パチンコ 釘問題 海物語など、第2次回収リストの公表と社会的不適合機の回収期限について

virtual technologies「CRスーパー海物語IN沖縄3HME」を筆頭に回収リスト公表される

記事を読んでいただきありがとうございます。今回取り上げるテーマはずっと継続してピックアップしているパチンコ釘問題に端を発するパチンコ台の回収についてです。前回取り上げたときはルパン三世や牙狼などホールの運営を支えてくれる重要な台が回収リストに掲載されました。今回もまた多くのホールに打撃を与えかねない稼ぎ頭の一つになり得る台が回収リストに掲載されました。そのリストについてと、今後の遊技機業界の動向についても、見ていきたいと思います。第2次回収リストが3月2日に公表されました。ちょっと取り上げるまでにタイミングとして遅れてしまいましたが、これも重要な情報だと思いますので、遊技日本から引用します。

引用開始

遊技くぎの変更により性能が異なる可能性のあるパチンコ機の回収について日工組(金沢全求理事長)は3月2日、第2弾リストとなる「回収対象遊技機一覧表②」を業界関連団体及び業界メディアに送付した。

今回、日工組が公表した撤去対象機種のリストには三洋物産製「CRスーパー海物語IN沖縄3HME」や平和製「CRルパン三世7H9AZ2」など、11メーカー、全17型式が含まれ、それらの合計設置台数は第一次リストよりも約4万台多い8万8,104台となっている。日工組では、問題の是正に向け引き続き調査中のぱちんこ機があるとして、更なる回収対象機種の追加を示唆している。

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パチンコ業界誌『遊技日本』 第2次回収リスト、公表 より抜粋

今回もっともインパクトがあるのは、前回の回収リストよりも約4万台多い88,104台の回収が示されたことと、回収リストにおいて設置台数が75,954台と飛び抜けて多い「CRスーパー海物語IN沖縄3HME」が掲載されたことでしょう。もちろんスペック的にも回収の対象となることは想定されていましたが、ここまで設置台数の多い型式が回収となるのは業界にとってかなり大きなインパクトとなると思います。そのほか、1,000台以上で回収リストに掲載されたのが「CRルパン三世7H9AZ2」が5,373台、「CRぱちんこ仮面ライダーV3H5」が2,375台、「CR交響詩篇エウレカセブン~真の約束の地~ZG」が1,936台と続いています。

2回の回収リストで約13.6万台の回収が確定しましたが、日工組では、さらなる回収対象機種の追加を示唆しているとのことで、ホールにとっては、売上的にも影響の少ない回収対象となる恐れのある台を置いておくぐらいなら、新台ないし中古の台で埋めてしまおうと考えるところも出てくると思います。そういう意味では積極的に自主回収が進んでいくとは言えますが、結局のところホールにとってはお客さんが楽しめる台から楽しみにくい台へ変わっていくので、経営的なダメージは避けられないでしょう。

shutterstock_112959457回収リスト公表と同時にその期限は

3月16日に全日遊連は、全国理事会を開催し、その後の記者会見で回収リストに該当する遊技機の撤去の期限はまだ具体的に決まっていないと言うことを述べました。

引用開始

記者会見で阿部理事長は「ホール数が減れば、日工組も商売相手が減るわけで、お互い、減らない形を考えるべき」と述べ、条件面については「俗に言う下取りという形は求めていない。同一メーカーで下取りしてこういう条件だといった形ではなく、どのメーカーの機械でも回収する、その後、違うメーカーの機械に入れ替えてもいい形を作って欲しい」といった要望を出しているという。また、平川容志副理事長も「どれほどのコストで適正な遊技機に入替できるか」が、交渉の肝との考えを述べた。

また回収期限については全日遊連として「まだ具体的に決まっていないのが現状」(阿部理事長)との認識。「適正な機械があまり出ていない。回収というのは次なる機械があってこその回収。そこが見えてこないと、期限を決められない」(同)と話し、団体間の話し合いを密にするなどして、早期解決を図る方針とした。

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パチンコ業界誌『遊技日本』 回収期限「具体的に決まっていない」/全日遊連 より抜粋

結局のところ記事にも記載されていますが、新しい基準をクリアした台が出てこないことには入替のしようがないのは事実として、それを遅らせてしまっている原因は新基準にしてからの適合率の低下にあります。詳しくはこちらをご覧下さい。

パチンコ 適合率30%台!パチスロの適合率を下回る事態に

適合率の低下はホールへの流通を遅らせることもさることながら、新台の開発も遅れることになり、これらがネックとなってしまい、入れ替える台を数種類の新適合機にするわけにもいかず、ホールとしてももどかしい状況が続いています。いずれにせよ内規の変更もあるし、新しい台を入れ替えるための障壁がありすぎて、一筋縄ではいかないというのが現在の状況だと言えるでしょう。そういった状況において、メーカーは慎重になっていき、新台開発への動きはますます鈍化していきます。

こういった状況下において開発会社に求められることは、新基準でもユーザーが楽しめる企画や仕様を考えることであったり、遊技機以外の業務も担当できるようにスキルの幅を広げていくことです。今遊技機の仕事がたくさん入ってきて困っていないという会社も、どんどん状況は変わっていくので、専門特化するうまみや強みと、変化に柔軟に対応する順応性と両方を天秤にかけるときが来ているでしょう。ここは経営者の判断次第ではありますが、仕事がなくなったのではなく発注量がある業界で減っているだけという見方も出来ますので、柔軟な対応をしていくことが変化の激しいエンターテインメント業界で生き残る一つの手段ではないかと思います。

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