アニメ ゲーム 学園ハンサム クラウドファンディングでLINEスタンプ制作決定 LINEスタンプのメリットと同人のクラウドファンディングについて

2016-07-13 14.12.40ニコニコから広まった個性的な同人ゲーム

12日のファミ通App for Girlsに「『学園ハンサム』LINEスタンプ制作決定! アニメ化に向けたクラウドファンディング400万円突破」というニュース記事が公開されています。

(引用開始)

東北ペネットの恋愛アドベンチャーゲーム『学園ハンサム』が、テレビアニメ化に向けて開始したクラウドファンディングが、わずか5日で目標の200万円を突破し、さらに現在400万円を突破!地上波でのアニメ放送に加え、LINEスタンプが制作されることが決定した。
(中略)
今回はひとつ目のストレッチゴール“400万円”を突破し、LINEスタンプの制作が決定した。
ストレッチゴールは、600万円、800万円、1000万円まで設定されており、支援金が1000万円を突破するとアニメ2期の制作が決定する。

(引用終わり)

名前だけ聞くと学園ものでハンサムたちがたくさん出てくる女性向けADVを想像してしまいますよね。その認識は設定を見る限り間違ってはいません。公式サイトのストーリーを見てみると、学園BLものであることが伺えます。しかし普通と違うところがあります。どう見ても個性的な、特に顎が個性的なキャラクターデザインと、それをネタにしたストーリー展開(あまりにも鋭利な顎で人を刺し殺すなど)、声優もついていますが彼らの独特かつ素朴でゆるーい演技…。こうした「素人っぽさ」を前面に出した作風がニコニコ動画を中心に存在が知れ渡ってゆき、2015年8月にはアニメ化を果たし全国のアニメイトで販売されるなど、同人ゲームでも稀に見る話題性を勝ち得た作品なのです。

2016-07-13 14.13.595日で200万円を集める

(画像は公式サイトより)

2016年6月、国内のクラウドファンディングサービス「Makuake」において、学園ハンサムはクラウドファンディングを開始。それも地上波テレビアニメ放送に向けてのクラウドファンディングです。参考元の記事をご覧いただければわかると思いますが、このキャラクターデザインのアニメのクラウドファンディングがわずか5日で目標を達成したのです。冒頭のニュースは地上波放送の200万円の次、LINEスタンプの作成金額に達成したというものです。今月29日までの締め切りわずかなクラウドファンディングであり、そして「ネタ」系作品であり、ニコ動を中心に広まった同人ゲームがどれだけのお金を集めることができるのか、いろんな意味で注目が集まりそうです。

ところで一週間足らずで達成してしまったこの『学園ハンサム』のクラウドファンディングですが、出資者へのリターンはどのようなものがあるのでしょうか。ここも少し面白いところで、イラスト入りお礼ハガキ、ビジュアルファンブック、特製DVD、アフレコ台本など、アニメのクラウドファンディングプロジェクトにありそうな特典です。プロジェクトページの文言も、いたってノーマル。あまりにもキャラクターデザインのインパクトが大きいため、制作側の淡々とした姿勢すらもネタにうつり、学園ハンサムの世界観の一つとなっています。

2016-07-13 13.44.07コンテンツを長持ちさせるLINEスタンプ

(画像はLINE 2014年10月-2015年3月期 媒体資料より)

400万円を達成したことによって学園ハンサムのLINEスタンプが制作されることが決定しましたが、これは学園ハンサム制作側にとって大きなプラスになるでしょう。ストレッチゴールの放送域の拡大はインターネット配信がアニメを見る上で重要になってきている昨今、作品の知名度や普及率を上げるための手段としてどれほど効果があるのか難しいところですが、LINEスタンプはコミュニケーションの中で活用できるという点で非常にユーザーの記憶に定着しやすく、作品の存在を忘れ去るという痛手を防ぐことが可能です。企業向けの話にはなりますが、LINEが公表した資料によれば、企業がLINEスタンプを制作し、販売や配信したことにより、キャラクターのCMが気になるようになった:23.3%、スタンプを知って、初めて企業や商品を知った:20.6%、その企業の広告が目に留まるようになった:16.2%となっています。スタンプだけでなく、公式アカウントと友達になることで、随時情報発信ができるという仕組みを整えやすく、グッズ展開や第2期放送決定の折にも、このLINEスタンプ達成が大きくプラスに作用することになるでしょう。

今後はニコ動内やYou Tube内でヒットしたオリジナルの同人ゲームや作品などが、大手企業からのオファーがなくとも、クラウドファンディングによって大きく展開していく、そしてそれが成功していくようになれば、クリエイターが自分で作り上げたものを自分の手で大きくしやすい環境が作られるかと思います。今回の学園ハンサムのように、LINEスタンプなどコンテンツを長く認知させる仕組みをストレッチゴールとして組み込めば、一過性のブームとして終わらせる可能性を減らすことは可能です。求職者の皆さんで同人活動をされている方は、自分の活動を趣味だと割り切らず、いつでもビジネスにできる土壌はあるのだということを意識してみるのもいいかもしれません。

記事を読んでいただきありがとうございました。

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