こんにちは、ビ・ハイアの床井です。今回の記事は弊社主催の交流会に参加する会社のご紹介をしたいと思います。弊社の交流会には200社以上の参加がありますが、毎回開催する度に初めてお会いする会社とは事前に挨拶をさせてもらっています。どんな会社にも創業に至った理由、大事にしているものがあります。そんな1つ1つを洗い出し、こうして記事にしていく事がビ・ハイアの交流会の価値を作っているのです。
今回はベテランが多かったです
今回の参加者は、「株式会社ラプソディ」の葦澤社長さま、「有限会社ほーむるーむ」の湯浅社長さま、現在フリーランスとしてイラストレーターをしている中根正章さまのお三方でした(写真左からの順番です)。
ラプソディは音楽制作と演奏家のプロ集団で、代表の方はベテラン中のベテラン音楽家です。遊技機メーカー山佐でのプロデューサーを10年勤めた他にも、幅広く音楽活動を30年近く続けてきた方です。
株式会社ほーむるーむは有名イラストレーター長野剛さん(信長の野望を手がけたイラストレーターの方です!)を抱えている、これまた老舗の会社です。(左の画像はホームページから。)フリーランスの中根さんは元々ソシャゲの大手会社で務めていましたがイラストレーターとして独立。
3人とも業界を知り尽くし、まさに今のアニメゲーム漫画業界を担っていると言えるような3人でした。今の時代の仕事の仕方や営業の話や、若いクリエイターとのコミュニケーションなど、自由闊達に語り合った1時間でした。
メーカー会社のディレクターとの戦い
イラスト業界である中根さん、湯浅さんと音楽の会社である葦澤さんの間で、意外にも共感を呼ぶ話題がありました。それはスマホゲーム会社との外注のやり取りについてでした。受託の会社にとって何が一番困るかと言えば、メーカー会社とのやりとりで、向こうの要望に振り回されてしまうことです。特に独立したての会社など、体力の無いうちはこれが致命傷になりえます。
仕事を振る方が現場の作業実態を良く把握していなかったり、まだ若い担当者だったりすると、窓口でのコミュニケーションロスから予算が膨れてしまったり工数が伸びてしまったりする結果にも繋がります。特に出来たばかりのスマホゲーム系の会社に多いですよね、と盛り上がりました。
その点遊技機メーカーでの経験もある葦澤さんは「戦い慣れている」ようで頼もしい印象でした。「ゲームの開発にしても、音楽だけは予算が別口になる傾向がある。有名な声優を起用したり、有名な作曲家にお願いしたり・・・。意外と権利関係が面倒くさいんです。正面玄関からお願いするより、業界の事がわかっている人が渉外に付く方がいいですね。手の内がわかるので予算を圧縮出来ますから。」と葦澤さん談。渉外窓口に、現場での作業工程もわかり、権利関係もわかり、統率力のある人が付くと話がすごく早くなります。しかしそれだけの実力は一朝一夕では身につかないのも事実。そんな時に経験たっぷりな人と繋がりを持っておくことは大事な事です。音楽ならあの人、デザインならこの人と、自分の中で人脈ができていると良いですね。そんな人脈形成にもビ・ハイアの交流会は役だったりします。
※ ちなみに、遊技機メーカーで長年やってきた人は、渉外にも強いし、デザインであれ音楽であれ、仕事の技術も幅も広く優秀な方が多い印象が有ります。炎上が多く過酷な現場が多い分鍛えられているのでしょうか。
話はクリエイターのジェネレーションギャップに及んだ
有限会社ほーむるーむさんは、「信長の野望」などを手がけた長野剛さんが在籍する会社です。私がよく遊んでいたプレステの「デジモンワールドシリーズ」の書籍の絵もこの会社が手がけているのだとか(!)。確かに初期のデジモンの書籍の絵がリアルで迫力があった記憶があります。こんな迫力のある絵柄は今余り見かけませんね。一体どうやってこんな絵柄を身につけられるというのでしょうか。そんな話題も上がりました。
「今は少子化も進んでいますし、若い層と団塊の層とで連携が取りにくい職場が多いんじゃないでしょうか。」私がそう発言すると、「確かにそういうのはあるかも知れませんね。それと技術の違いもあるのかも知れない。昔であれば一から覚えなければ行けなかったプログラミング工程も、今はプリセットされているから」と葦澤さん。確かに、50代以降の脂ののったクリエイターの作るものと、若い層の作るものには明らかな断絶を感じます、それは人口構成もあるでしょうし、デジタルネイティブかそうでないか、という違いもあるでしょう。使うツールも違います。
この話から発展して、「昔の本作りやイラスト作り」という話題にも発展しました。ほーむるーむの湯浅さん曰く、「昔は同人誌を作るのに、いちいち紙を裁断していたのです。その作り方の本がまだ残っているのですよ」と言いました(左の画像を参照。リンクでAmazonに飛びます)。手間暇をかけて一冊の単行本を織り上げ、コミケに出す。今であれば作品をリリースするのには電子プラットフォームでアプリでワンストップでリリース出来ます。デジタルネイティブ世代からは、手間をかけてコンテンツを織り上げていくという体験自体が羨ましく感じました。
私の様な若い世代は、上の世代が作った名作を色々なチャンネルで無造作に見て育った世代です。しかしそれを作った憧れのクリエイターが、何を考え、どうやって作品を鍛えて行ったのか。それはなかなか私達には想像も付かないことです。この「同人誌の作り方」のような資料がまだ手に入るということは、若いクリエイターにとって最高にして最後のチャンスなのかも知れない。そんな事を思った夜でした。
・・・素敵な会社が次々参加表明しています。この記事に少しでも心動かされたなら参加してみませんか。ビ・ハイアの交流会は完全に無料です。
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