マジコンってなに?
マジコン画像は任天堂が配信元です。
みなさんはマジックコンピューター、通称「マジコン」という装置があったことはご存知だろうか。そもそもマジコンとは、ゲームインターフェース合わせて作られたバックアップのための装置です。そもそもは、データのバックアップや同人ゲームで使用するために作られました。しかしながら、これが出回った当時、販売されているゲームを違法コピーし、無料で遊ぶという行為が頻発したため、任天堂をはじめとしたゲームメーカーが不正競争防止法違反ということで、マジコンの輸入業者や販売業者を訴えたということがありました。
任天堂のマジコン裁判、最高裁でも勝訴が確定 「ゲーム業界全体にとって極めて重要な判決」
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引用はじめ
任天堂は、マジコンの輸入業者と争っていた裁判で、最高裁でも勝訴したと発表しました。ニンテンドーDS向けのマジコンと呼ばれる機器を巡る裁判では、三審とも任天堂の主張が認められた形です。
中略
任天堂はこの決定に対し、最高裁判所および知的財産高等裁判所がマジコンによる被害を明確に認めたことが「正規ゲームソフトの販売業者である当社がマジコンの輸入販売行為により相当額の損害を被ったこと及びマジコンの輸入販売業者である被告が当社に対して上記の損害賠償責任を負うことを認めた点に画期的な意義があり、ゲーム業界全体にとって極めて重要な判決・決定であると認識している」
引用終わり
今回、2009年2月の東京地方裁判所のマジコンの販売停止命令から丸7年が経とうとしています。そしてその結果が、任天堂の損害額の約1億円の損害賠償とマジコンの輸入販売の差し止めになります。賠償額に関しては任天堂の資本金や総資本額から見たらほんの少しですが、このような発言とするということはもっと重大なことが背景にあります。そのことに関して考察いたします。
消費者の視点から見たら、「違法だろうと無料でゲームができて楽しい、私一人くらいやっても大丈夫だし、ばれないでしょう。」と思うかもしれません。しかし、コンテンツ業界で違法コピーが常習化した時にどのようになるかというのは想像がつくでしょうか。それが最も進んでしまったのが、音楽業界です。以前はCDに音楽が収録され、CDプレーヤーで聞いたり音楽レコーダーを使ってということをしていました。そのため、一度インポートすると、CDに焼いて他人に渡したり、ネット上にアップしたりということが可でき、楽曲を買わなくても、インターネット上からタダでダウンロードできるから買わなくてもいいかということになりました。
その風潮はこちらでも・・・
ケチと言われたLINE MUSICが教えてくれた日本の音楽の未来
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LINEは、2015年6月から、月額を払うことでダウンロードし放題(サブスクリプション形式)という音楽配信サービスを始めました。それにともなって、最初の2ヶ月間は、無料のトライアル期間にしました。もちろんその期間後は、月額料を課金してのサービスになるのですが、移行直後は、「なんで有料にするんだ」「ケチ」などと言われたそうです。この記事のインタビューされた人も書かれていましたが、ユーザーがお金を払って買った音楽がアーティストの次の活動資金になっていることへの意識が低いということをいっていました。大手の会社に所属をしていれば、ある程度の収入はあるかもしれませんが、音楽家にとって、音楽を作り、CDを売ってその売り上げの一部が収入として入ってきます。音楽はお金ではないという人でも、音楽の評判というものは、いくら話題になっても定量的にいいかを判断できるのがCDの売り上げやiTunesなどのダウンロード数です。そのため、いい曲だと評判になっていたとしても、売れていなければよかったのかという判断材料として音楽家は見ることができません。音楽家の中には、それで次の曲を作るのに躊躇してしまうという場いいもあるみたいです。
劣化 or 類似品
この音楽業界のことはゲーム業界にもつながるのではないでしょうか。今回のゲーム機はDSで、ソフト1本あたり開発費としては、数千万から1億程度、1年以上の開発期間を経て制作されます。そこには、プロデューサー、ディレクター、プランナー、プログラマー、デザイナー、デバッカーとたくさんの方が1年以上かけて作っています。そして多くのクリエイターがどうしたらみんなに楽しんでもらえるか、喜んでもらえるかということを考えて作っています。今回任天堂への損害賠償額が約1億円なので、開発費としてはソフト1、2本相当ですが、販売数で換算すると2万本ほど少なくなってしまったことになります。もし違法コピーが常習化し、ゲームの販売数が減ってしまったら・・・ゲームクリエイターのモチベーションの低下につながるでしょう。そして話はこれにとどまらず、売り上げが上がる見込みの薄いものには予算の締め付けが厳しくなり、クオリティーの低下、無難に売れるシリーズ物ばかりとなり、オリジナルタイトルへの挑戦がしづらい状況となります。そうなったら、定番タイトルばかり、クオリティーのあまい作品が多くなってしまいます。そうなったら確実かつ急速にゲーム業界は衰退するでしょう。
草木に水ならぬ、コンテンツに投資をして育てましょう
アニメやゲームや漫画などのコンテンツ業界、自分だけが楽しければいいやという考えを続けていると、そのしっぺ返しとしてそれ以降に出てくる作品はどんどん劣化したり、そこそこ売り上げが見込めるものへとパターン化していきます。そのような状況に陥らないためにも、次回作への期待を込めた投資という視点を持ってコンテンツを楽しんだ方がいいでしょう。
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