企業の採用活動において様々な評価基準を設けています。スキルを重視するところもあれば、コミュニケーション能力を見るところ、資格では判断するところなどです。しかしそんな評価基準も常に同じというわけではありません。そして最近、評価が見直されてきているのが、いわゆるオタクです。今回は、オタクが評価されているという記事のレビューとともに、オタクが与えたアニメ業界の影響を例に挙げて記事にしております。
必要とされるオタク
5月30日のダイヤモンド社のビジネス情報サイト「DIAMOND online」にてこのような記事が掲載されておりました。
「本物のオタク」の価値が転職市場で急上昇中
https://diamond.jp/articles/-/92058
引用始め
最近、企業の評価ポイントとして価値が高まっているのが、自分の興味のある分野へ強烈に傾倒する人、いわゆる「オタク」です。バランスのとれた人より、何か尖った強みや専門性を持つ人がより高く評価される傾向にあります。
引用終わり
アニメゲーム漫画業界において、オタク呼ばれる方は、潜在的に多くいる分野ではないでしょうか。私自身も週数十本のアニメを視聴し、イラストレーターのイベントへの参加、ここ数年は、「ラブライブ!」の音楽やアニメ、ゲーム、イベントなどなど、趣味に関してかなりの時間とコストをかけています。多分他の人から見れば間違いなくオタクだと言われると思います。
オタクの長所と言えば、興味のある分野に関しては、積極的に行動し、どんどん知識や経験を蓄積していくことです。それがいい方作用したアニメ作品があります。それは、「劇場版 ガールズ&パンツァー」です。このアニメは、アニメ史上最も忠実に戦車を再現した作品です。普通であれば、世界観や国、時代によってある程度限定されたり、期間や予算の関係で簡略化されたりします。しかし、この作品は、時間や予算がある程度確保できたため、テレビシリーズ以上の再現性で制作されました。その結果、塗装の特徴によるメーカーの違いや、戦車の裏側、サスペンション、内装の計器の配置に至るまで再現したそうです。そして、あるCGアニメ会社では、ある程度自由に設定を加えていいという指示をしたところ、戦車の監修として入ったスタッフが知らないことまでも戦車に反映されていたということがあったとのことでした(劇場版 ガールズアンドパンツァーBlu-ray特典 ミリタリーオーディオコメンタリーより)。そんなこだわりの中で制作されたものだからこそ、アニメにあまり興味のなかった戦車好きのミリタリーオタクの共感が得られたのでしょう。また、こういう時のクリエイターは、何よりすごいやる気があり、楽しんで仕事をするため、仕事の生産性も上がります。
画像はガールズ&パンツァー公式サイトより
仕事と趣味
仕事において、自分の好きなことを仕事にしてはいけないということはよく言われてきました。それは、自分が描いた職場のイメージと実際の職場のイメージにギャップがあるからです。それは業務内容や社内の雰囲気など様々なケースがあります。そのため、最終的には、その趣味自体が嫌いになってしまうということにもつながるのです。
オタクとして評価されてきているというプラスの面がある一方、会社に所属している以上100%好きな仕事をできるわけではありませんし、成果も求められます。転職する際は、オタクとして長所を活かせるかだけでなく、ギャップがあった場合、その部分も含めてオタクになれるかが求められるでしょう。