提供するということです。近しい人間でなおかつ、社会人としての先輩という親からのアドバイスは素直に受け取りやすいのではないか、就職活動に対する取り組み方に大きく影響を与えられるのではないかということがこの記事の論理のバックボーンにあると思います。
実際、好意を持っている相手に対して、人間は容易に承諾をするという研究もありますから、(チャルディー二著『影響力の武器』を参照ください)あながち間違いではないと思います。ただ、親とのコミュニケーションがうまくいっていない方々も多くいると思います。そういう方々に対して効果的にビジョンを思い描かせるにはどうすれば良いのでしょうか。当記事に取り上げられている親がすべきことは、企業が代替可能ということを提案させていただきます。
社会人としての姿勢
「自分が働くイメージができない」という悩みを抱える就活生は多いくおります。理由は簡単で、社会に出て働いていないからです。それに加えて、会社説明会、インターンで体験できる仕事などから得られる情報というのは、実際の社内の雰囲気や業務とかけ離れていた!というケースは後を絶ちません。しかし、「実態と公開されている情報が違う」というネガティブな情報ばかりが学生側に伝わって、「イメージができない」というよりも「イメージしたくない」と思ってしまう可能性も無くはないでしょう。学生の意識が測れる指標として、履歴書やエントリーシートの志望動機を重視されている企業様は、そもそも学生が働くイメージを簡単にできる訳がないという前提を持たなければなりません。
(引用開始)
実際、毎年「自分が働くイメージができない」という学生は多々おり、また「就活するまで親の職業のことを詳しく知らなかった」という話はよく聞きます。ですので、自分がいま勤めている会社や職業について話すことが大切なのではないかと考えます。そうすることで働くということを想像でき、就職活動を早期に始める可能性が高いと思います。
(引用終わり)
「社会人としての姿勢」とは何なのでしょうか。これは企業の文化によって、「社会人としての姿勢」は大きく異なると思います。しかも応募してきてくれる学生の「親」がアニメゲームマンガ業界の人間だとは限りません。アニメゲームマンガ業界の会社さんには、それぞれ「こういう人が欲しい」という、ビジョンがあると思います。それを情報発信していくことが重要です。
御社で売り上げをあげ成果を出しているスタッフに新卒採用コンテンツを通して「働くとは何か」、「社会人とはどういうことなのか」ということを発信してもらいます。親子のコミュニケーションが大切であるという視点も良いかもしれませんが、ハッキリ言ってしまえばそれは「御社が欲しい人材を採用する」ことには無関係ですから、親の価値観に染まってしまう前に志望してきてくれる学生に対して、「御社ではこういう人が成功していますよ!」ということをアピールしていきましょう。
情報提供の重要性
記事の中で親からの情報提供が重要であるということも書かれてあります。
(引用開始)
3年生初期の時点で就職活動や経済について詳しく知っている学生は少ないものです。
なぜなら、普段生活をしていく中で学生は多くの時間を同年代の友達と過ごしているからです。そこでは行われる会話は共通の趣味や話題である可能性が非常に高く、就活時に必要な情報についての情報収集はできていないのです。しかし、受験同様、希望する進路に進むためには早期に動き出し情報を得ておくことが必要です。そして、学生の多くはどこかで「3年生になったから就活しなくては」と感じているものです。そのためにも親子間の会話の中で経済の話や企業、業界の情報を提供してみてください。
(引用終わり)
同年代の友達と過ごし、そこで行われる会話は就活時に必要な情報ではないという内容ですが、果たしてそうでしょうか。私は東洋大学のイブニングコース(夜間に授業を行うコース)に通っていましたが、就職活動に関する情報交換は非常に盛んに行われていました。有名金融機関に合格した人もいて、真剣に就職活動に対して向き合う学生もいます。しかし、そうした学生の会話の中でやり取りされている情報というのは、求人広告や説明会などで話されているような「外向き」の情報であることが殆どです。中には就活口コミサイトなどから得た情報でコアな部分を語っている学生もいましたが、それでも結局は実態が分かりません。自社で採用活動をしたい企業にとって重要なのは、閲覧者が働きたいと思わせる情報だけでなく、その閲覧者が自社で働いていることをイメージできるような情報の公開です。
採用情報のページで公開されている内容とギャップがあればあるほど、自社のイメージに傷が付きます。どういう価値観の人間が働いているのか、仕事において大変な部分はどういうところか、ということをしっかりと発信していかなければ、今後の採用活動の妨げになるような情報が、尾ひれをついてネットの海を泳ぎます。信用できる情報に飢えている学生たちは、すぐにその様なブラックな側面を見つけてしまいます。ですから、守秘義務に当たらない情報を発信していくことは有効です。
応募者、候補者にビジョンを持たせる
自社サイトでの採用活動に重要なのは、まず「自社の求める人材はこういう人だ」ということをなるべくイメージさせやすい情報を発信することです。それは候補者のビジョンの材料になります。さらに、具体的に「こういう人!」ということでスタッフにコンテンツ作成をお願いすることで、そのスタッフのモチベーション維持になります。新人に対しても有効で、先輩の記事を参考にしながら記事を書いてといえば、自分の考えと企業が求める人物像を融合させながらアウトプットをしなければならないので、マインドの成長に大きくプラスになります。そして、「なるべく実態に即した求人広告を作る」ということです。
採用活動はその年乗り切れば終わりということではないのです。不満を持つ従業員は止めていきますし、怪我や病気によって止むを得ず退職することによって、新たに人材を雇わなければならない事態に陥る可能性は必ずあります。その時、「あの企業はブラックだ」という情報が出回ってしまっていては、ダイレクトに損失です。高いお金を出して求人広告サービスを利用しようが、いくら自社サイトで質の高いコンテンツを生み出そうが、「ブラック企業」という、現代日本の闇を象徴するシンボルに怯える学生や転職者からは、それだけで篩に落とされます。目先の採用活動だけを重視するのではなく、長期的、多面的な目線で採用活動を見ることです。目指すべきは、「候補者になるべく自社で働くところをリアルに想像してもらうこと」です。それがミスマッチの軽減につながるはずです。
ビ・ハイアではミスマッチを防ぎ、定着率の高い採用情報を掲載することを目的とした求人情報サービスラクジョブや、SEOコンテンツ作成代行サービス「ZMC」を運営しております。求人広告やSEOに関するご相談など、お気軽にメールフォームにてお問い合わせください。
記事を読んで頂きありがとうございました!