今日の日経新聞の一面は従軍慰安婦問題が決着した、と言う報道でした。安倍首相が日本軍の関与を認め、お詫びと反省を表明、とあります。
ラクジョブはニュースサイトじゃないのでこの政治的な問題、社会的な問題としては取り上げません。一見関係ないアニメゲーム漫画と従軍慰安婦問題について、これについて考える事はヒット作を産むことにも繋がるし、新しい視点を持つことにも繋がる。さらにはアニメゲーム漫画業界の経営者なら売上アップにもなる話だ、と思ったので書きます。
以前、私はスタジオジブリの高畑監督が書いた君が戦争を欲しないならば、を元に火垂るの墓は反戦映画にならない、という記事を紹介しました。
戦争の悲惨さを描いた火垂るの墓ですが、あれは反戦映画にならない、と高畑監督が言っています。というのも、火垂るの墓は発表当時、反戦映画というジャンルに入れられたそうです。それに対して監督はそうじゃない、と当時から思っていたそうです。
何故かというと、あんな悲惨な目に遭ったのだから戦争はやめよう、と言う風にならないからだ、と高畑さんは言います。むしろ、あんな悲惨な目に合わないために軍備を増強しよう、相手を倒そう！となるのです、と語ります。また、海外で火垂るの墓が放映されたときにとある人は『日本人もこんなに大変だったのか･･･あの当時は敵国だったけど気にもしなかった。大変だっただね･･･』という反応とは別に、『日本人が被害者としか描かれていない。ふざけるな。日本人だって色々殺しただろう！』という意見もあった。と本で紹介されています。
この本や私の記事によって言いたいことは『同じ作品を観ても文化や国が違えば解釈が全く異なる』と言う事です。火垂るの墓はちょっと古い作品ですが、エヴァンゲリオンではどうでしょうか。こんな批判が最近あったのを知っていますか?
「月にゴミを持ち込むな！」と大騒動の“ロンギヌスの槍”プロジェクトがさらに波紋、エヴァがイスラム国を刺激する？
と言う批判です。ちょっと目を疑う話ですよね。イスラム国、エヴァンゲリオン、ロンギヌスの槍･･･どれもこれもつながりのあまりになさそうなキーワードです。
これはどういうものかというと、クラウドファンディングで1億円集めてロンギヌスの槍を突きに突き立てよう！というプロジェクトの批判で、実際は6千万円ほどしか集まらず頓挫しました。
批判されている理由は色んなモノがありますが、1つは宗教的に配慮がない、という事です。ロンギヌスの槍はキリスト教の聖遺物の名前で、月はイスラム教の信仰の対象です。キリスト教とイスラム教が仲が良いのかというと･･･残念ながらそうではありません。元々旧約聖書を元にするユダヤ教から新約聖書のキリスト教が産まれ、そして更にその後に旧約聖書でも、新約聖書でも信仰されている唯一神が『ムハンマドに大天使ガブリエルを通じて神の語ったコーラン』を元にしてるのがイスラム教です。同じ神様を信仰していますが、それ故に対立もあります。
イスラム教にとって月は大切なシンボルです
日本人の感覚なら、ロンギヌスの槍を月に持って行くなんて面白い発想だね！だと感じるかも知れませんが、キリスト教、イスラム教の人達からしたら『おいおい！ちょっとデリカシーないんじゃないの？？』と感じる事なのです。しかも、日本人の全人口をあわせても1.2億人程度。イスラム教とキリスト教の人口を合わせると統計の仕方にもよりますが30〜40億人います。日本人の感覚の方が世界からすると圧倒的にマイノリティなのです。
もし、日本が本当の意味で世界に影響を与えるようなコンテンツを作ろうと思ったらこうした日本人以外の人が見るとどう思うか?まで配慮して作る必要性が出てくるでしょう。無論、世界を目指す必要なんか無い、日本人が面白いと思う作品だけ作る、というのも1つの選択肢です。ただ、クリエイターなら大ヒットを作りたいとか、更にアニメゲーム漫画業界の社長なら『ヒット作を出して経営を安定させたい』と思う人もいるでしょう。そういう人には自分の作品がどういう風に観られるのか?という視点を持つのはとても大切なことではないでしょうか。
仮に、韓国版火垂るの墓、のようなアニメ作品があり従軍慰安婦問題を扱っていて、日本兵が女性をレイプしまくるシーンが大量にあるアニメがあったら?日本人はどういう風に思うでしょうか。それが韓国では『すばらしい！感動した。名作だ』と取り上げられていたら･･･冷静でいられるでしょうか。
それぞれの宗教が大切にするシンボルがあります
表現の自由はあるとしても、ビジネスとして成功させる、ヒット作を産む、という観点で見た場合『同じ作品を観ても感じ方が全く違う』と言う事がある、と想定するだけで全然違います。従軍慰安婦問題についてはこれからも揉めるでしょうし、そもそも従軍慰安婦はねつ造だ、事実ではない、と言う人もいるでしょう。事実なのか、事実ではないのか、事実だとしても感じ方が違う。そんな世界に我々は生きている。しかも、そういう人類がそろそろ100億人に達しそうだ･･･とそこまで考えてアニメゲーム漫画を作るクリエイターがいたら･･･なにかすごく面白そうですね。
ラクジョブはアニメゲーム漫画業界の発展の為、求人情報だけではなく、さまざまな情報を配信していきたいと思います。
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