新卒募集と経験者募集は「募集の背景」から違う!
新卒採用と経験者採用(中途採用)、アニメゲーム漫画業界ではどうしても後者の方が多いようですが、それでも数年に1度は新しい風を、ということで新卒を募集することもあるでしょう。しかしその時に、社内の求人HPも求人広告も、ほとんど経験者募集と同じ文言、同じ写真にしていませんか?それでは新卒は採用出来ません。少なくとも、良い新卒が入って長く働いてくれる・・・ということはありません。新卒が長く働いている会社ほど、新卒向けの求人は経験者のそれと全く違います。今回はアニメゲーム漫画業界での新卒・中途採用の違いについて書いてゆきます。
新卒を狙うなら「感じの良さ」で
まず新卒。新卒を採用するための求人広告や求人記事は、とにかく「感じ良く」してください。こう書くと軽薄で嫌な感じがしますか?しかし何も会社について過剰演出をしろと言っているわけではありません。新卒の人材は基本的に社会人経験がありませんから、中途採用の人材が喜ぶような「やりがい」「成長」というのもふんわりとしかイメージ出来ないのです。どうしてもこのような言葉が新卒向けに乱立しているために「成長したい」「やりがいを感じたい」という新卒も増えているのですが、その実「成長」や「やりがい」は働いてみないと実感出来ないところがあります。新卒向けに記事を作る場合は、例えば社内環境の良さや社外のご飯屋さんのバリエーション、仕事の楽しさなどをアピールして下さい。会社の内部にカフェがある!というような内容もかなり効果的です。
中途に対しては「リアル8割、演出2割」
新卒と変わって中途採用の場合は、感じの良さを演出しすぎるのは致命的です。それを前面に押し出した場合、人は来ても1年以内に辞めてしまう可能性が大。中途は一度社会人経験をしているからこそ、会社というものがどう綺麗に演出されていても仕事には辛さがある事を知っています。そのため、私達がお勧めするのが「リアル8割、演出2割」。何も全てをリアルに書く必要はありません。求人広告だって「広告」なのですから・・・。そしてリアルとはすなはちネガティブ、でもありません。本当に良いと思われている部分はあるはずです。そういった内容を書きつつも過度に演出しないことが、中途向けの求人記事のコツです。記事を作っている本人が「これなら現実的だし入っても良いな」と思えるくらいを基準にしてください。「えっ、こんなのよく言いすぎだよ」という場合でも、社外から見てどうか、というのが重要です。
面接で何を聞くか?
さて、求人記事で応募が沢山あったとしましょう。次は面接です。会社の方に伺うと、だいたい皆さん「新卒より中途の方が面接しやすい」と言います。中途であればこれまでの経験など、その人自身を計りやすい基準があるからですね。一方、新卒は当然ながら面接に慣れていません。自らを計るスキルが「やる気」「アニメゲーム漫画を好きな気持ち」だけになってしまっているため、決まり切った言葉を言うだけになってしまうんですね。しかしそれは「演出された自分(しかも画一的)」のため、面接する側もその人材の真の姿が見極められず苦労します。
新卒が画一的な対応をするのは、面接官が画一的な対応をしてしまうからです。このコンテンツ業界において、あまりにも画一的な対応しかできない、というのは就職後辛くなるでしょう。そのため、ある会社では「よく面接では自己PRとか聞いたりするけど、ああいうのをそのまま答えるのは正直全然その人の内面が見えないと思うんだよね。だから、1次面接は必ず通すという前提で、何でこの業界に入りたいのか教えてくれる?」と、半ば強引ながらもざっくばらんな質問をすることもあると言います。真似をしろとは言いませんが、どれだけ人材の素を導き出せるかということに注意して面接に臨むことをお勧めします(例えばグループ面談で無く一対一にするなど)。
中途の場合は会社さんによって聞きたいことの目安が大体ついているでしょう。しかしそれでもリスクとしてあるのは「他社に取られてしまう」ということです。そのために、面接は「人材に質問する」だけでなく「人材の話を聞く」ための場にして、話しやすいリラックスした雰囲気を心がけてあげましょう。それによって人材側も会社に対しての好感度を上げられます。
アピールは人材のために
自社アピールは求人であれHPであれ、会社と人材のために存在します。あまりに事実から離れすぎたアピールはどちらのためにもなりません。一方でリアルすぎては、人材も嬉しくないでしょう。いつも伝えていることですが、求人記事は募集したい人材や職種、年齢層、そして媒体にあわせて毎回変化するべきです。それを目にする人材の気持ち、その人材が日々考えている事まで想像して是非求人記事制作に取り組んでください。