カプコンは、2016年5月9日に平成28年3月期の決算報告を行いました。今回は、決算報告の内容の紹介と、クリエイターにはあまり馴染みのない投資家情報で公開しているカプコンのソフトの販売状況とその傾向に関しての記事になります。
カプコン、平成28年3月期決算を発表…『モンハン クロス』300万本を突破し、増収増益に貢献
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160510-00000001-isd-game
引用始め
売上高は770億2100万円となり、前年同期と比べ19.8%増。営業利益は120億2900万円(同期比 13.7%増)、経常利益113億4800万円(同 4.6%増)に当期純利益77億4500万円(同17.1%増)と、増収増益という結果となりました。
当期の経営成績について同社は、開発コストの低減や開発期間を短縮するため、外部委託の削減による内作比率の向上に務め、開発プロセスや収益管理の改善に取り組んだと説明。また、多面的な収益展開を図るため、『モンスターハンター』や『ストリートファイター』といった優良コンテンツ資産を活用したワンコンテンツ・マルチユース戦略を推し進めた点もあげています。
引用終わり
決算報告は、すごく専門的だし、難しいという印象を持つかもしれません。中には、ゲーム作りをする人にとって経営は関係なことと思うかもしれません。しかし、クリエイターにとっても企業が出す情報はとても重要です。ソフトの売り上げはどうか、経営状況はいいか、今の流行りは何かを知ることにつながります。最近では、大手のゲームメーカーで知られるアルケミストが倒産するなど、企業の戦略次第では、大手だからといって安心はできない状況になってきています。
カプコンの決算
ちょっと厳しめなことをお伝えしましたが、カプコンの今期の経営状況は良好だったようです。売上高は770億2100万円となり、前年同期と比べ19.8%増。営業利益は120億2900万円(同期比 13.7%増)、経常利益113億4800万円(同 4.6%増)に当期純利益77億4500万円(同17.1%増)と、増収増益だったとのことです。その要因としては、デジタルコンテンツ事業のシリーズ最新作「モンスターハンタークロス」が当初の販売予定だった250万本を上回る300万本となったことにあります。他にも『バイオハザード0 HDリマスター』や『「ストリートファイター」、『ドラゴンズドグマ オンライン』なども貢献したとのことです。
皆さんは、カプコンはこれまで販売してきたタイトルでミリオンセールに至ったものを中心にランキングを作っていることをご存知でしょうか。カプコンのホームページの投資家向けの情報の中にそのページがあり、販売本数が多い順でランキングがつけられています(ミリオンセールスタイトル)。現在カプコンが販売したソフトの中でミリオンセールを達成した作品が71本、今回は上位20タイトルでその傾向を見たいと思います。
第一印象として、人気タイトルに偏りがあることがわかります。タイトル別で販売本数トップ20を見てみると、バイオハザードシリーズが7本、モンスターハンターシリーズが7本、ストリートファイターが3本と上位20本のうち、17本がこの3タイトルで占められています。年代で見ると、2000年代後半からは、主に「バイオハザード」と「モンスターハンター」で上位を占めていることから現在の主力はこの2タイトルといことがわかります。またこの2タイトルに関して、モンスターハンターに関しては、無印が発売されてから12年、バイオハザードに関しては、今年20周年を迎えたタイトルとなります。長年親しまれる作品があることは強みではありますが、そろそろモンスターハンターに並ぶ、もしくは超えるようなヒット作を生み出すことが、カプコンとしてもコンシューマーゲーム業界としても望まれることではないでしょうか。