エンタテインメントに属するアニメゲーム遊技機業界には次々に3DCG制作の波が押し寄せています。一部には漫画業界からも3DCGデザイナーを採用したいという声も聞こえるほどです。仕事が増えれば、それだけ採用したいという会社も増え、採用競争も激しくなります。今回は3DCGデザイナーの採用の求人広告の書き方についてです。
「3DCGデザイナー」では採用できません
3DCGデザイナーを採用しようとするとき、募集要項の職種欄には何と書きますか。「3DCGデザイナー」と真正面から書いてしまうと転職希望者の目には止まりにくくなってしまいます。3DCGデザイナーには、モデリングが得意な人も、モーションが得意な人もいます。それらをまとめて3DCGデザイナーと書いてしまうと、求職者からは、「モーションの仕事がしたいんだけど、これはどっちなんだろうと思われてしまいます。もし御社の求人広告のすぐそばに3DCGのモーションデザイナー募集の求人広告があれば、間違いなくそちらを見てしまうでしょう。もちろん現場上がりの社長さんであれば、そんなミスは起こさないでしょうが、人事だけを担当している方だと案外見落としがちなポイントなので注意してください。
大切なのは、業界、ソフト、業務内容
3DCGは様々な場面で求められるようになっています。アニメでもフル3DのTVアニメが普通に放送されるようになりましたし、ゲームもコンシューマー、スマホ問わず3DCGが活用される場面が増えています。また、遊技機(パチンコ・パチスロ)の液晶演出も3Dが使われています。それ以外にも、VFXやプロジェクションマッピング、CM、PVなど3Dが活用される場面が多岐に渡ります。実際にはそれらの全てが3DCGデザイナーの求められる場面になります。
しかし、3Dを仕事にする人からすれば、その全てがやりたいことではありません。アニメだけやりたい人、ゲームだけやりたい人、遊技機だけやりたい人、様々います。だからこそ、3DCGデザイナーを採用するときには、どんな業界のどんな仕事をどんなソフトを使って制作しているのかを明示することが必要になります。
あなたの会社は何をやっている会社ですか?
では、上記の様々な項目を書くためにはどうすればいいのか。そのためには、あなたの会社が何をやっている会社なのかを詳しく書くことが一番です。そしてそれはできるだけ詳しく書いてください。従業員数は何名なのか、職種ごとのスタッフの人数比はどうなっているのか、ソフトは何を使っているのか、プラグインは何を使っているのか、業界はどの業界の仕事が何割ぐらいずつなのか、どんな取引先を仕事をしているのか、どんな作品実績がこれまであるのか、それを明記する必要があります。
多くの場合は、そこの会社の持っている環境と自分が求めている条件が折り合わないために3DCGデザイナーは転職を希望します。だからこそ、「この会社に転職したらどんなものを得ることができるのか」という想像がなるだけできるように、なるだけ多くの会社についての情報を提供することが有効です。
これから先どこを目指していくのか
そしてもう一つ大切なことが、「会社がこれからどこを目指していくのか」ということです。例えば、フル3Dアニメを作りたいと思って3Dアニメの会社に入ったのに、その会社が今後の経営方針として、アニメの分野を減らして、遊技機を増やそうとしているのであれば、その人はいずれ会社を去ってしまうでしょう。今会社がどういう状態にあるのかも大切なことですが、これから会社がどこを目指すのかも大切な情報です。
また、会社単位でなくても、今募集しているスタッフに何を求めているのかも大切な情報です。会社によっては複数の業界に跨いで3DCGの制作を行うことも珍しくありません。しかし、そのタイミングではゲームの3DCGデザイナーを求めていたのであれば、アニメや遊技機の仕事がしたい人は採用できません。
そして、その人のステップアップ、キャリアプランも大切になります。スペシャリストとして現場一筋で生きたい人が、将来ディレクターになってくれる人を募集する求人に応募してもいずれズレが発生してしまいます。その意味では、キャリアプランやステップアップのイメージについても言及も求人広告内で書いておくべきでしょう。
以上、3DCGデザイナーと呼ばれる人材を採用する求人広告を書く際の注意点でした。ぜひ参考にしていただいて、御社にマッチする人材の採用を増やしてください。