ゲーム会社への就職はニッチなところを狙おう。UIデザイナーの勧め

多くのグラフィックデザイナーはキャラクターを描きたい、3Dで素晴らしいキャラクターを作り、動かしたい。そんな話をよく聞きます。今回は特に2Dという分野に絞って話をしていきます。

2Dで一番人気のある職種というと何でしょうか?まずは各求人サイトでどんな募集職種があり、それが何件掲載されているのか、ラクジョブ、リクナビNEXT、イーキャリア、Find Jobで調べてみましょう。

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ラクジョブ:2DCGデザイナー186件、アートディレクター168件、グラフィックデザイナー123件、ゲームデザイナー86件、イラストレーター44件、UIデザイナー40件、エフェクトデザイナー17件、キャラクターデザイナー6件

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リクナビNEXT:グラフィックデザイナー2件、イラストレーター1件

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イーキャリア:ゲームデザイナー13件、2Dデザイナー13件、グラフィックデザイナー6件、UIデザイナー4件、アニメーションデザイナー3件、イラストレーター2件、キャラクターデザイナー2件、エフェクトデザイナー1件、オーサリングデザイナー1件、Webデザイナー1件、アートデザイナー1件、ムービーデザイナー1件

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Find Job:グラフィックデザイナー6件、イラストレーター5件、キャラクターデザイナー4件、2Dデザイナー4件、モーションデザイナー1件、アートディレクター1件、イラストマネージャー1件
※2015年12月27日時点のデータです。

ラクジョブが他の求人サイトに比べて圧倒的に求人掲載件数が多いですが、その数値からも見て取れる通り2DCG全般を言い表したグラフィックデザイナー等の募集が一番数が多いです。そしてイラストレーターと続いて、各種専門職の募集となります。調べてみてエフェクトデザイナーやUIデザイナーが少ないことは想定していましたが、キャラクターデザイナーの募集もここまで少ないのはちょっと意外です。

では続いてGoogleで下記のキーワードをもとに検索した場合はどんな結果になるでしょうか?

ゲーム会社 求人 キャラクターデザイナー 257万件
ゲーム会社 求人 ゲームデザイナー 104万件
ゲーム会社 求人 グラフィックデザイナー 99.7万件
ゲーム会社 求人 イラストレーター 75.5万件
ゲーム会社 求人 アニメーションデザイナー 48.4万件
ゲーム会社 求人 アートディレクター 40.2万件
ゲーム会社 求人 UIデザイナー 39.5万件
ゲーム会社 求人 2DCGデザイナー 38.5万件
ゲーム会社 求人 エフェクトデザイナー 35.9万件

各職種の求人をGoogleで検索してみると・・・?となりました。一番多かったのはキャラクターデザイナーの求人です。キャラクターデザイナーは多くの学生がゲームグラフィックに携わりたいと思うときに一番人気の分野です。そして大きく差が開いてゲームデザイナーの求人。これは幅広く2Dグラフィック全般にかかわる人材を募集するときによく使うので数が多いのも納得です。その次のグラフィックデザイナーも同様です。3Dの募集も混ざっているかもしれませんが、汎用的な言葉を使用しているため納得の数字と言えるでしょう。そして人気が高いイラストレーターの求人募集。これはソーシャルゲームのヒットが多くのイラストレーター求人を生んだといっても過言ではありません。今でも新規タイトルにおけるゲームのキャラクター制作を外注のイラストレーターに依頼するという案件は多数ありますので、この求人が多いのもよくわかります。

人気職種は多くのライバルとの戦いに勝ち抜く必要がありますここから数は少ないものの専門職が増えていきます。アニメーションデザイナーはスマートフォン向けのゲームアプリやブラウザゲームの開発案件が増えたことにより、FlashやSpriteStudioを使用したゲーム内のアニメーション制作の需要も増加傾向にあります。最近はブラウザゲームの開発案件が減ったことによりFlashの需要が減ってきましたが、それでもスマートフォン内でアニメーションの表示をすることは今後もまだまだ需要があるでしょう。続いてはアートディレクター。これは数が少ないのも頷けます。どうしてもディレクションができる人材というのは1デザイナーに比べて限られていますし、募集の数も少ないです。ただこれは表立って出していないだけで、いいアートディレクターがいたら確保したい、即採用したいと考えているゲーム会社も多いと思いますし、グラフィックデザイナーと同時にマネジメントスキルがあればディレクター職もありですという書き方をしている場合もありますので、本当の求人数はもっと多いと思います。

ここからさらに検索総数40万件未満の職種に移ります。まずはUIデザイナー。UIデザイナーは必要としている会社は多数あれどなかなかUIデザインをメインに行っている会社も少ないので、ずっと求人が続くイメージがあります。特にデバイスが変わるとUIデザインの常識というかセオリーも変わってきますので、デバイスの進化とともにUIデザイナーはさらなる進化を続けていく必要があります。そして意外なのが2DCGデザイナー。一般的な呼称なのでもっと数が多いかと思っていましたが、意外や意外。専門職と同じぐらいの数しかありません。そして最後にエフェクトデザイナー。これはゲーム内エフェクト、例えば炎の魔法を出すときのエフェクトや敵に当たった時のエフェクト、ダメージを受けた時のエフェクト、必殺技を出すときのエフェクトなどかなり多岐にわたります。

総括すると、キャラクターデザイナーは検索するとたくさん出てきますが、実際に求人広告を出している数で行くと少ない部類に入ることがわかります。UIデザイナーやエフェクトデザイナーは求人件数もそこまで多くないですが、検索結果のページ数との比較でいえばキャラクターデザイナーよりも圧倒的に求人サイトに掲載されている比率は高いです。

そこでタイトルの話に入ってくるわけですが、ねらい目は検索してたくさん出てくる職種よりも数が少ないけれども必ず需要がありライバルの少ないところがおすすめです。今回でいえばエフェクトデザイナーかUIデザイナーがその候補となるでしょう。アニメーションデザイナーもいいかもしれない。その中でさらに絞り込むとすると私はUIデザイナーを推します。理由は多くの会社でニーズがあるがなかなか人が見つからないという話を聞いているのと、実際にUIデザインをメインでできてしっかりと設計できる人は、一般的な2Dデザイナーに比べて数は少ないです。具体的な統計上のデータがないので感覚値になりますが、おおむね10分の1以下といったところでしょうか。下手するともっと少ないかもしれない。それぐらい少ないのですが、なにがおすすめかというと、UIデザインは基本的に社内で行うことが多く、エフェクトやアニメーションと違って外注を使うことが少ないです。UIデザイナーで腕の立つ人がいればゲーム会社としてはしっかりと確保しておきたいですし、実際他社に転職するとなれば多くの会社からオファーが受けられると思います。それだけUIデザイナーは重宝されるのです。

ライバルの少ないところで勝つ!学生のころ、ゲーム会社にデザイナーとして就職したいというとき、誰かUIデザイナーになりたいという人がいたでしょうか?ほとんどいなかったのではないかと思います。多くの人はキャラクターデザイナーになりたいといいます。そんな大量にライバルがいるところにあえていくぐらいだったら、UIデザイナーという学生からするとあまり見向きされることが少ないポジションですが、ゲーム制作においてなくてはならないポジションで、とても重要な位置を占めます。特にスマートフォン向けのゲームコンテンツは基本的に無料で遊べてアイテム課金をすることで収益を上げるモデルになっています。その時にスムーズに課金画面へ進めるようなUIデザインは必須です。デザイナーとしての道を決めかねている人がいれば、UIデザイナーになるというのもいい選択の一つとなるかもしれません。