ついにパチンコにもくるのか・・・
パチスロの出玉規制に続き、パチンコでも釘曲げ似寄る不正改造が行われた都いうニュースが飛び込んできました。さらに暗雲が立ち込めてきた遊技機業界ですが、映像制作会社の中には、ソーシャルゲーム業界へアプローチをかけている会社が増えているようです。
ソーシャルゲームやネイティブアプリの市場は急激に大きくなっています。現在の日本のスマホゲームの市場規模は51.6億ドル、1位のアメリカの54.1億ドルに次ぐ規模です。これにユーザー数を照らし合わせた時の課金率で考えると、世界一になります。
会社さんの中には、ソーシャルゲームは安いから受けたくないという会社さんもあったりしますが、ラインが空いてしまって、まったく仕事がなかったり、いつ始まるかわからない、いつ止まるかもわからない遊技機に期待するよりは、ソーシャルゲーム業界の仕事を受けてみてはいかがですか?
そもそも、ソーシャルゲーム業界が安いというのは、業界が違うことによって起こる認識の違いなのです。ソーシャルゲーム業界自体がどのように発展してきたかを考えればわかりやすいのではないでしょうか。ソーシャルゲーム業界の発端は、SNSサイト上で遊ぶことのできるブラウザゲームで、もともとはPCで遊ぶものであったが、2007年にGREEによってリリースされた「釣り★スタ」のヒット以降、日本では携帯電話でのソーシャルゲームが主流となりました。その後、2009年にはDeNAの「怪盗ロワイアル」、mixiの「サンシャイン牧場」のヒットと続きました。2010年には、コナミデジタルエンタテインメントが「ドラゴンコレクション」を配信しました。こちらの会社では、長年、遊戯王のトレーディングカードゲームをやってきたこともあり、その要素を盛り込んだゲームとして配信しました。ただこの当時は、ガラパゴス携帯であり、スペックが低いこともあって、ボタンを押すだけのカジュアルゲームしかできませんでしたが、スマートフォンの普及と機器のスペックの上昇、タッチパネル式の画面によって、ソーシャルゲームのクオリティはどんどん上がって行き、少しの隙間時間でできるという手軽さで爆発的にユーザーを増やしていきました。カードゲーム系のソーシャルゲームが1、2年ほど続いた後、次に流行ったのが、ガンホーオンラインエンターテインメントからリリースされた「パズル&ドラゴンズ」通称「パズドラ」です。2015年の人気ランキングでもトップを維持していますが、もはやカード系やパズル系でリリースをしてもヒットしないという状況になりました。それでどうしたのかというと、コンシューマーゲームに近づけたゲーム制作をしだしたのです。現在のスマートフォンのスペックは、Play Station 2 ほどのスペックに達しているため、そのレベルのゲームであればスマートフォンでも出来てしまうようになりました。そのため、スマートフォンへの普及以降、徐々にではありますが、3DCGを使ったネイティブアプリのゲームが出だしていました。そんな中リリースされたのが、2014年7月にコロプラによってリリースされた「白猫プロジェクト」です。こちらの作品は、フル3Dでの映像を使用し、同年の11月には2000万ダウンロードを突破するという大ヒットを記録したため、この後のネイティブアプリにおいての映像で3Dを使う会社が爆発的に増えたのです。
このような流れで、発展してきたソーシャルゲーム業界から見た3DCGの認識は、2DCGのように手軽にできるという認識の人が多いのです。もちろん予算も2DCG並みで出来るだろうという認識なのです。そのような認識のままで、外注に発注していたために、今のソーシャルゲーム業界は安いというイメージがついてしまったのです。しかしながら、成長著しいソーシャルゲーム業界であるため、3DCGのニーズはどんどん増えてきており、3DCGの外注先を探している会社の相談はよく聞いております。弊社としても、このミスマッチは非常にもったいないと思っていますし、この認識の差がなくなり協力関係になれば、もっといいものがたくさん生み出せるのではないかと思います。
ちなみに今の映像制作会社の相場に関しては以下のようになります。
2Dデザイン
コンシューマーゲーム:人月45~70万円
エフェクトデザイン:人月55~75万円
スマホゲームUI:人月55~75万円
スマホゲーム イラスト:1枚あたり1.5万円〜15万円
CM、映像系:人月50~65万円
パチンコ・パチスロ オーサリング AfterEffects:人月55~75万円
3Dデザイン
コンシューマーゲーム ローエンド:人月55~70万円
コンシューマーゲーム ハイエンド:人月65~95万円
スマホゲーム:人月45~75万円
CM、映像系:人月50~65万円
パチンコ・パチスロ プリレンダ等:人月75~110万円
(ビ・ハイア調べ 2015/12 https://be-higher.jp/sales/1783/)
いかがでしょうか?スマートフォンゲームの3Dデザインに関して、噂通り、したは45万と安くなっていますが、メーカー直で相場に理解のある会社であれば70万以上の人月単価がつくのです。遊技機には及ばないまでもラインを開けておくよりはいいとは思いませんか?
ただ業界の差はこれだけではないのです。
それは、希望予算がいくらという以前の問題の最初のアポイントの段階です。実は、2014年8月にgoogleから以下のようなことが発表されていたのです。
『Three years ago, we changed the marketing rulebook.』我々は3年前にマーケティングのルールを変えました。
ZMOT Why It Matters Now More Than Ever
https://www.thinkwithgoogle.com/articles/zmot-why-it-matters-now-more-than-ever.html
どんなことが書かれているか簡潔に言うと、「昔は、その商品に出会ってから買うかどうかを決めていたが、今は、商品を知ってから検索して競合他社をたくさん検索して調べてから買っている。」ということが書かれています。なぜこんな話をするのかというと、弊社でもラクビジという営業サービスをする中で、色々な会社へ、訪問したり、電話をしたり、メールを出したりしています。その中でも、ソーシャルゲームをやっている会社、大手SAP(ソーシャルアプリケーションプロバイダー)になればなるほどその傾向が強いと感じています。そのためにどのような事態が起こるかというと、初回のアポを取るのに事前に実績の提出が求められるのです。それできない会社はその時点でお見送りになります。これは、遊技機ばかりをやってきた映像制作会社にとっては、致命的とも言えますよね。遊技機はNDA契約によって厳しく制限されています。そのため、打ち合わせの際にしか見せられないというところばかりです。ただ、ソーシャルゲーム業界の場合は、すでに検索をして自分たちで似たような会社を探しているのです。その会社に、実績なり、相見積もりなりを打診して決めることもできるので、わざわざ実績の見せられない会社のために開発担当者が出向いて、実績を確認して、その良し悪しを確認するぐらいなら、すでに実績をもらっている会社であったり、実績の出せる会社の中から決めればいいと考えるのです。
ただ、SAPもいい外注先は、常に探しています。そのため、今後ソーシャルゲーム業界に乗り出したいと考えているのであれば、少しずつでも出せる実績と作っていくか、もしくは、空いているラインをフルに使って、御社の強みを最大限に出した作品を制作して実績として活用するかです。ソーシャルゲームのヒット作ともなれば、イベント毎に定期的に発注が来るため、長い案件につながる可能性があるお仕事です。