とあるSES系のIT会社の求人だったのですが、WEBデザイナーの求人を出していたときのことです。もともと必ずしもゲームやアニメ業界オンリー、という仕事内容では無かったのですが、ゲーム業界やアニメ業界に詳しい人が欲しかった、という理由でラクジョブを使っていただきました。業界には珍しいタイプの、洗練された都会のITベンチャーという感じの会社です。清潔感がありオシャレな雰囲気のオフィス、女性比率の多い社員構成、本人の努力しだいで差のつく上昇志向の強い社風・・・。こうした会社の社風をそのまま押し出す形で掲載記事を作成しました。社内の明るい雰囲気がそのまま現れている写真を使用し、実力次第でキャリアアップのできる条件のいい会社です、と打ち出しました。
業界には珍しい洗練された雰囲気!
ところが、です。そちらの会社では応募数が芳しくありませんでした。また、応募してきた人材も、あまりマッチする人がおらず、記事の修正と見直しを幾度もすることになりました。要因を考えた結果、「見ている人材の層と、記事の打ち出し方がズレている」ことが分かりました。ラクジョブを見ている人材の層は、明らかに他の媒体とは異なります。今回のような「都心のIT会社」の求人記事は、他社媒体(リクナビ、マイナビ、イーキャリアなど)では今回のような打ち出し方をすることが一般的です。しかし、ラクジョブの会員であるゲームやアニメのクリエイター志望者はそういった「洗練された」イメージにはなびかないのです。ラクジョブ登録会員で、ゲーム業界に転職を希望している人に対してアンケート調査を行ったことがあります。「働きたいゲーム会社はどこですか、その理由はなんですか」というもので、ガンホーやグリーなど主要10企業についてランキングをとったのですが、ランキングは給与の高い順になっていたわけではありませんでした。「面白いゲームを作っている」とか「クリエイターとして成長することができそうだ」という理由での投票が多く、ランキングもそれを反映したものになったのです。また、こちらの記事をご覧ください。
ゲーム開発者はその9割が「自分の仕事に誇りを持っている」と答えています。つまり彼らが仕事に求めるのは「いいゲームを作れるか」「クリエイターとして成長できるか」といったことが最も優先度が高いのであり、「収入」や「職場の環境」といったことは二次的なことなのです。
多くの人は、「良いアニメやゲームを作りたい!」と思って入ってくるので、「やる気次第でどんどん稼げます!」的な打ち出し方では彼らの琴線に響きません。クリエイターにとってはむしろ、「ゲーム開発に専念のできる環境だ」と思えることが大事で、彼らが見たいのは「作業風景の分かる写真」であるとか、「作品づくりに対する社長の哲学のあらわれている記事」なのです。
彼らが求めているのは「ゲームを作ること」だった!
また、募集したのはWEBデザイナーでしたが、これは一般的にはWEBページの設計とコーディングを行う職業で、日本ではあまりクリエイティブな職業としては認知されていません。今回の求人では、WEBデザイナーの中でもゲームやアニメに詳しい人が欲しい、ということでしたが、そもそもWEBデザイナーがこうしたクリエイティブ業界に転職すること自体があまりケースとして多くないのです。今回のような少し特殊なケースについては「WEBデザイナーがゲームやアニメ業界に転職するメリット」について求職者に伝える必要があります。例えば近年では、ソーシャルゲームの領域でUIデザインをできるグラフィッカーの需要が高まっています。ゲームをダウンロードした後のユーザーにとってのプレイの快適さまで含め画面をデザインできる人材が求められているのです。UIデザインとはWEBデザイナーの得意分野ですから、こうした情報を提供することで応募につなげるという導線が必要でした。
道を示さなければ、求人は集まりません
ラクジョブは通常の求人媒体とは一線を画す、クリエイター採用に特化した求人媒体です。メディアの特性とずれた求人は事例であげたようにうまくいかないこともあります。アニメゲーム漫画業界の皆さんこんにちは。ビハイアの床井です。クリエイターの採用に特化した求人サイト・ラクジョブの運営を通じて、日頃よりクリエイターの採用をサポートしております。ラクジョブはそのコンセプト通り、デザイナーやプログラマーといったクリエイターの採用に強みを発揮するメディアです。過去の累計データを見ても、ラクジョブに掲載をした企業のうちおよそ8割の会社はクリエイター人材の採用を成功させています。しかし中には、応募数の少ない会社、応募は有るがイメージする人材とは違う、応募数がそもそも少ない、といった会社も残念ながら存在します。今回はそんな「ラクジョブには向いていない求人」のお話をしたいと思います。
求人媒体を利用する際には、 採用したい人材と求人媒体がうまく噛み合っているのかを確認して みてください。噛み合っていれば、 採用はうまくいく可能性が高いです。 この事例が皆さんの参考になれば幸いです。
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