敵を知り己を知れば百戦危うからず
1月も半分が過ぎました。1月は特に過ぎるのが早い感じがします。これから遊技機系の案件も少しずつ増えてくるのかなという状況ですので、よりみなさんが仕事を受注しやすくなるように情報を配信していこうと思います。
今回は自己分析の重要性と言うことで、具体的には自社の強みと弱みをしっかりと把握しているかということと、打ち合わせの場でそれをしっかりと相手に伝えていきましょう、ということです。強みと弱みについてまずは考えていきましょう。
的外れな回答とは
自社の強みは何ですか、という質問は営業先で幾度となく繰り返された質問だと思います。ゲーム開発会社でよくない回答の一例を挙げてみましょう。
「ゲーム全般どのプラットフォームにも対応できまして、やったことのないプラットフォームでも最初少し時間はかかりますが、作れないことはありません。最近はスマートフォンゲームの開発実績も多く、特にUnityを使用した3Dゲームの開発はかなりの数をこなしています。」
これのどの部分がいけないのでしょうか?一番肝心なこととして、強みは何ですかという質問に答えているようで答えていないということです。最近の実績は聞けましたが、何が強いのか結局わからないままです。わかったことといえばだいたいどのプラットフォームでも開発は可能で、未経験のプラットフォームは少し時間かかるけど対応可能ですということです。でも得意としている部分がなんなのか全くわかりません。なぜこのような回答をしてしまうのかというと、原因は大きく分けて二つあります。
いつまでたっても連絡が来ないわけ
まず一つ目は自社の強みの分析をしっかりと出来ていないため、明確に回答できないということです。実際多くの制作会社に尋ねても、では他の制作会社とどこが違うのですか?と聞いても論理的で明快な回答が出ることはあまりありません。多くの会社はたいていなんでもできますと答えてしまうので、それでは差別化できず、ある案件が発生したとしてもなんでもできますという会社よりも得意ですという会社にまず相談がいきます。自分が発注側であれば当然の心理です。
続いて強みという形で明確に伝えてしまうと、強みにあげなかった部分の仕事がもらえない可能性を回避するためにあえて明言を避けているということです。明言を避けたが故に受注できなくなっていると言うことをまず知ってほしいと思います。先ほど例にも挙げましたが、得意な会社と普通という会社と不得意な会社があれば、真っ先に相談するのは得意な会社です。
普通の会社はどんな案件が発生しても得意な会社の後に相談が行きます。得意な会社があえて受注しなかった案件というと、それは予算的に厳しい案件であったり期間的に厳しい案件であったり、なにか受注しなかった理由があるはずです。その時点ですでに利益率も低そうだし、なにより炎上する可能性もある危険な案件です。それしか選択肢にあがってこなかったら受注せざるを得ないのですが、そもそも条件的に厳しい案件だから余計に会社としても苦しくなってしまいます。得意と不得意を明言していないと、案件の条件面でも不利になってしまう可能性が高いのです。
最初に相談が来る会社になるために
だからこそ、自社の強みと弱みをしっかりと分析した上で、クライアントにそれを伝えましょう。できないことをできないというのは、普通の会社があまりやっていないことです。たいていはできるということを前面に押し出しすぎて何が得意なのか、何が苦手なのかよくわからないまま初顔あわせが終わると言うことが往々にしてよくあります。
できないということを伝えることで信頼された事例もあります。私がマッチングをした遊技機の映像制作をメインに行っている会社同士の引き合わせでは、この部分は出来るがこれは出来ないということを最初からはっきりと伝えていました。具体的に制作実績を示しながら、このクオリティでいいなら対応可能ですが、ここまでのクオリティを出すのは難しいと伝えました。一方で、同じ時期にそのクオリティで作品ができますといった会社がありました。できるといったのだから試しに発注してみたところ、クオリティに全く達することなく先に受注側がさじを投げてしまいました。その結果、最初から出来ないといった会社には、クオリティラインを下げたものを依頼したところ、しっかりとあがってきたので、更にその後も取引が続いているそうです。
できないのにできるといって受注すると、本当に限界を突破してクライアントの満足するレベルまで仕上げて納品できればいいですが、そうではないなら最初から得意分野と不得意分野をしっかりと明言しておいた方がお互い取引する上でも迷惑もかからないし、良い関係を続けることが出来ます。
信頼関係ができあがれば、不得意分野であったり未経験の分野であっても、業務的には実績もあるし発注すると言うこともあるかもしれません。ですが、知り合った直後はお互いの情報が白紙の状態です。そんなときに見栄を張ってもいいことはありません。お互い信頼を築いていくためにも、いい仕事をして成果を出していくためにも、本当のことを伝えていきましょう。それが一番仕事を受注しやすくなる道だと思います。