現在、日本の雇用者数は5676万人(総務省統計局 労働力調査 2015年11月分)となっています。しかしながら、少子高齢化による労働力の低下以上に、職を失う使途が増えるのではないかという予想が立てられました。
その要因が、業務のオートメーション化です。近年のAI、人工知能やロボットの発達により近い将来、オートメーション化する可能性の高い職業、逆にオートメーション化しにくい職業がなんなのかを野村総研が推測しました。
労働をする上で、人だけでは到底動かせない力仕事や危険な仕事は、ロボットが多く使われています。重機や工業製品の製造ラインに使われているロボット、運転手によって動かすものもあれば、プログラムで常に一定の動きをするロボットもあります。
2014年には、ソフトバンクグループが、人間と会話、対応するためのロボットペッパーを開発しました。そして、インターネット経由で「クラウド」に接続することで複雑な処理を行い、会話や行動が可能になりました。
去年の7月には、福岡駅でこんな試みも行われておりました。
その発想はなかったー天神駅、「ティッシュ配り」のため新鋭ロボット「ペッパー」投入
https://ennori.jp/3405/pepper-in-tenjin-station
現代の技術でもこの程度の単純作業はできてしまいます。じゃあ20年後はと言われれば、その領域はかなり広がるでしょう。
日本の労働人口の49%、人工知能・ロボットで代替可能に 10〜20年後 NRI試算
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1512/02/news111.html
引用始め
野村総研は、12月2日、10〜20年後に国内労働人口の49%にあたる職業について、人工知能やロボットで代替される可能性が高いという推計を発表した。
独立行政法人・労働政策研究・研修機構の「職務構造に関する研究」が分類した601種類の職業について定量分析データを使って分析した結果をまとめた。
人工知能やロボットで代替される可能性が高いのは製造や販売などの現場作業が多く、可能性が低いのはクリエイターや研究職、医者や保育士などだった。必ずしも特別な知識・スキルが求められない職業や、データの分析や秩序的・体系的操作が求められる職業はだいたいのか農政が高い傾向にある一方、抽象的な概念の知識や他者の理解、交渉などが必要な職業はだいたいが難しい傾向にあるという。
NRIは「あくまでも技術的代替可能性」について推計したものであり、「実際に代替されるかは、労働受給を含めた社会環境要因の影響も大きいが、今回の試算にそれらは含めていない」と説明している。
引用終わり
こちらの記事では、クリエイターは、人工知能やロボット等による代替可能性が低いということが書かれていました。では、上図には、アニメゲーム漫画業界に関係する職業にはどんなものがあるでしょうか。代替可能性の低い100種の職業には、アートディレクター、グラフィックデザイナー、ゲームクリエイター、作詞家、作曲家、雑誌編集者、シナリオライター、デスク、フリーライター、プロデューサー、漫画家、ミュージシャンの13職種でした。こうしてみても改めてクリエイティブな業界だと感じました。
一方、厳しい状況に置かれるのが、代替可能性の高い100選に選ばれた方達でしょう。NRIの調査では、社会的環境を含めていないと安心している人もいるかもしれないが、実はその懸念材料はあります。それが、残業代の実質的値上げです。
経営者のための労働基準法〜休日について 平成◯◯年から残業代値上げ?
引用始め
残業代が実質値上げへ
更に中小企業にとってかなり厳しい話として、これまで中小企業には猶予されてきた60時間以上の残業に対する賃金の割り増しについて、平成31年から大企業と同様に導入されることが決定しました。中小企業といえども月の残業時間が60時間を超過した場合、5割増しの賃金が発生します。特に納期直前に業務を詰めることはありますが、60時間を超過して日曜日も出勤した場合や深夜労働をさせた場合、そこに25%が更に加算されます。使用者にとっては残業代の計算をしたくなくなる状況です。それがあと3年で導入されますので、今のうちから業務フローを見直しておかないと、残業代が雪だるま式にふくれあがります。
引用終わり
中小企業も大企業と同じように、平成31年より残業代の割増が導入されることが決まっています。中小企業の労働者にとって、残業代の値上げは、賃金の値上がりに繋がるので嬉しいことかもしれません。しかし経営者から見たらすごく大変なことです。60時間の超過で5割増、休日出勤でさらに25%増しとなります。そのため、大きく利益をでている会社であれば、利益が目減りする程度で済みますが、薄い利益の中でなんとかやっている会社には経営に関わってきます。社内の体制や従業員の雇用契約から考え直さなければなりません。ちなみに先ほど紹介したティッシュ配りをするペッパーは時給1500円ほどで換算できるそうです。それを考えたら、アルバイトのみの編成、安い賃金の外国人の雇用、人工知能のロボットによるオートメーション化という考えに至ってくるかもしれません。
これから就職や転職を考えている人は、クリエイター、編集者、プロデューサーのような抽象的な概念の知識や他者の理解、交渉などのスキルを必要する職業の方が安定した職業になっていくかもしれません。
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