TVアニメといえば、地上波に加え、幾つかのアニメ専門チャンネルがあります。アニマックスやAT-X、キッズステーションなど、今回はそのうちの一つ、アニマックスが仕掛けた放送方法についてです。今回は、アニマックスブロードキャスト・ジャパン代表取締役社長の滝山氏のインタビュー記事のレビューになります。
視聴率が3倍に–アニメ専門チャンネル「アニマックス」が仕掛けた放送と通信の連動
https://japan.cnet.com/entertainment/35080190/
アニマックスといえば、今年で創業18年にもなる老舗のアニメ専門チャンネルになります。24時間365日、以前放送されていたアニメを始め、OVAや劇場版アニメなど常に放送し続けているチャンネルです。しかし、最近では、動画配信サービスの充実や、録画機能の向上やタイムシフト機能などの登場により、視聴率が伸び悩んでいます。そんな中、このアニマックスは、通信の連動によって、リアルタイムの視聴率を前週より3倍に引き上げたとのことです。
放送とウェブを連動した新サービス「Watchwith」とは
最近のテレビの視聴スタイルは、1人で見るケースが多くなってきています。しかし、やはり一人で見ているだけでは味気なく、誰かと時間を共有したいと感じてきてしまいます。ニコニコ生放送を始めとして、画面上に多数のコメントが流れるのはその表れではないでしょうか。しかし、これまでのアニメ専門チャンネルにおいてこのような取り組みをしているものはなく、そのコミュニケーションの欲求を埋めるために導入したのが、「Watchwith」になります。
引用始め
Watchwithは、米ロサンゼルスに拠点を置くWatchwithが手がけるサービス。PCやタブレット、スマートフォンなどに番組関連情報や特設コンテンツを表示でき、テレビ放送と連動することで、放送内容に合わせた情報をセカンドスクリーンに提供できることが特徴だ。
中略
午前0〜5時にかけて行われた一挙放送にあわせ、Watchwithでは作品トリビアやセリフの解説、作品に関連するクイズなどを実施。約4000人のユーザーが参加したという。サービスはウェブブラウザ上で提供され、アプリなどのダウンロードは不要。セカンドスクリーン用のコンテンツはアニマックスのスタッフが中心になって作り、番組の裏話などやちょっとした小ネタなど「ほかでは知ることができない情報」が提供された。
引用終わり
一挙放送で提供した理由については、アニメ番組1話分では、ストーリー以外の情報を盛り込むには時間が少なすぎるとのことでした。ただ、今後はその短い時間でも提供できる情報を考え提供していきたいとのことです。
代表の滝山氏も懸念していることが、コンテンツまでお金が回っていないことです。今回の企画で、Watchwithでリアルタイム視聴したのが、4000人、他の動画配信サービスの例として、dアニメストアであれば、現在会員200万人とある一定層のユーザーがいることが確認できます。一方で、苦戦が続いているのが、コンテンツの中でもBlu-rayやDVDのようなパッケージの販売です。TVアニメであれば、パッケージ1本あたりだいたい6000本販売しなければ、出資の回収が難しいという状況になります。「おそ松さん」や「ラブライブ!」のようなヒット作であれば、数万本にもなっていますが、全体では、6000本まで行くのが全体の2から3割のタイトルです。
今後のコンテンツビジネスに必要なこと
先日、dアニメストアでは、サービス拡大により、アニメ関連グッズのオンラインショップとの連携に関しての記事がありました。(『dアニメストア』、アニソン動画とアニメ関連グッズ販売の新サービスをスタート!)ここから考えるに、今後のコンテンツビジネスは、TVCMのみに頼るだけではなく、アニメ本編での関連した商品の情報を提供することによって、よりタイムリーにユーザーの心をつかむことができるかが重要になってくるのではないでしょうか。そのためにも、コンテンツ業界は、アニメとの親和性を高めた情報提供とメディアとの連携が必須となってくるでしょう。
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