ゲーム ソーシャル、コンシューマー、プラットフォーマー、提携相次ぐゲーム業界、その狙いは

今回は、ソーシャルゲーム業界の再編についてです。昨年、ソーシャルゲーム業界を率いてきた大手プラットフォーマーのDeNAと老舗大手コンシューマーゲームメーカーの任天堂が業務提携を結ぶということが話題なったほか、GREEとLINEも2014年10月に共同出資により設立したEpic Voyageなど、業界の大手企業同士が協業するケースが増えてきています。

ソーシャルゲーム業界は、右肩上がり急成長した分野となり、ゲーム市場全体においても、スマートフォンやタブレットを使ったオンラインゲームの市場は、コンシューマーゲーム市場を抑えて、最も多くのシェアを占めています。その勢いを牽引してきたのが、ガンホー・オンライン・エンターテインメントの「パズル&ドラゴンズ」やmixiの「モンスターストライク」、コロプラの「魔法使いと黒猫のウィズ」「白猫プロジェクト」などになります。しかし、大手SAP各社で、その後のヒット作につながらないという状況に陥っています。「パズル&ドラゴンズ」や「モンスターストライク」が数千万ダウンロードされる一方で、その後にリリースされた作品に関しては、数百万ダウンロードにとどまっているという状況です。

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ソーシャルゲームのトップセールスランキングのTOP10の顔ぶれもほとんど変動がないことが伺えます。(2/5/18:09更新 Top Grossing iPhone Apps 400

大手ゲーム会社の業績は?
ガンホー・オンライン・エンターテインメント
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配信元 ガンホー・オンライン・エンターテインメントHPより

mixi
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配信元 mixi HPより

コロプラ
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配信元 コロプラHPより

LINE
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配信元 LINE HPより

グリー
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配信元 グリー HPより

DeNA
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配信元 DeNA HPより

任天堂
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配信元 任天堂HPより

大手のSAPのガンホーを除けば、ネイティブアプリを扱っている、LINE、mixi、コロプラと順調に業績を伸ばしています。一方で、プラットフォーマーのDeNAやグリー、任天堂は苦戦を強いられています。そこで考えたのが、SAPとの業務提携になります。

shutterstock_300062624業務提携をする両者のメリットは

競合会社にもかかわらず、業務提携をする以上お互いにメリットがなければこのようなことはありません。それは、自社の弱い部分を補え合えるということです。大手のSAPは、次なるヒット作が生まれないという悩みがあります。そして、一番手堅くヒット作を狙う方法の1つが、人気の版権(IP)を使うことです。先ほど紹介したトップセールスランキングを見ていただくと、TOP10の中の「ドラゴンボールドッカンバトル」「LINE : ディズニーツムツム」「実況パワフルプロ野球」「Fate/Grand Order」「星のドラゴンクエスト」「アイドルマスターシンデレラガールズスターライトステージ」の6タイトルに関しては、もともとの人気なIPをソーシャルゲーム化したものになります。その傾向が見受けられるため、大手のSAPは人気のコンテンツを持っているところと提携しています。

DeNAと任天堂が提携したのも、「マリオ」などの人気IPを使用したソーシャルゲーム化もできるようになります。DeNAは、以前にもスクウェアエニックスと共同で「FINAL FANTASY Record Keeper」をリリースし、20位前後で推移するなどして、IPもののソーシャルゲームの好調さが伺えます。一方、コンシューマーゲーム会社のメリットは、ソーシャルゲームのリリースに踏み切れるということが最大の要因です。ソーシャルゲーム開発は、コンシューマーゲームと違い、インターネットを使った通信が非常に大きいです。

そのため、今までになかった通信の技術やプレイヤーがゲームを楽しんだゲームの情報をサーバーに集約し、保存管理をする必要が出てきます。しかしながらこれまでの開発は、パッケージを完成させて発売し、用途に合わせてDLC(ダウンロードコンテンツ)の製作を行うということだったので、通信のウェイトを置いた開発は行ってきませんでした。また、ソーシャルゲームの課金システムやレベルデザイン、リリース後の運営に関してもノウハウやスタッフがいないためなかなか開発に踏み切れないということがありました。それらの点で、両者の利害が一致し、業務提携に至りました。

ガンホー・オンライン・エンターテインメントも海外の大手ゲームメーカーのゲームロフトと提携をして、ゲーム開発を行います。ゲームロフトは世界でも人気な「ディズニー:マジック キングダムズ」というIPがあるため、それを使用したパブリッシング展開ができればと考えています。

ゲームロフトとガンホーが戦略的業務提携を発表。協業タイトル第1弾「ディズニー:マジック キングダムズ」の国内パブリッシング権をガンホーが取得
https://www.4gamer.net/games/999/G999904/20160202046/

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業務提携からこのようなコンテンツが生まれた

そして、1年ほど期間をかけてようやく形になったのが2例あります。

LINEとグリー、ゲーム事業で協業 開発力とユーザー基盤生かす
https://news.biglobe.ne.jp/it/0205/imn_160205_2531171811.html

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グリーのアプリ開発スタジオ「Wright Flyer Studios」が開発・運営するコンテンツを「LINE GAME」のプラットフォーム上で提供する。
両社が2014年10月に設立した合弁会社「Epic Voyage」を通じた取り組み。グリーの開発力とLINEのユーザー基盤という両社の強みを生かし、事業展開を加速させる狙いだ

引用終わり

Wright Flyer Studiosは、「消滅都市」などの人気タイトルの開発経験も企業、一方、LINEは「LINE GAME」という自社プラットフォームを持っており、「ディズニーツムツム」など人気アプリを多数保有しています。

会員サービス「My Nintendo(マイニンテンドー)」とスマートフォン向けアプリ『Miitomo(ミートモ)』のご紹介
https://topics.nintendo.co.jp/c/article/bf559fa5-c9a3-11e5-baa2-0a6d14145cb1.html

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「マイニンテンドー」では、これらのサービスに加え、3月から新たにポイントプログラムをはじめます。
このポイントプログラムには、スマートフォン向けアプリを遊んだり、ニンテンドーeショップにログインしたりするともらえる「プラチナポイント」と、「マイニンテンドー」サービス開始後にWii Uや3DSのゲームをダウンロード購入するともらえる「ゴールドポイント」の2種類があり、それぞれ交換できるものの内容が異なっています。

中略

次に、任天堂初のスマートフォン向けアプリ『Miitomo』についてです。
『Miitomo』は、自分にそっくりな似顔絵キャラクター“Mii”の質問に答えると、その答えを話題にして友達に広めてくれる、無料で始められるコミュニケーションアプリです。
この『Miitomo』、3月に配信開始を予定していますが、2月17日(水)から事前登録がはじまります。
事前登録をしていただくと、配信開始時にお知らせが届いたり、「マイニンテンドー」のポイント(プラチナポイント)がもらえたりします。

引用終わり

任天堂としては、初のスマートフォンアプリを出すにあたっての新しいポイントプログラムの紹介とアプリの事前予約開始を予告するニュースを配信しております。

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業務提携の流れはまだ続きそう

大手SAPやコンシューマーゲーム、プラットフォーマー各社の提携が相次ぐということは、市場としてもほぼ飽和状態となり、新規のユーザーの獲得が困難となっているのでしょう。そのため、オリジナルのIPを育てるよりは、既存の人気IPを使用し、そのIPのユーザーを取り込んだり、もともとアクティブユーザーが多いプラットフォームに、開発、運営力のある企業のアプリを投下し、さらなる収益を狙うといった戦略とられるのでしょう。今後もこのような大企業同士の提携は増えてくるのではないでしょうか。人気のIPのライセンスを持っている企業にとっては有利に働くかもしれませんね。

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