「うちはそんなに大きい企業でもないし、実績も出せないから求人広告に出しても応募が来ないんだよねぇ・・・」受託開発会社の社長がよくいう言葉ベスト3には入る言葉です!私はアニメ・ゲーム・マンガ・遊技機業界のクリエイター採用専門求人サイト『ラクジョブ』を取り扱い始めて6年間、おそらく100回以上この言葉を聞いてきました(笑)
その上でお伝えしたいのが、
「いえ、実績があまりない企業ほど求人広告に出した方が良い人が採用できます」
ということなのです。
よく上記のような社長が引き合いに出すのが人材紹介です。
「人材紹介だったら、本当にうちに興味のある人しか提案してこないし、決まってからお金が発生する成功報酬型だから、安心」
では、「最近提案きますか?採用はできましたか?」こう聞き返すと「ぐぬぬ」となってしまう確率、8割。まれに人材紹介で数名採用しましたよ!という企業もいることにはいますが、8割方「採用までには至っていない」そのうちの7割「提案すらここ数ヶ月きてない」と言う状況。
ゲーム業界内で人材紹介が最も活動していたのは某社さんが
「ゲームディレクターをバンバン採用します!!就職お祝い金付!!ゲーム業界出身者ならディレクター経験無くてもいいので経験者どんどん引っ張ってきて下さい!!」
と大々的キャンペーンしていた頃です。
某全業種向け最大手求人サイトには、この企業のあらゆる職種の募集が常時10職種以上掲載されていて、2011年には自社に紹介してくれた人材数が最も多い企業を「人材紹介賞」として表彰しています。しかし、それから2年後の2013年には人材紹介から集めた人材を一気に200人放出することになってしまいます。
これは、人材サービス最大手のリクルートホールディングスが発表した人材サービス産業の市場規模一覧表ですが、見ての通り年間取り扱い求人数に対しての年間就業者数は求人広告で約40%、人材紹介で約18%です。
つまり、人材業全体から見て採用完了後の出来高制にも関わらず採用が決まる確率が低いのが人材紹介業なので、求人広告の2,3倍頑張っても採用が出来にくい=売上があがりにくいということになります。
さらに、これを利益の観点で見ると
人材派遣会社 利益率1〜3%
人材紹介会社 利益率5〜10%
求人自社メディア運営会社 利益率30〜50%
という開きがあります。売上だけではなく、利益の観点から見ても人材紹介は求人広告に比べると5〜10倍利益が上がりにくいんです。つまり、売上は上がりにくいわ、利益は出にくい・・・それが人材紹介なのです。(じゃあ、なんで求人広告を皆やらないのか?というと自社メディアはハイリスクハイリターン!失敗したときのリスクがでかくて大手でも中々参入しません)
そういった事情も鑑みた上で、今までどんどん採用してくれていた最重要顧客がいきなり「200人希望退職募るから人はいらない」と言い出したら、人材紹介業者から見たらたまったものではありません。同時に、「同じ業界の会社には提案しても採用になりにくそう=売上にならなさそうなので、他の所に提案に行こう」と考えるのは企業として当然のことです。
こうした事情がわかったうえで、現在の状況を見ると納得がいくはずです。全てが某大手企業の大幅人員削減のせいだとは言いませんが、御社に最近人材紹介の提案がほとんどないとしたら、それが原因の一助を担っていると言っても過言ではないでしょう。
また、人材紹介では優秀人材へのスカウトが主なフローになりますが、優秀な人材は当然他のエージェントにも声をかけられていますので、提案があった中から最も条件がいいものを選ぶと言ったことが可能になってきます。
人材紹介業者の担当社から見たら、どんなに優秀な人材でも結局最後に選ぶのは1社のみ。(しかも、選ばないかもしれない)選んでくれるんだったら、高い年収を出せるところを選んで欲しい!年収の30〜35%が紹介手数料の平均なので、高い年収設定であればあるほど、人材紹介業者の取り分が増えるのです。そうなると、自動的に細々とやっている中小企業は提案先からはじかれます。
とはいえ、どうしても急ぎで欲しいんだとせっつかれる場合は、ぎりぎりスキルに会う人材を探してきてねじ込もうとすることも多く見られます。そして、それは人材側にはバレています。「あなたに興味を持っている企業がいます!!ぜひ面接を!」と言われても自分にはそんなに特筆したスキルも無いし、面接してみたら明らかに「興味を持っています」という感じでは無かったぞ・・??と。それでもどうしても転職したい場合にはそのまま入社することもありますが、自分で選んだ会社なわけでもないのに、口車に乗せられて面接に行って「何か違う感」を感じたら、大体の人材は入社しませんよね。
そういった意味でも、中小のゲーム開発デベロッパー企業には求人広告がオススメなのです。
まず、自社のHPでは実績が載せられないためSEOが弱く、検索に上がってこないような企業でも、もともとSEOが高い「ゲーム プログラマー」「アニメ 制作進行」「ゲームタイトル○○」などの検索ワードが集まった総合サイトに掲載されることによって、会社への注目度が高まります。中小企業の求人において、まずは露出が増えることが重要です。裏方でエンドロールに名前が載っていない会社ほど、他人のふんどしを借りてでも社名を認知させることが必要なのです。
そして次のポイントとしては、「求職者側が選ぶ」ということにあります。前述したように、間に入る人間の思惑に動かされて絶望している求職者が何を求めるかと行ったら、自ら、自らに合う会社を探すことなのです。そもそも今所属している会社から離れたいと思って転職活動を始めているはずなので、より「自分に合う会社はどこか」という意識が強まっています。そういった人材がまず行うのがネットでの情報収集です。
引用元 DODA 求人情報ツール徹底活用法
https://doda.jp/guide/manual/2/01_003.html
にも最初に載っていますが、やはり現在在職中やあまり時間が無い人にとって24時間閲覧できるネットの情報や求人サイトが便利のようです。
・どんなゲームを作っているのか?
・会社は有名か?
だけを軸に転職活動をしている求職者が圧倒的に多いなら、求人サイトなど見ずに有名企業のお問合せフォームに履歴書を送ればいいわけなのですが、そうではなく求人サイトという業態が成り立っていて、上記のリクルーとの調査結果の表の通り、全掲載数の40%が就職に結びついているのであれば、決して「有名企業に人材が採られて中小デベロッパーに応募が来ない」という結果にはならないはずです。
最初の台詞、
「うちはそんなに大きい企業でもないし、実績も出せないから求人広告に出しても応募が来ないんだよねぇ・・・」
には、社長の自信のなさと、自信が無い故に先行投資ができない言い訳がつまっているのです。では、自信を持って求人サイトを利用してみましょう!!!!・・・と言いたいところですが、少し待ちましょう。ただ単に自信を持って求人サイトを利用してみたとしても、うまくいきません!!!
え?聞いてたのと違うって?
いえいえ、私は何も、「自信を持ってただ求人サイトに掲載して待ってれば良い人採れますよ」なんてことは一言も言ってません!
求人サイトをうまく活用して採用を成功させるにはコツがあります。それは、
・求人サイト自体の情報更新をマメに行うこと
・自社のHPの更新を求人サイトの情報と合わせて行うこと
・人間味・人情味を出すこと
です!
まずは基本ですが、求職者は転職する会社の情報を集める際、面接までの間はネットでの情報収集が主になります。ということは、求人サイトに載せている情報があまりにも一般的だったり、ウソだったり、抽象的すぎたりすると、興味を持ってもらうに至りません。開発会社であるが故に、開発タイトルの名称などいかにも興味を持ってもらえそうなところは書けないにしても、数名の人員が揃って組織になっているはずなので明らかに他と違う色は出ているはずなのです。
そういった、企業の風土だったり「自分たちはこういう集団だ」という色を出して行くことが自社に興味を持ってくれる人材を集めるのに非常に効果的です。求人広告は、良くも悪くも同じ職種を募集している他の企業が上下にひしめき合う構成になっています。
そんな中で、掲載されている会社が全部
・明るい社風です ○○株式会社
・楽しい社風です 株式会社○○
・働きやすい職場です ○○inc,
のような抽象的かつ当たり前なキャッチコピーだったら、全然明るさも楽しさも感じないし、おもしろみがありません。
では、
・明るい社風です ○○株式会社
・【採用率90%!!】ゲーム業界以外でも、コミュ障でも大丈夫☆ 株式会社○○
・働きやすい職場です ○○inc,
だったらどうでしょうか?圧倒的に2行目の会社が気になりませんか?
一文の中に結論:採用率90% 結論の裏打ち:ゲーム業界外でもコミュ障でもOKという打ち出したい強みと、納得感を織り交ぜるキャッチコピーで、「なんで業界外でもコミュ障でもOKなの??どんな会社だ?」
と思わせたら、採用活動は勝ったも同然です。有名な開発タイトルや実績、会社規模などは全く必要有りません。そして大事なのが、これが「求人広告向けの客寄せパンダ的コピー」と思わせないように、自社HPもキャッチコピーとリンクさせる内容に更新しておくことです。上記の例でいうと、業界外から転職してきたけど活躍している社員のインタビューを載せるとか、コミュニケーションが必要ない個人の作業スペースが確保された写真を貼り付けておくとかが具体的な策になります。
全社としてそういう風土なんだと印象づけて、興味を持ってもらったら、人生を過ごす、働く場としてデスクを並べる仲間はどんな雰囲気か?長い時間を過ごすのに気持ちいい雰囲気か?といった人間味・人情味を出すことも忘れないで下さい。会社は場であり、本質はそこに集まる人で決まります。より雰囲気に合った人が入る方が、求職者側も企業側も仕事がやりやすいはずです。
こうした情報を小出しに、各側面から1記事1テーマで出して行き、応募の状況を見ながらまた次のテーマに書き直すと言うことを掲載期間中にマメにトライ&エラーで繰り返していきます。人によって「良いか悪いか」の尺度はそれぞれ違います。企業側が提供する「うちの会社はここがいい!」という情報も求職者から見て魅力的に映らなければ意味がありませんので、反応が悪かったらためらわずにどんどん変えていきましょう!
文章や内容が変われば、それだけ情報を求めてサイトを見に来た人の目にとまるようになります。
具体的には
「プログラマー募集」
「エンジニア募集」
「ゲーム開発やらないか!?」
ほぼ同じ事を言っている文章ですが、これだけでも3者3様に、普段使っている言葉の重要性によって個人の目に留まるワードは違うのです。
特に有名タイトル実績もない、ネームバリューもない。そんなゲーム開発企業が採用成功するためには
・求人サイトを使え!
・記事の情報更新をマメに行え!
・自社のHPの更新を求人サイトの情報と合わせろ!
・人間味・人情味を出せ!
これができれば採用名人です!ぜひ試して見て下さいね!!
求人に関するお問合せはこちら