記事を読んでいただきありがとうございます。ビ・ハイアの床井です。今回の記事は「社会の電子化とアニメゲーム漫画」について記事を書きたいと思います。
電子化する社会
突然ですが皆さん、「IOT」という言葉を知っていますか。今や日常語ともいえるので、知っている人も多いと思います。これは、「Internet of Things」すなわち「モノのインターネット化」を意味する言葉です。自動車のカーナビもネットに接続され、監視カメラもネット接続され、飼い犬につけたGPSもネット接続されている最近の状況を見ればわかるように、今やあらゆるものがインターネット化しています。ネットに繋がるということは何を意味するのでしょうか。第一にモノの一部ないしは全体がデジタル化します。第二に、情報処理が高度化し、新しい情報が次々に産み出され人間を助けてくれる様になります。
アニメゲーム漫画業界もこんなに変化してきた
アニメゲーム漫画業界も例外ではありません。いくつか例を挙げてみましょう。ソシャゲの1ジャンルに、「位置ゲー」なるモノがあります。写真のゲームは「アイドルマスターモバイル」というアプリです(写真は公式HPより)。これは自分がおとずれた場所がGPSによって記録され、アイドルの「営業」成績に反映される仕組みになっています。穣治ネットに繋がったスマホが、「自分の訪問先」という情報を産み出し、それがゲームの中で消費されているのです。
また、アニメ業界でも15年ほど前からデジタル作画への移行が進んでいます。比較的キャリアの長いアニメーターであれば未だに色鉛筆を使いますが、若い世代は殆どがデジタル作画です。需要の減少に伴って、三菱が硬質色鉛筆の生産を辞めるということが最近ニュースになったりもしました。デジタル作画であればわからない事をネットで調べることも、遠隔地で作業をする事も簡単です。利便性や情報集約度などの観点から考えると、クリエイターにとってもデジタル化は必然の流れなのだと思います。
テクノロジーが人間の感性を変える
とあるアニメ会社の経営者の方が言っていたことなのですが、今のアニメーターと昔のアニメーターとでは作風が変わったと言います。昔の手書きセルアニメと今のデジタル作画は絵柄から作り方から全く違うというのです。「位置ゲー」にしてもスマートフォンのような高度なネット環境がなければおそらく生まれてこなかった作品だと思います。
現在のスマホゲーム市場にしても、プラットフォームがなければあらゆる作品は存在しようがありません。エンターテインメントは常に、このようなテクノロジーの変化にともなってスタイルを変えてきています。
何か作りたい作品のイメージがあり、それに併せて道具を選ぶ、こういう順番ではなくて、むしろテクノロジーの変化があり、それにつられて作風やコンセプトの変化が起きる。今のアニメゲーム漫画業界を一歩引いて眺めるとこういう構造があります。作っているものが「商品」である以上、市場の変化には逆らう事が出来ないのです。そして供給される作品が変化していけば、やがて消費者の好みも変わって行きます。技術の変化から始まり、私達の感性も変化していくのです。
今古びているものがやがては宝の山になる
技術とそれに対するキャッチアップという動きが作品の大きな流れを作っていますが、人間がモノを欲しがる動機には「流行っているから」以外の動機も存在します。それは「珍しいから」というものです。
例えば私はギターが趣味ですが、ビンテージギターのお店に行くとビックリするくらい高額のギターがおいてあります。1960年代のギターは1本で100万円以上する事も珍しくありません。既に生産の停止したものは今数が少ない、それだけの理由で高い価値が付くのです。
これから希少性のつくものは何でしょうか。それは、IOT化の全く進行していない時代のものだと思います。例えば生産の停止した色鉛筆、デジタルプリンターのなかった時代の手作りの同人誌など…。今は古い物と新しい物が混在している時代です。今更Ipadには驚きも感動も感じないですよね。その一方で、紙のノートにもことさら感動を覚えないはずです。これから更にデジタル化が進行すれば、あるポイントでデジタル製品だけが優位になる時代が来ると思います。その時に、旧時代のアナログ製品は、今では考えられない輝きを放っているはずです。そう考えると、今は最高のチャンスだと思いませんか。将来的に最高の価値が出る物をインプットできる環境に恵まれているのですから。
イラストの世界でも、プログラミングの世界でも、次々に新しいツールが登場してきています。IT業界は「ドッグイヤー」と言われるくらい、移り変わりの激しい業界です。これから業界に入って行く人は、毎日最新の情報を学び続ける日常が待っていると覚悟しておいてください。しかし、今廃れようとしている色鉛筆や紙の原稿というものが、実は最高の見込み資産であると言う事も忘れないでいて欲しいです。自分が5年先、10年先、30年先に、どんな特色あるクリエイターになっているのか、自分で決めることが出来るのです。