プログラマーはどこにいる?
今回はゲーム業界への転職を考えられているプログラマー、エンジニア向けのお話です。ゲームプログラマーも大きな括りでいえば、コードを書くプログラマーです。全くプログラミングの素養がない人に比べれば圧倒的に転職先が見つかりやすいです。
ゲーム業界は常に人手不足、ゲーム開発の経験がなくても、プログラミングの素養がある人でいえば採用される可能性は高いです。例えば、IT業界で開発経験のあるプログラマーやサーバーエンジニア、システムエンジニア、さらには専門学校でプログラミングの勉強をしていた学生の採用も徐々に増えています。しかし、ゲーム業界内で転職した人、新卒でゲーム業界に就職した人に比べ、IT業界から転職した人はゲーム業界を早く去ってしまうことが多々あります。それはなぜなのでしょう。
ゴールが違えば道筋も変わる
ゲーム業界とそれ以外の業界の開発物では、その目的が大きく異なります。システム系や業務系が特にそうですが、ゲーム以外であれば、まずしっかり動くことが一番重要視されます。例えば、銀行のシステムの場合、一つでもバグがあったら大問題に発展しかねませんよね。何かの手違いでシステムが勝手に振り込み処理をしてしまったりしたら、信用がなくなってしまいます。それに比べれば多少使い心地が悪かったりすることは対して問題になりません。
しかし逆にゲームの場合は、使い心地体験が全てです。バグだらけでリリースされるゲームもいくらでもあります。多少バグがあってもスピード感を優先したり、リリース後のフィードバックを参考にしながら改善していくこともあります。少なくとも業務系、システム系に比べればその傾向が強くあります。例えばゲームの場合だと、先行して類似のゲームが大ヒットしてしまったり、時流が変わってしてそのゲームがヒットしないだろうという予測ができてしまったりすると、完成していても、運営費や広告宣伝費でリリースしてしまうとさらに赤字が増えてしまうからお蔵入りになってしまうケースもあります。特に基本無料のゲームアプリが増えてきてからその傾向はどんどん強くなっています。
ウォーターフォールは走り出したら一直線
そしてその体験感覚重視は、開発工程にも大きな違いを生じさせています。システム系、業務系の開発の場合は基本的にはウォーターフォール型の開発が多いです。ウォーターフォール型とは、要件定義、外部設計、内部設計、プログラミング、テスト、運用までスケジュール通りにしっかり進めていきます。最初からこういうものを作ろうというイメージがしっかりしている場合に特に有効です。
アジャイルはトライ&エラー
しかし、ゲーム開発の場合、はたしてそのゲームは本当にプレイした時に面白いのか、最初に想定した面白さはリリース時の時流に合っているのかなど不確定要素が多いため最初から決め打ちで開発を行うウォーターフォール型は向いておらず、ゲーム開発ではアジャイル型の開発が採用されることがほとんどです。アジャイル開発では、リリースまでのスケジュールの中に、いくつかのマイルストーンを設け、そのマイルストーンごとに開発目標を定め、何度もチェックとフィードバックを繰り返しながら開発を進めていきます。よくあるパターンでは、プロト、アルファ、ベータ、などでマイルストーンが設置されます。そこでもしイメージと違えば作り直します。ゲーム開発には出戻りが多いといわれるのはこのことです。
ゲームは芸術?
ゲームはITでもありますが、総合芸術でもあります。これがあれば正解、完成というものではなく、ああでもないこうでもないを繰り返しながら、より良いものにブラッシュアップさせていく必要があります。
しかし、業務系、システム系の開発に慣れてしまっている人はなかなかこの部分に対応できません。仕様書がない中で開発を進めるプロジェクトもあったりします。言われたとおりに作業するだけではなくて、仕様にない部分はどうすればいいか、あるいは仕様にはなくてもゲームに必要だと思うから作るとかが重要になります。ゲーム業界に転職するのであればこのことを理解してください。そうでないと、転職してからこれじゃ働けないという事態になってしまいます。
サーバーエンジニアという選択肢
あるいは、ゲーム業界の開発でもサーバー開発は、業務系、システム系と同じでしっかり動くことが最優先。ユーザーのデータは最も大切です。例えば、パスドラのサーバーが万が一吹っ飛んでしまうようなことがあったなら、ゲームアプリ市場そのものがなくなってしまうかもしれないぐらいのインパクトになるのではないでしょうか。それだけサーバーはしっかりしていることが大切になります。
また、ゲームアプリ市場の拡大に伴い急速にサーバーエンジニアの採用ニーズは高まっています。その意味でもゲーム業界の中でもサーバーエンジニアへの転職は狙い目です。サーバー開発の経験がある方はぜひゲーム業界への転職も考えてみてください。クライアント側のプログラマーに関しては、サーバー側よりはハードルが高いですが、いまのウォーターフォール型の開発に不満のある人やアジャイルでの開発の経験がある人にとっては特に問題ありません。ゲームプログラマー、ゲームサーバーエンジニアへの転職をお考えの際にはぜひラクジョブで求人情報を探してください。