記事を読んでいただき有り難うございます。今回は「インタラクティブ映像」について特集したいと思います。
インタラクティブ映像ってそもそもなんなのか
「インタラクティブ」=「interactive」というこの言葉ですが、文字通りの意味には「相互的に作用する」という意味があります。現在の「VR映像」は、主として自分の前方だけで無く周囲にも映像が作り込まれており、見回すことが出来ることを意味します。つまり、「視界」に依存した現実感がメインです。しかしもともと「VR」には「もう一つの現実」という意味があり、360°映像だけを意味しません。触覚や嗅覚や、聴覚も含めた総合的なリアリティの追求が模索されています。「インタラクティブ映像」は、映像の中の世界に対する操作参加性を意味する言葉なのです。
VRが広げる表現の奥行き
VRは映像の世界に没入できるという点で既存の映像表現とは一線を画します。映像の中に入り込むことで、今までは切り捨てられてきたあらゆる要素が表現の世界に戻ってくるのです。VR映像と言ったときに、視覚以外の要素も含め総合的なリアリティをどのように作るか。そして表現をするために様々なガジェットをいかに組みあわせるかが重要になってきます。
①視線同期によるインタラクティブ性「FOVE」
先日特集記事を書いてのですが、現在話題になっているVRヘッドギアに「FOVE」というものが存在します。FOVEにはユーザーの視線の動きを把握し、映像に反映する事ができます。FOVEは元々、開発者がキャラゲーが好きで、もっと登場人物を心通わせたい!という願望から出来上がりました。目線の動きを反映することは、コンテンツの中に「ユーザーの思考や感情」を反映出来るという点で画期的です。また、この技術は四肢の不自由な人にとっても、視線でピアノを弾けるようになったり、介護状態の高齢者でも、ギアをつければすぐに円滑なコミュニケーションをとれるようになったりと、応用範囲が広い技術になっています。
現在kickstarterにおいて展開中の「Immersit」も、注目の技術です。これはVRの映像に連動して動く椅子なのですが、ゲームや映画のシーンに合わせて振動したり揺れたりします。映画館でも同様のギミックを目にしますが、VR装着により自宅にて同程度以上の没入を得ることが出来ます。
③VR映像の中でのゲーム開発「Unreal Engine4」
ゲーム開発者の間で話題の、「Unreal Engine4」の新機能にも注目です。VRゲームを開発する上で、オブジェクトの設置などの作業を、VRギア装着によりVR映像内にて行う事ができます。VR映像自体は既存の3D映像制作の延長上にて行う事が出来る物ですが、「どこに何を配置するか」「その結果ユーザーから何がどう見えるか」といった点は立体映像になった分複雑性が大きく増します。映像の中に入り込み、直感的に操作が出来ることはデザイナーにとって大きな助けになることでしょう。
現実に肉薄して行く技術の果てに
以上、インタラクティブ映像についていくつかご紹介させていただきました。「インタラクティブ映像」と一口に言っても、用途はこのように様々です。しかし「VR」の定義が「現実に肉薄した表現」であるとするなら、リアリティを増すためのインタラクティブ技術は究極の所一つに収斂して行くのかもしれません。つまり、あらゆるインタラクティブ技術が動員されれば、そこにはほとんど現実と違いのないもう一つの世界が広がっているはずです。2016年は「VR元年」といわれているように、あらゆる新技術・新サービスが展開されていますが、技術革新によるお金の動きが一段落したら、最終的には技術をいかしてどのような表現をしていくのか、という想像力こそが問われていくのではないでしょうか?
最後に、弊社からご紹介のできるVR系の映像制作会社を取り上げます。「株式会社ネストビジュアル」という会社があります。360°VR映像に造詣が深く、VRによるハイクオリティな映像制作に長けている会社です。興味のある方は、下のフォームより要望を誤送信下さい。