ペコペコ御用聞き営業に疲弊していませんか?
アニメゲーム漫画関連の特に受託をメイン事業としている企業さまへ。自社の営業、どのように進めていますか?お問い合わせフォームや人づてでの紹介でアポを取り訪問し案件の有無を聞き、案件があれば「ぜひやらせてください。」なければ「またお声がけください。」という単調な営業になって居ませんか?営業において正解はありません。巷の営業本を広げれば方法論はいくらでも書いてありますが、個人営業と法人営業は違いますし、そもそも営業としてメジャーどころの「保険」や「不動産」のルートセールス・飛び込み営業について書いてある本が大半で、この「アニメゲーム漫画業界」の「開発・制作受託営業」に関する本なんてついぞ本屋では見かけません。みなさんが戦っている主戦場は新しく狭く変化の激しい、難しい環境なのは間違い有りません。では、そんな業界の中で営業していくに当たってどんな方法が役に立つのか?それは誰にもわかりません。ただ、共通しているところは「対人」に「売る」ということ。そして売り物は技術であり情報であり人柄です。かたちあるものではありません。かたちあるものがどうして売れるのかというと、そこには「信頼」があるからです。
人の信頼をどのように勝ち取るか。それを知るためにはデール・カーネギーの『人を動かす』が大変参考になります。デール・カーネギー曰く経済的成功の15%は専門的知識から、残りの85%は「考えを表現する能力、リーダーシップをとる能力、そして人々の熱意を引き出す能力」によるものとしています。Amazonの『人を動かす』解説文から抜粋すると
人と接する際の基本的な原則を基に、自分が重要視され、評価されていると相手に感じさせるようなスキルを教示する。また、操られていると相手に感じさせないようにしながらつき合う基本的な手法にも重点を置いている。カーネギーは、誰かに自分が望むことをさせるには、状況を一度自分以外の視点に立って観察し、「他人の中に強い欲望を喚起させる」ことで可能になると述べる。更に本書を通じて、相手に好かれる方法、自分の考え方に相手を引き込む方法、相手の感情を害することなく、あるいは恨みを買うことなくその人の考え方を変える方法を学ぶことができる。例えば、「他人にその考えが自分のものだと感じさせる」方法、そして「まず自分の失敗について語ってから他人を批判する」方法などである。また、歴史上の人物、産業界のリーダー、そして市井の人々の逸話を交えながら、著者の論点が分かりやすく解説されている。
とあります。つまり、クライアントのニーズに合わせて自分を変えるのではなく、自分の考え方にクライアントを引き込むことをクライアントの感情を害することなく実行せよ、ということです。クライアントのニーズは関係なく、自分の考え方ありきである、と明言しています。しかしそのように自分の考え方を重視してしまっては、クライアントが離れて行ってしまうのではないか?そんな都合良く仕事が採れるわけないのではないか?と思われると思います。
こちらの記事でも紹介していますが、クライアントは行列のできるラーメン屋のように、他にもお客さんが並んでいるような人気企業と仕事がしたいと考えています。ただのわがままではダメですが、たとえ独自のルールを持っていたりものすごく長い順番待ちがあったとしても、他の人もそれを乗り越えてここを選んでいるんだ!と思うと、不思議と「並んででもみんなが求めていると言うことはそうとう良いに違いないぞ。」と思ってもらえるものなのです。それであれば、どこにいるともわからないお客さんを追いかけて店をそのままに営業に駆け出すラーメン屋よりもどんと構えてルールに従ってでもここがいいと思ってくれるお客さんが勝手に集まってくるラーメン屋になった方が成功しそう・・・じゃありませんか?
人月20万円の微差が1年積み重なれば大金に!
それにも関わらずそうした営業をしない会社が多数なのは、「何を求めていて」「他と比べて自社にどんな価値があるのか」がわからないからです。他社の相場も技術力の平均も、自社の強みもわからないから、いまいち強く出づらい。そうすると、自分の望みを押し通すメリットを相手に感じさせられる自信がないので、状態でクライアントに言われるまま、思考停止状態になってしまうのです。しかし、考えても見てください。業界平均人月単価が60万円前後のこのご時世で、クライアントの言うとおり人月60万円で仕事をとり続けるのと、何かしら他とは違う強みを考え出し、それを理由に自分で価格設定をして人月80万を最低ラインとして仕事をとり続けるのでは、30人の会社で全員フルで1年間埋まったとして年間7,200万円もの差が出てしまいます。
他社と違う点を強みにし価値にできたら頭一つ抜き出ることができます
みなさんの開発・制作会社の経営者としての考え方・望みはなんでしょうか。他には負けない強みがあるとしたら、一体どういう部分でしょうか?年間7,200万円の差がつくんだとしたら、丸丸1ヶ月それについて考えて見ても、おつりが出るぐらいです。デール・カーネギーが経済的成功の85%を占めると語る、「考えを表現する能力、リーダーシップをとる能力、そして人々の熱意を引き出す能力」について自社だったらどういう点でクライアントに対してリーダーシップをとって考え方を表現し、熱意を引き出せるのか?を考えて見てください。自分がクライアントだったら、「こんな制作・開発会社ならこのぐらいの金額を出してもお願いしたい!」と思うような、他社と違う点は何か。それを決めるか決めないかが大きな分かれ道になります。