ゲームには、様々な音が使われています。BGMやSE、ジングル、キャラクターの台詞など、ありとあらゆるゲームのいたる部分に使われています。むしろない方が珍しいでしょう。そんなゲームに必須の要素のサウンドですが、実際のゲーム開発において、後回しにされることが多くあります。そのため、トラブルになるケースが多くあります。今回は、どんなトラブルがあるのかとその対処法です。
後回しにされてしまうサウンド
ゲーム開発において、プログラム、グラフィック、サウンドというのは必須項目でしょう。ただその中でも、サウンドに関しては、かなり後回しになります。よく聞かれるのが、グラフィックが上がってからの方がイメージしやすいし、そちらに予算をまず使いたいということです。そのため、予算も少なくも期間も短い中での仕事の依頼が多いということはよく聞かれます。
どうしようもならない期間の問題
予算に関しては、クオリティー面に目を瞑ればいくらでも安くすることができます。しかし一方で期間に関してはどうしようもありません。これが、BGMなどの音だけであれば修正回数を減らすなどすればもしかするとなんとかなるかもしれません。しかしこれが声優を使ったセリフとなると話は別です。
声優を使ったセリフ入れの場合の期間
コンシューマーゲーム、ソーシャルゲーム開発において、多くの作品で声優を使った作品が多くあります。しかし、ゲームディレクターとサウンド制作会社では、制作する期間において大きな溝ため、お仕事の依頼をした時にはもうどうしようもならないほどに短くなってしまっているというケースがあります。一般的に声優を使った音入れの場合、まず声優のキャスティングがあります。この時点だけでももし人気声優を使う場合は、スケジュールが取りづらくかなりの期間を必要とします。次に、台本の読み込みです。キャスティングした声優に対して台本を渡し、読み込みをしてもらいます。しっかりやるのであれば1週間は必要とのことでした。そして収録、シナリオの分量によって変わりますが、そこらへんはサウンド会社の方へ相談すればだいたいわかるでしょう。その点を踏まえると数週間以上は確実にかかってしまうということがわかります。
さらに制作期間を延ばしてしまう要因
数週間ほどかかってしまう収録ですが、さらに制作期間を延ばしてしまう要因があります。それは、台本の制作方法です。台本の制作方法に関しては特に決まりもなく、各ゲームメーカーが独自の書式で作っています。セリフをぎっしり書いて、声優がメモ書くスペースがまったくなかったり、ページ数がないため、収録の時に間違いの部分を指摘しづらかったり、エクセルで作られていたり、横書きで書かれていたりなどいろいろな書式で台本が上がってきます。そのため、音楽制作会社の方で、使いやすいように台本を修正したり、あまりに酷い場合は、一旦差戻すというケースもあるとのことです。このようなこともあるため、台本の修正期間ということでさらに時間がかかってしまうことがあります。
音楽制作会社としてもゲームメーカーとしても絶対やってはいけないこと
音入れをする場合、絶対やってはいけないことは、収録までに台本が上がらないことです。収録に合わせて、スタジオと声優を確保しているため、台本が上がらなかったとなれば、一旦そのスタジオと声優を解散しなければなりません。そうなってしまった場合、その時間分のスタジオ代や声優のための人件費の収益がなくなってしまうため、ゲーム会社としての評判を落としてしまうことになります。中には声優側から取引停止となるゲーム会社へつながるケースもあるとのことです。待機分も補填できるのであれば別ですが・・・。
トラブルを避けるうえでもしっかりと満足いくクオリティーにするためにも、サウンドの発注は余裕を持って動いた方がゲーム開発にとってはプラスでしょう。