新しいテクノロジーが市場に受け入れられるためには?
米Facebook傘下のOculusがヘッドセット「Rift」の予約受付を1月6日午前8時(太平洋時)から開始しました。デベロッパーズキッドは$350でしたが、今回の消費者価格は$599で日本で受け取る場合は送料込みで94,600円です。セット内容はOculus Rift本体、3Dポジショナルセンサー、Xbox Oneワイヤレスコントローラー(USBドングル付き)、インプットデバイスとPlayfulのLucky’s TaleとCCPのEVE:Valkyrieのソフトが付いて来る様です。 https://shop.oculus.com/en-us/cart/ 日本ではソニーエンタテインメントが今年上期にPlayStation®VRを発売予定としておりますがどの様なセット内容、価格で発売されるのかも楽しみです。米FacebookとOculusは2014年米国時間7月21日に20億ドルで両社間の買収が完了してからまだそれ程の時間が経っていなませんが、めまぐるしいスピードで進んでいるのはご存知の方も多い事でしょう。
果たしてこのVRゲーム市場は日本で、また世界でどの様な進歩を遂げて行くでしょうか。VRゲームの様な新製品を世に出す上でしっかりと市場を構築して行く為に今回は【キャズム・ハイテクをブレイクさせる「超」マーケティング理論】を参考文献としVRゲームを市場に定着させて行く為に必要な事をお伝えしていきたいと思います。
キャズム理論は2002年から言われ始めました
まずVRゲームの様な新製品をこの世の中に定着させる為に必要な事は、市場における需要と供給の間にある大きなギャップを埋める事が必要になってきます。以下本文より引用「このギャップが生まれる原因は、【テクノロジー・ライフサイクル】と呼ばれる、購買者の行動パターンを反映したモデルを使って説明でき、このモデルこそが【キャズムを超える】ための鍵となる」とあります。このキャズムを超えていく事で VRゲームの様なハイテク市場を拡大することが出来るといいます。
ではこのキャズム(深い溝)とはいったい何かという事を少しご説明いたします。キャズム理論とは初期市場(少数のビジョナリー)と、メインストリーム市場(多数の実利主義者)の顧客が製品導入に至る参照基準の間にある越え難い溝(キャズム)があるとする理論です。このキャズムを超える事によってメインストリーム市場で成功を収める事ができると言われています。
以下本文より引用
「本当に革命的なハイテク製品というものは、例外なく【一時的な流行】から始まる、その製品には既存の市場価値もなければ、用途も確立されていない。あるのは、一部の利用者だけが認めた【何かすごい機能】だけである。これが初期市場だ。そして次にこの製品でいったい何ができるのかと注目されるが、製品は売れない時期がやってくる。これがキャズムである。現実にこの製品の有用性が証明されれば、つまり製品の価値が顧客に理解され妥当な価格で安定供給される事が実証されれば、その時こそ新たなメインストリーム市場が形成される。そして、この市場の形成は短期間で行われるケースが多く。パイオニアは莫大な先行者利益を手にするのだ」
とあります。では一体キャズムはどこにあるのかと言う事をご説明する前に、初期市場とメインストリーム市場がどう言った購買者によって作られているかという事を簡単にご説明したいと思います。
さあ、キャズムをどう乗り越える?
例えば、2層式洗濯機から全自動洗濯機に移る様な連続的イノベーションではない、消費者が今までの行動様式を変える必要があるVRゲームの様な不連続なイノベーションになるハイテクマーケティングにおける顧客の層を分けていきます。
ハイテクマーケティングの顧客の分類は、イノベーター(Innovators)、アーリー・アドプター(Eariy Adopters)、アーリー・マジョリティ(Eariy Majyority)、レイト・マジョリティ(Late Majyority)、ラガード(Laggards)と区分され、どのグループも心理学的、人口動態学的視点からみて、異なる特性がある様で各グループに対して固有のマーケティング手法が要求される事になると言われています。
どうやって市場に広めていくか?
以下本文より部分引用。
まずイノベーターですが、新しいテクノロジーに基づく製品を追い求める人とあります。この人達の最大の関心は新しいテクノロジーにあり、製品がどの様に役に立つかという事は二の次との事です。彼らは斬新なものに強い関心を示し、機能を試して楽しむためだけの新製品の購入をする事も少なくないと言います。
次に、アーリー・アドプターですが、イノベーターと同じ様にライフサイクルの早い段階で製品を購入する様です。ところがイノベーターの様に技術指向ではなく、 新たなテクノロジーがもたらす利点を検討、理解し、それを正当に評価しようとする傾向にあるようで、新たなテクノロジーが現在抱えている問題と解決してくれる可能性が高ければ商品を購入するといいます。
そして、アーリー・マジョリティですが、実用性を重視し自分達が新製品を購入する前にまず他社の動向を窺おうとする傾向があると言われています。アーリー・マジョリティは全体の約三分の一と多数のため、彼らを誘引する事が成長を遂げ大きな利益を得る決定的な要素となるので重要な存在になって来ます。
続いて、レイト・マジョリティですが、彼らは製品の購入が決まった後でも、自分で使う事に多少の抵抗を感じる傾向があると言いいます。業界標準が確立されるのを待ち続け、手厚いサポートを受ける為、実績のある大企業から製品を購入したがる傾向にある様です。このグループも全購買者数の三分の一を占め、指示を得る事は大きな利益につながり、製品も更に成熟し、販売コストも下がり、R&Dコストの回収も完了すると言いわれています。
最後にラガードですが、この層はハイテク製品に見向きもしない人達で、彼らがハイテク製品を買う際は、ハイテク製品が他の製品に組み込まれ目に見えない時に買ってしまっているという時の様です。
VRゲームが初期市場からメインストリーム市場に移るまでのギャップ、つまりキャズム(溝)ですが、イノベーター、アーリー・アドプター、アーリー・マジョリティ、レイト・マジョリティ、ラガードの何処に生まれるかと言うと、キャズム理論では、アーリー・アドプターとアーリー・マジョリティの間に生まれるとされています。VRの前回のブームから約20年以上が経過しており人々の中にもハイテク製品が投入され、現代社会は飛躍的な進歩をとげていますが、このキャズムを超える事で今後VRが定着し私達の生活を大きく変える要因になると考えられます。VRが一時的なブームで去ってきた今までとはまるで環境が違う現代だからこそ、新しい形としてVRゲームがきっかけとなり世界中の人達を楽しませ、1人ひとりがより良い生活を送る為の先駆けとなる事を期待しています。
ではキャズムを超えるのに必要な事は何かと言うとが記されていましたのでご紹介します。「キャズムを超えるのに最も重要な事は全社一丸となり、関係者全員が情報共有をし、互いに進む方向を理解し合っている事が重要」だとの事です。世の中を大きく動かし新しい市場を開拓していく為に必要な事は、やっている方向性を見失わない様に、まずはVRゲームでどの様な事を消費者に伝えて行きたいかという事をしっかり決める事が重要ではないかと考えています。
アーリー・アダプターとアーリー・マジョリティの間にあるキャズムを超える事でVRゲームが市場に登場した後導入期や成長期といった初期市場で消えて行く事なく成熟期を迎えるていく様に、まずはアーリー・アドプターへのアプローチを強化し、アーリー・マジョリティへのアプローチと順を追ってVRゲーム業界を成長させていきましょう。その為にはこのVRゲーム業界関わって行く企業が一致団結し市場を成長させて行ければと考えています。
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