皆さんは観ましたか?話題を呼ぶゴジラの新作、「シン・ゴジラ」を。私は観ました。それも二回も観ました。1度目は新作封切りの直後、早朝から全社総出で新宿の映画館に駆けつけて観ました。あまりに面白かったので、「もう一度観たい!」ということになり、つい昨日も一週空けずにもう一度観てきました。今回のゴジラは放映前の評判を覆す評判、動員数だと言われています。そう言われるのも納得するような映画でした。
今回の記事は、ゴジラの新作について私なりのレビューを書こうと思います。既にインターネット上ではそこかしこにレビューがありますが、それだけ色々なメッセージを含んだ、つい人に話したくなるような映画だと思います。ネタバレなどはありませんので、安心してご覧下さい!
まず、今回のゴジラですが、何と言っても「シン・ゴジラ」の恐ろしさ、凄さが際立った作品でした。実は「ゴジラ」のフォルムやデザイン、サイズは長い歴史の中で何度も変わってきています。初回登場時のゴジラは全長が50メートルほどで、のっそりと動く得たいの知れない怪物として描かれています、それがハリウッド版のゴジラでは全長が100メートル以上で、Tレックスのようなフォルムをしており、獰猛な肉食獣のように俊敏な動きをしており、まるで恐竜のようです。
今回のゴジラは、歴代作品の中でも「生々しさ」「恐ろしさ」という点に置いては他の追随を許さないデザインになっています。
トレーラー映像や公開されている画像を観てもわかりますが、全身が赤ばんでおり、胸部は不気味に膨張し、全長も史上最高サイズに大きく100メートル以上になっています。動きも全体的に緩慢で迫力があり、そういう点では初期のゴジラに似ているとも言えます。胸部が膨らんでいるのは、体内炉心を持っているから、という設定になっています。全身の赤ばみといい、「原子炉がタプタプにつまった、何かとてつもなく不気味な存在」として今回のゴジラは姿を表します。
ネット上でも「今回のゴジラの強さ、パネエエエエ」等のコメントが溢れていますが、実際本当にやばいくらい今回のゴジラは強いです。具体的な話は避けますが、今回のゴジラは人類の絶滅の危機に直結する絶対的脅威として全人類を恐怖に陥れます。
庵野監督は、「エヴァ」などの作品も手がけていますが、「不気味さを孕んだ絶対的脅威」の演出において、この監督に並ぶ人は世界にもあまり居ないのではないでしょうか。ハリウッドのゴジラはよく動き、火炎を吐き、噛み付きます。しかし今回のゴジラは少し違う路線です。駆除の対象になる危険な生物というよりは、人間が抱えている不安や恐怖をそのまま濃縮して具現化したような、どこかメッセージ性のある存在のように私は思いました。「エヴァ」の使徒を描いた監督だからこそ出来る様な新しいゴジラ像は、今回の見所の一つです。
人によって感想は千差万別、でも皆で盛り上がれる
見終わった後に、沢山の感想が周りからは漏れていました。客層も、おじいちゃんおばあちゃんから私のような若者まで、それこそ老若男女です。今回のゴジラは一つの怪獣映画でも勿論あるし、年齢層の高い人にも感動を与える、色々な魅力が詰まっていると思います。
「人類に立ちはだかる脅威」と先ほど書きましたが、ゴジラが現れたときの首相官邸の動き、人々の動揺、登場人物の成長など、濃厚な人間ドラマが繰り広げられる所もまた、ゴジラの魅力です。今回は特にその色が強く、日本人の上に分厚い雲のように覆い被さっている問題、原発問題やTPP、テロの危機など、いくつもの重苦しいテーマを隠喩しているのだろうか?と私は個人的に思いました。そんな感想を抱く人は、今回多いみたいで、そこもまた多くの人を惹きつけるポイントになっています。観ていて、「これは自分の事ではないか」と思わず自分にひきつけて観てしまいました。
「エヴァ」もそうですが、いい作品はいつまでも語っていたくなります。そうしていくつもの評論が生まれ、二次創作ができ、多くの作家に影響を与えます。今回のゴジラはそうやってずっと盛り上げれる作品になっていると思います。一人でも多くの人に観て欲しい作品です。