企業においてTVCMは、広報宣伝で最もツールであり、テレビ局においては、番組制作においてスポンサーを獲得するための重要なものになります。しかし、時間帯やCMはあまり見ないという視聴者も多く、効果が下がってきているという印象があります。今回は、アニメ会社の知名度や斬新さで記事になるほどのアニメCMの紹介です。
TVCMに関して
日本のTVCMは、30分番組の本編やOP、EDを除けば、約5から6分になります。そして一般的なCMは、15秒もしくは30秒のため、30分番組であれば、1タイトルあたり、10本から24本のCMが流れることになります。それが放送休止時間を除いて1日20時間、それが地上波のチャンネルだけ10局以上あることを考えれば、1日に数千本から数万本ものCMがやっていることになります。もちろん大企業になれば、放送枠をいくつもとっているため同じCMを何回も放送するでしょうが、それでも1日に数多くのCMが放送されています。
キー局の視聴率低下と若者のTV離れ
そんな1日に何千本と放送されているCMですが、肝心の視聴率に関しては、あまり芳しくない傾向があります。左の図は、2005年から2015年までのキー局「NHK」「日本テレビ」「TBS」「フジテレビ」「テレビ朝日」「テレビ東京」のゴールデンタイムの視聴率のグラフになります。これを見るに、「日本テレビ」が1%弱の減少を除けば、他のどの局も2%以上の減少、「フジテレビ」に関しては、5%ほどの減少になっています。最近では、Blu-rayレコーダーのような録画機能の発達により、一概に視聴率のみでは測ることができませんが、CMに関しては、本編前後にチャプターが自動的に入るなどの機能があるため、スキップしてみる方が多くいる印象があります。そして、近年のインターネットや動画配信サイトの発達により、スマホやタブレットなどで動画を視聴する若者が増えてきていることも視聴率の低下につながっているのではないでしょうか。
TVCMの効果を上げるために
TVでのCMを作る上で、いかに話題性のあるCMを作れるかということが重要になってきます。昔から多く使われる手法は、有名タレントをイメージにし、イベントやCMを出す手法です。そうすれば、ニュースや記事などによりCM以上のPRにもつながります。しかし、一方でそのタレントのスキャンダルが上がった時は、効果が逆転してしまうというデメリットもあります。最近でも有名タレントのスキャンダルで影響を受けたというニュースもよく聞きます。では別のアプローチで話題になる方法はないでしょうか。いい例となったのが以下の記事です。
2016年3月15日 スタジオジブリと丸紅新電力株式会社のタイアップと、新CMが発表されました。
https://www.ghibli.jp/10info/009931.html
https://www.youtube.com/watch?v=dqDcb7Q9kSI
丸紅新電力株式会社がスタジオジブリとタイアップし、CM制作を行いました。そしてそのテイストが「鳥獣戯画」をモチーフにした水墨画のアニメーションのCMとなっています。その斬新さにより、多くのニュースサイトで記事になっていました。今のテレビの企業CMで作画を使ったアニメーション自体が少ない傾向があります。そのため、逆にクオリティーの高いものや、奇抜なアイディアがあれば話題になりやすいという傾向があるのではないでしょうか。
アニメを使った企業CM例
大成建設
https://www.taisei.co.jp/about_us/library/cm/tvcm/
https://www.youtube.com/watch?v=BHZJhFbBud8
メルセデスベンツ(NEXT A-Class)
https://www.youtube.com/watch?v=EQq6Z4IowfY
今後のアニメCMの効果について
今回、例にした企業CMは2012年前後です。しかし、メディアにおけるTV業界は、その媒体の多様化により苦戦が強いられてきています。そのため、2012年以上に、TVCMのみならず、他媒体での話題性や動画サイトに展開できるような広報戦略が重要となってくるでしょう。今後の企業PR戦略としても作画を使ったショートアニメーションは、話題性になりやすく、動画サイトでの広報展開もしやすい点でメリットが大きいのではないでしょうか。
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