就職活動とは
記事を読んでいただきありがとうございます。今回取り上げるのは新卒採用に関する記事です。大学卒業予定の方はすでに決まったという人も多いかもしれませんが、専門学校を卒業予定の人は就職活動が始まって少し経ったところではないでしょうか。大学卒業予定にせよ専門学校卒業予定にせよ、いずれにしても就職するために必要なのが内定をもらうことです。その就職にまつわる話をデータを交えて書いていきたいと思います。
就職活動を行う上で押さえておきたいのは、実際にどの程度の数のライバルが存在するのかということと、結局みんなどれぐらい就職できているのかというところです。厚生労働省の平成25年度「大学等卒業者の就職状況調査」を見てみましょう。
引用開始
【就職率】
○ 大学 94.4%(前年同期比 0.5ポイントの増。)
○ 短期大学(女子学生のみ) 94.2%(同 0.5ポイントの減。)
○ 高等専門学校(男子学生のみ) 100.0%(前年同期と同率。)
○ 専修学校(専門課程) 93.0%(前年同期比 1.1ポイントの減。)
引用終了
就職率は高いのですが、これはあくまで就職できたという数字であって実際に行きたかったところに行けたのかというとそういうわけではありません。私も就職活動を行っていた時はマスコミ関係に入りたいと思って大手の会社をいろいろ当たりましたが面接まで行くこともできずに結局第一志望の会社は一部筆記試験を受けただけで終わってしまいました。その後気を取り直して地元のIT系の会社に入り、そこが東京支社しか募集していなかったので、ずっと東京で仕事をしているのですが、私自身のことを2001年の大学等卒業者の就職状況調査においては、就職できたということになります。一番行きたかった会社には行けませんでしたが、それでも就職したということになるのです。
みんな第一志望の会社に入りたい
当然のことではありますが、一番入りたいのは第一志望の会社だと思います。でなければ第一志望という意味が分からないですし。ではその第一志望の会社に入社できた人は実際どの程度いるのでしょうか?これは公的なデータがないので就活サイトを運営しているジョブラスさんが実施したアンケートの結果をひとつのデータとして見てみます。
引用開始
【学生の時に第一志望だった企業に、また挑戦したいと思いますか?】
・そう思う 32.0%
・そうは思わない 58.0%
・学生の時に第一志望だった企業に入社した 10.0%
第一志望だった企業に入社できたという人は、全体の1割という結果に。9割の人たちは、第一志望に入社しているというわけではありません。約6割の人は、第一志望でない企業に入社したものの、そこでやっていくと決めているようですが、「いつかまた第一志望だった企業にチャレンジしたい」と考えている人も全体の約3割いることがわかりました。
引用終了
「第一志望に入社」できた人は○割! 「最終で落ちて立ち直れない」人へのアドバイスとは
第一志望の会社には入れたのは全体のたった1割であるという、経験からしてもそんなにずれていないのではないかなという結果でした。ということは、現在入りたい会社を順番に並べていった場合、そのうち9割の人はそれが実現しないということになります。第一志望の会社どころか下手すると第一志望の業界も結構難しいのかもしれません。
そんな夢も希望もない数字をお見せしたところで、それでもやっぱり第一志望の会社に入りたいと思う人は少なからずいるでしょう。むしろ自分は絶対にそのうちの1割に入ってやるとめらめらと闘志を燃やす人が出てきたかもしれません。ではどういうことをすればその確率は上がっていくのでしょうか?
厳しい現実
ここでまず厳しいというか現実的な話として、例えば東大や京大といったトップの国立大学からの入社が多い会社に入りたいという場合、自分がそのクラスの大学を出ていないのだとしたら、入社どころから試験を受けるのでさえ厳しいと思ってください。これは実際にやってみればわかることですが、自分の本当の学歴を登録して就活サイトに登録するのと、東大や京大など有名国立、有名私立を学歴として登録するのでは、選択できる幅が違います。残念ながらこれはどうしようもない現実です。どうしてもその会社に新卒で入りたいという場合は、その有名国立大学に入りなおすところから始める必要があります。
さすがにそれをしたいという人はなかなかいないというか、いるのであればそれはそれで入社できる可能性も少し上がる気はしますが、最終的に卒業するときの年齢などを考えると、結局はストレートで大学に入った人よりもデータ上厳しい局面にさらされることは間違いないでしょう。そして学費という面でも問題が出てきますので、様々な面において考える必要があります。
伝えられることは情熱
前提条件をクリアしたとして、ではその次どうするかですが、これは希望する職種によって大きく違います。一概にこれだけしておけばいいということはありません。ゲームプログラマーであれば学校での課題以外にも自分で積極的にゲームを作ったり、何かのイベントに参加したり、ゲーム作りのヒントになるようにいろんなところにでかけていって実体験を増やしたり、できることはいくらでもあります。
つまりいくらでもできることがあるのだからなにをすればいいという正解を求めても意味がありません。正解は自分で決めるしかないのです。とはいえそれだけだと記事を読んだ人も意味がないと感じると思いますので、ヒントをお伝えします。それはその他大勢に埋もれないということです。特にクリエイティブな業界において常識がないのは困りますが、ほかの人と大差がありませんという状態は、なんのエッジもたっておらず面接官の印象にも残りません。
面白いことをすればいいというわけでもないですが、例えばイラストレーター希望の人が自分のポートフォリオを作成した時に、ポートフォリオ自体もデザインをキチンとして、表紙からして目立つように造形物を表紙に張り付けていました。それは面接官の人の印象にかなり残っていて、実際仕事をするときにそれまで経験したことややってきたことがすぐに生かせるということはあまりないため、どこで差をつけるかというとやはり創意工夫であり熱意です。そこをきちんと差別化し、他の人とは違うんだというところをアピールしていくことが合格のための近道となります。
ちなみに新卒で入社した人が3年後に離職している確率は厚生労働省が発表している新規学卒者の離職状況(平成24年3月卒業者の状況)によると大卒で32.3%となっており、以下短大等卒で41.5%、高卒で40.0%、中卒で65.3%となっています。それだけ自分が勤めたかったところと違うところに入ったがために3年3割という離職率につながっていると思います。
どうしても第一志望の会社に入りたいという人はそういったところまで意識を向けて、就職競争を潜り抜け、たくさんの面白い作品を作り上げていってほしいと思います。私の知り合いでどうしてもアニメ業界で働きたいという人がいて、2年かけて最終的に内定を勝ち取り、今も働いている人がいます。思いを貫けば実現します。少しでも多くの人が第一志望の会社に入って活躍していってほしいですし、その応援もしたいので、就職転職の相談があれば気軽にお問い合わせください。