先日の報道で、LINEのゲーム、LINE POPのゲーム内アイテムをめぐって、関東財務局の立ち入り調査が行われました。今回は、こちらの出来事のまとめとそこから推定される規制に関して記事にして見ました。
ソーシャルゲームの規制
ソーシャルゲーム業界は、これまで何度か政府からの指導が入ってきた経緯があります。最初に行われたのがコンプリートガチャ問題です。当時のソーシャルゲームはカードバトルものが多く、ガチャを引きカードを集めるというマネタイズが多くありました。そこで多く行われてきたのがコンプリートガチャです。期間内有料ガチャを全て集めた人に対して、さらにもう一枚プレゼントという形でカードを提供されていました。しかし、この形式が、景品表示法で禁止する絵合せに該当したため行うことができなくなりました。最近であれば、グランブルーファンタジーのガチャ問題です。ガチャで、特定のイベントで優位にはたらくカードがあり、そのカードの出現率が非常に低いということでギャンブル性を過剰にあおり、絵合せに該当するのではないかということで指導が入りました。その対策として、大手ソーシャルゲームメーカーは、課金額の上限を設けたり、排出率を公開するなどのガイドラインを作っています。
LINEの立ち入り調査の概要
LINEに立ち入り検査、ゲームのアイテムめぐり
https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20160406-00000044-jnn-bus_all
引用始め
無料通信アプリのLINEが運用するゲームのアイテムが法律で規制される対象に当たるのではないかとして、関東財務局が立ち入り検査をしていることがわかりました。
中略
課金によって手に入る重要なアイテムの1つが「宝箱の鍵」です。ゲームでは、さまざまなアイテムを手に入れることができるこの「宝箱の鍵」が、1本およそ100円相当で販売されています。これが、資金決済法における「前払式支払手段」に当たる可能性があると指摘されているのです。
引用終わり
ポイントは前払式支払手段かどうか
今回、問題となったのが、LINEのゲーム「LINE POP」内のアイテム「宝箱の鍵」になります。こちらのアイテムは、このゲームの仮想通貨、「ルビー」を前払いで決済し、この「ルビー」を使って購入するものになります。そして今回問題となっているのが、このアイテム「宝箱の鍵」が資金決済法における、あらかじめ代金を支払って決済する商品券やプリペイドカードなどの「前払式支払手段」に当たるかというものです。もし「前払式支払手段」となった場合、ユーザーへのお金の保証のために法務局などにお金を積み立てる必要があります。もしメーカーが倒産して、支払った分のお金が戻ってこなくなったら困りますよね。
どこが規制になりそうか見極めておくことが重要
オンラインゲームは、ソーシャルゲームの普及により、大幅に市場規模を拡大してきました。それにともない、マネタイズの方法もここ数年で大幅に変化し続けています。現在の日本の法律には、まだまだ対応できていない部分がたくさんあります。今回の問題も2次アイテムが「前払式支払手段」になるかどうかが焦点となってくるでしょう。また、今回の件で問題にならなかったとしても、他の企業で不手際やユーザーへの被害があった場合、規制となる法律が新たに制定される可能性があります。今回の件で、今後、2次アイテムに関しても、供託金が必要となる可能性が出てきました。そうなった時のためにも、常に別のマネタイズの方法を思案し、規制があった場合に柔軟に対応できる体制作りやソーシャルゲーム運営が必要となってくるでしょう。