「ゲーム業界は人気業界なのに、なんで人手不足なんでしょう?」
先日、とあるゲーム業界関係者から質問をもらいました。「ゲーム業界は人気業界なのに、なんで人手不足なんでしょう?」その方は社員数800名ほどの大きなアプリ会社で働いています。800名もいる会社なのにもかかわらず、体感として「ゲーム人材が足りていない。」と感じている。これはゆゆしき問題です。ゲーム業界の急成長に応じて人材採用や上場ラッシュが巻き起こったいわゆるアプリバブルの時代に於いて、需要と供給が追いついていないのが現状です。ユーザーとしてプレイしていると、度々サーバーがクラッシュしてアクセス出来なくなったり、アップデート期間を置いてようやくプレイ出来たゲームが逆にバグだらけになっていたり、仕様変更が明かに改悪だったりと様々な不便を経験した人もいるでしょう。それらに対してゲーム供給元はアイテムの配布などでお詫びをしながら何とか運営を続けてきていますが毎回の更新作業もままならず少ない期間で大型アップデートを余儀なくされ、ユーザーのほしがるものと会社の採算と人的リソースを全て満たす必要のある現場はもう火を噴いています!!
ゲーム人材はどこにいるのか?
このままではゲーム業界は火の車です。現場からのつらいです!人を増やしてください!という悲鳴を聞いて人事も立ち上がります。そこで募集の候補に挙がるのは大きく分けて3つの方法です。人材紹介・求人広告・人づて。これがゲーム業界における採用の最も多いパターンではないでしょうか。人材紹介のエージェントか知り合いから転職希望の人材を紹介してもらったり、求人広告で自社のアピールを行い、募集をかけるといった手法で自社にあう人材かどうかジャッジしていきます。ところで、弊社ではアニメ・ゲーム・漫画業界のクリエイター採用に専門特化した求人サイトを運営していますが、よく下記のようなお問い合わせをいただきます。「人材紹介に頼んだけど提案自体が来なかった」「知り合いづてで探してみたけどタイミングが合わず、幅広く募集せざるをえなかった」「求人サイトに掲載したが該当する人材の応募がなかった」これは全て同じ状況を表しています。ズバリ、「市場に求める人材がいない」です。
一方でゲーム系職種は人気だと言われ続けています。ゲーム系専門学校のTVCMを目にしたことがある人もいるでしょう。「憧れのゲーム業界へ」「ゲーム業界で活躍しよう」そのためにもまずは技術を身につけられる専門学校へ入学だ。と、これ自体は間違っていませんし技術を身につけないことにはゲーム業界に入るための土台にも立てません。しかし、実際に専門学校からすぐにゲーム業界に入っていける人は稀です。なぜなら、火の車になっている現場で求められているのは即戦力。技術だけではなく、業界の酸いも甘いも知っている業界構造を分かった上でいままでも炎上案件をくぐり抜けコンテンツを形にして世に送り出してきたような老獪な経験者が欲しいからです。ゲーム人材は市場にいます。それこそ、毎年毎年数百から数千人規模で専門学校からゲーム業界に送り出されようとしています。しかし、ゲーム業界の言うところの「該当する人材」はこの中にはいないのです。ここに大きな需要と供給の分断が起きています。
経験者人材が循環され老いていく業界
こうして経験者人材は業界内の各企業を巡り、必要とされているところに流れ流されしていきます。そのスポットスポットを見れば素晴らしい経歴ですし、その経歴を持った人材を確保できた企業は満足します。しかし、経験者の需要が高まり続ける限りもっと良い条件を求めて経験者人材は履歴書に社数を刻み、企業はまた別の会社から経験者が移ってくるのを必死に誘致します。こうして狭いゲーム業界の中で特定の経験値を持った人材だけが複数の企業間を循環されていくのです。ゲーム産業創世記から関わってきたような経験豊富な経営者でも50〜60代の若い産業だからまだいいものの、このままあと20年同じ状況で即戦力だけが求められていくと、いま活躍している30代も50代に。いま50代で社長やりながらも現役プログラマーをやってますなんて笑っている経営者も20年後70代ではコードが読めなくなっているかも知れません。人材不足な気がする・・・と言っていられるのは今のうちだけです。今、業界内を循環してる経験者人材が若い後継者を育てなければ、人材の老いとともに技術は失われ、ゲーム制作自体が衰退してしまうことになりかねません。
「若い人を育てられるのは体力のある会社だけ」という反論が聞こえてきそうですが、大きい会社ほど体力はあれどその分システマチックに分業体制を取っている企業が多いものです。そこで教えられた若いスタッフたちが、小さいソフトハウスでゲーム開発の全てを網羅した働きをしなくてはならなくなった場合、まっさらな頭に1から教えるのより大企業で分業に慣れた人材に教えることの方がよっぽど大変なことは開発会社の経営者であればご理解いただいていることでしょう。短期的な視点で即戦力を求める必要があることは重々承知の上ですが、新人を入れ、育てていくことをしなければ確実に20年後ゲーム業界の破綻は来ます。それ以前に、中小デベロッパーの技術者の高齢化は避けられず受注仕事も獲りづらくなります。仕事が厳しく最後の手段で出向に出そうと思っても、需要があるのは30代までです。
営業でもうまくいく鍵は新人を育てること
全体が「即戦力」需要に覆われているならば、自らもその波に乗るのは辞めましょう。逆に若手の即戦力を育てて送り出すつもりで仕事を教える体制を作れば、開発・制作会社としては各企業から引く手あまたになれます。社内の教育体制を整えることは、ベテランスタッフが人に教えるということを覚えるいいきっかけにもなり、その人材のディレクターへのステップアップの支援につながります。人に教えるのが上手く、人材を統率できるディレクターがいる会社には上流の仕事も舞い込みやすくなります。統率できるディレクターと、技術・経験を実際の仕事で身につけている若手クリエイターを抱えた会社になれれば、息が長くニーズに応え続けられる組織ができあがります。なぜゲーム業界は常に人材不足なのか?を考え、足りないところに手を差し伸べられるかゆいところに手が届く会社はいつの時代においても重宝されるものです。
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